旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

グランドキャニオンの底から

2010-05-07 15:54:15 | 
先週、グランドキャニオンの底に住む友人から手紙が届いた。
考えにくいけどグランドキャニオンの底にはポストがあって1ドル32セントで
手紙を送る事ができる。

手紙をくれたハバスパイ族の友人は僕よりも3つほど年下だった気がする。

ハバスパイ族は600から700ほどいたといわれるアメリカ先住民の部族の中で、
その部族の言語が残っていると言われる10部族の中の1つだ。

僕がLONGESTWALK2でハバスパイを訪ねたとき歓迎のセレモニーが開かれ、そこでは
2、3歳のまだオムツを穿いた子供というよりは、赤ん坊が大人に混じってダンスを
していて、大人と子供の距離の近さに、彼らの言語が消えないことに納得がいった。
ただ、不思議に感じた事は、子供がたくさんいるにも関わらず、
20~30歳くらいの若者がほとんどいなかった事だった。

その理由は、この村のほとんどの若者は、20歳前後で自殺するという事だった。
それに若者のあいだで広がるドラッグ。
5年ほど前に日本人女性が殺害された事件が起きたのもこの村での事だった。
そして、仕事もない。

そんな事もあってか、友人からの手紙は「日本で何か仕事はないか?」という
ことだった。
PS『お前の国の金を送れ!』

明らかにドラッグの後遺症が残る友人に、
さぁ、なんて手紙を書いてやるかな・・・。