このごろ陽気な農家のおじさんと話すことがあって、おじさんと話しを
していると変に感じる言葉がある。
おじさんは「米って言う自然がさー・・・」と言っていた。
「日本で都会に住むか自然の中に住むか迷っている。」という若い女性がいて
僕は「どこだよ自然て!」と言いたくなった事もあったな。
山の植林された木を切る為に静岡空港ができるのを反対している人が
「自然を守りたい。」
と言うのだけれど日本人の考える自然とは何だろうか?
僕には人工的に植えられた木を自然だとは思えない。
米は米であって、木は木であって直接自然には結びつかないと思う。
彼らの言うことは辞書をみても言葉としては間違ってはいないようだけど、
何かが違う。
日本人は不自然なものを「自然」だと言うようになっている気がするのだけれど
気のせいではなさそうだ。
日本人の中にはありのままの森もむき出しの地球にも触れる事が無いまま
死をむかえる人が多いのではないだろうか。
僕もまだ不自然なものを自然と呼んでいた頃にアラスカの原生林と
アリゾナの沙漠を見て日本に帰ってきたら2ヶ月間ずっと頭の中が
混乱した事があった。
きっと、それまで僕は自然に触れたことが無かったからだ。
僕が自然だと思っていたものとは違う本当の自然がそこにはあった。
そのくらい日本は自然と地球から遠いところにあるってことか。
僕が雲を好きな理由が、きっとここにあるんだろうな。
雲はいいぜ。
誰も雲をつかまえる事なんてできないんだから。