旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

日本人の自然。

2008-12-07 17:29:29 | 静岡

このごろ陽気な農家のおじさんと話すことがあって、おじさんと話しを
していると変に感じる言葉がある。
おじさんは「米って言う自然がさー・・・」と言っていた。

「日本で都会に住むか自然の中に住むか迷っている。」という若い女性がいて
僕は「どこだよ自然て!」と言いたくなった事もあったな。

山の植林された木を切る為に静岡空港ができるのを反対している人が
「自然を守りたい。」
と言うのだけれど日本人の考える自然とは何だろうか?
僕には人工的に植えられた木を自然だとは思えない。
米は米であって、木は木であって直接自然には結びつかないと思う。
彼らの言うことは辞書をみても言葉としては間違ってはいないようだけど、
何かが違う。

日本人は不自然なものを「自然」だと言うようになっている気がするのだけれど
気のせいではなさそうだ。
日本人の中にはありのままの森もむき出しの地球にも触れる事が無いまま
死をむかえる人が多いのではないだろうか。

僕もまだ不自然なものを自然と呼んでいた頃にアラスカの原生林と
アリゾナの沙漠を見て日本に帰ってきたら2ヶ月間ずっと頭の中が
混乱した事があった。
きっと、それまで僕は自然に触れたことが無かったからだ。
僕が自然だと思っていたものとは違う本当の自然がそこにはあった。

そのくらい日本は自然と地球から遠いところにあるってことか。

僕が雲を好きな理由が、きっとここにあるんだろうな。
雲はいいぜ。
誰も雲をつかまえる事なんてできないんだから。

Digging up your ground.

2008-12-07 16:30:43 | 最南端

今日はとてもいい天気。
車に乗り爆音で曲を聴きながら向かう先はド田舎、川根町。

そこに縄文土器をつくらせてくれる「お茶ぼっこ」という喫茶店がある。
お茶ぼっこさんも最南端を置いてくれる店の1つだ。

僕はそこへ土器作りの為に10回以上行っているし店のオヤジさんと
話をしたら昔、遊んだ友人の親戚だった事もあってか今では色んな話が
できるようになった。
今日は2つ目の土器を焼く日で2時間ほどかけてじっくり焼くと実に見事な
焼き上がりに大満足だ。

店の壁にはたくさんのお客さんが書いた色紙があって僕も書かせてもらった。

「土器にはもう1つの人のかたちがつまっている。

 Digging up your ground.」最南端編集長

土器作りって自分と繋がっているものを見せてくれて本当にいいものだと
僕は思う。

店のオヤジさんは僕みたいな野人じゃなくて若い女の子に土器を教えたいと
言っているので興味のある若い女性は行かれてみてはと思います。

店の中では2ヶ月前に開局したラジオ「FMしまだ」がながれていて
話すネタも無いようでいつも音楽ばかりかけている。
土器を焼いているとクリスマスソングや崖の上のポニョの主題歌などが
聞こえてきた。
そのなかでもこの曲が僕の過ごした今日の雰囲気に合っているような
気がした。

土器とこの曲。
いかがでしょう。