旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

ずーっと寿司とセックスだ。

2008-12-12 01:27:06 | 

今年の2月11日サンフランシスコからワシントンD・Cを徒歩で横断するというものに参加した。

たくさんの街に行き、たくさんの人と出会った。
その中にマカというインディアンの確か23歳の男がいた。
サンタフェあたりから参加したアイツは子供のような目をしているくせに
歌声が太くて低い声はいまでも耳に焼き付いている。

マカが食事の祈りの前にドライフルーツを食べて日本人のタッ君に怒られた。
道の隅でいじけているアイツに僕は食事を持って行った。
せっかく持っていったのに「おなかがすいてないんだ。」という
マカはガキだった。
それがマカとのはじめての会話だった。

いつもどこかにいってしまう僕のギターは
探しているとギターを弾けないくせに、いつもマカが持っていた。

観光ビザの期限がきて一度日本に帰らなくてはいけない僕にマカは
「日本に帰ったら何をするんだ?」と聞いてきたので
「寿司とセックスだ。ずーっと寿司とセックスだ。」というと
あいつは大笑いしていた。

日本からアメリカに戻るとアイツは「寿司とセックスはどうだった?」
と嬉しそうに迎えてくれた。

マカが膝が痛くてもう帰ると言い出したことがあった。
僕は怒って「D・Cまで行くって言ったろ!」というと
「わかった行くよ。」とあっさり言った。
自分が必要とされてるのか確認したいようで止めて欲しかったようだった。

なぜかロサンゼルスで買ったと言う相模湖と書かれた服を着た若い女を
僕は相模湖と呼ぶことにした。
相模湖とモカはウォークの中で付き合いだしたようだった。
モカは人に「お前、アイツと付き合ってるんだろ?」と勝手な噂をするのが
好きなくせに自分の事となると全然人には言わない。

ワシントンD・Cのホワイトハウスの前に着いた時、民族衣装に着替えたマカは
なぜだか不安と緊張でいっぱいそうだった。
なぜだったのかは今ではもうわからないけど。
写真はその時のものだ。

「来年の日本のウォークにくるだろ?」と僕が言うと
「仕事とお金しだい。」というので「絶対に来い!」というと
「わかった行くよ。」とアイツは言っていた。
ワシントンD・Cの広い芝生の上で「来年、日本で会おう。」とわかれた。

日本に帰ってきてから僕はFacebook(海外版ミクシーみたいなもの)
に入った。
アメリカで一緒に歩いた仲間のほとんどがそこにはいるのだけれど、
マカはいつまでたっても、そこにはこなかった。
きっと日本に来るために頑張って仕事をしているのだと思っていた。
気になってメールもしたが2ヶ月たっても返信がなかった。

ミクシーでちょうどマカの話が出ていた。
でも、僕が考えていたこととはかけ離れていた。

他殺、足と首が切断されていた状態で死体を線路に放置。

そんなバカな話があるわけがない。
信じられるわけがなかった。
何でアイツが?

それを知ってから僕の中に穴があいてしまった。
だから、さっきモカにメールで文句を言っておいた。

返信しろよ!
死ぬんじゃねーバカヤロウ!

日本人の自然。

2008-12-07 17:29:29 | 静岡

このごろ陽気な農家のおじさんと話すことがあって、おじさんと話しを
していると変に感じる言葉がある。
おじさんは「米って言う自然がさー・・・」と言っていた。

「日本で都会に住むか自然の中に住むか迷っている。」という若い女性がいて
僕は「どこだよ自然て!」と言いたくなった事もあったな。

山の植林された木を切る為に静岡空港ができるのを反対している人が
「自然を守りたい。」
と言うのだけれど日本人の考える自然とは何だろうか?
僕には人工的に植えられた木を自然だとは思えない。
米は米であって、木は木であって直接自然には結びつかないと思う。
彼らの言うことは辞書をみても言葉としては間違ってはいないようだけど、
何かが違う。

日本人は不自然なものを「自然」だと言うようになっている気がするのだけれど
気のせいではなさそうだ。
日本人の中にはありのままの森もむき出しの地球にも触れる事が無いまま
死をむかえる人が多いのではないだろうか。

僕もまだ不自然なものを自然と呼んでいた頃にアラスカの原生林と
アリゾナの沙漠を見て日本に帰ってきたら2ヶ月間ずっと頭の中が
混乱した事があった。
きっと、それまで僕は自然に触れたことが無かったからだ。
僕が自然だと思っていたものとは違う本当の自然がそこにはあった。

そのくらい日本は自然と地球から遠いところにあるってことか。

僕が雲を好きな理由が、きっとここにあるんだろうな。
雲はいいぜ。
誰も雲をつかまえる事なんてできないんだから。

Digging up your ground.

2008-12-07 16:30:43 | 最南端

今日はとてもいい天気。
車に乗り爆音で曲を聴きながら向かう先はド田舎、川根町。

そこに縄文土器をつくらせてくれる「お茶ぼっこ」という喫茶店がある。
お茶ぼっこさんも最南端を置いてくれる店の1つだ。

僕はそこへ土器作りの為に10回以上行っているし店のオヤジさんと
話をしたら昔、遊んだ友人の親戚だった事もあってか今では色んな話が
できるようになった。
今日は2つ目の土器を焼く日で2時間ほどかけてじっくり焼くと実に見事な
焼き上がりに大満足だ。

店の壁にはたくさんのお客さんが書いた色紙があって僕も書かせてもらった。

「土器にはもう1つの人のかたちがつまっている。

 Digging up your ground.」最南端編集長

土器作りって自分と繋がっているものを見せてくれて本当にいいものだと
僕は思う。

店のオヤジさんは僕みたいな野人じゃなくて若い女の子に土器を教えたいと
言っているので興味のある若い女性は行かれてみてはと思います。

店の中では2ヶ月前に開局したラジオ「FMしまだ」がながれていて
話すネタも無いようでいつも音楽ばかりかけている。
土器を焼いているとクリスマスソングや崖の上のポニョの主題歌などが
聞こえてきた。
そのなかでもこの曲が僕の過ごした今日の雰囲気に合っているような
気がした。

土器とこの曲。
いかがでしょう。




自称と他称

2008-12-05 20:53:51 | 編集長の本棚
前回、東京に行った時に神保町へ行き古本を買いあさった。
あそこは宝の山だ。
神保町を歩いていると前から気になっているサンカについて再び読みたくなった。
それで「サンカ 幻の漂泊民を探して」河出書房新社を買った。
2005年に出た最近の本だ。

サンカについて書いている主な人は三角寛さんや柳田國男先生八切止夫さんだろう。
特に三角さん八切さんは色んな話がありすぎて何を信じていいのか
さっぱり僕にはわからない。
きっと学者も大混乱しているにちがいない。
三角さんに関しては娘まで三角寛という人物について書いているくらいだ。

と別にサンカについて書きたいのではない。(僕には書けない。)

思いついたものをぱっと書いてみる。
インディアン・ナバホ・エスキモー・サンカ・土人・蝦夷。

これらは全て自称ではなくて他称(総称)だ。
確か600?ほどあった部族を一言で「インディアン」と一言で呼ぶことは
とても便利な気がする。
その呼び方にはその人達との距離を縮めようという思いが感じられない。
むしろ「俺たちとは違う奴ら」という差別の対象をひとまとめにして
遠ざけるようだ。
差別するにはとても便利な言い方だと僕は思う。
他称で呼んでいる限りその人達の事を知ることなどできるわけがない。

そんな事を思ってサンカの本を読むのをやめてしまった。





酒のない世界がいいな。

2008-12-01 22:01:29 | 最南端
酒がなければ「生きられない」人がこの国にはどれだけいるのだろうか?

プロ野球で優勝した時なんかにやるビールかけ。
偶然、テレビで見てしまうと、恥ずかしくなるね。
平気であんなものを放送するなんとも凄い国に生まれてしまった。

平和について話したり歌ったりする野外のイベントで酒を売っているものに
行ってしまうと、とても残念な気持ちになる。

「日本人は本当によく酒を飲む人達だね。」と海外で言われた事がある。
「そうだね。」としか言えないけど。

アイヌと日本のあいだにある酒の関係を見るのも非常に興味深い。

1618年、日本からアイヌの住む蝦夷地へ300艘ほどの船が交易にきている。
とくに酒造用の米・麹を欲するアイヌと物々交換する。

1821年下され物として支給されたものの中でも、とくに
酒と煙草のウエイトが大きかった。

マリファナは法律で禁止されて酒は禁止されないことを考えると
日本国側は酒が持つ働きをよーくわかっていて、うまく利用しているのだなと
わかる。
ずっと昔から(きっと米が日本列島に入ってきてから)酒がなくては成り立たない
社会がここにはあるんだよ。

酒を飲まなきゃ生きられない病人がいる限り、この国の人達が本当の意味で
「生きる」ことはできないのではないだろうか。
酒がなきゃ生きていられなかった僕の2年間の経験からもそう思う。

忘年会や新年会で酒を飲みに行く方は酒を飲まされないように注意しましょう。
そんなことしている暇があるなら、本を読みましょうよ。

笑えない。

2008-12-01 00:12:21 | 静岡
寒くなってくると電気ストーブやコタツから離れたくなくなる。
そのまま寝てしまったりすると気に穴が開いてそこから風邪が入ってきて
風邪をひくそうだ。
だから僕は冬にはいつも湯たんぽを使う。
が、風邪をうつされて、せっかくの日曜に12時間も寝てしまった。
凄く損をした気分だ。

昼に起きてバイクに乗って近所の静岡富士山空港に建設予定地を見に行ってきた。
滑走路が2本、搭乗口が2つか、多分あっても4つだろうな。
一応、韓国には行けるようなので富士山国際空港になるのだろう。
それで、未来へはばたけ富士山空港?

最近、静岡県では確か2000億円も使ってどキツイ冗談を言うようになった。
笑ってやってほしい。