native dimensions blog

新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

気密測定

2010-10-08 19:00:01 | 温熱環境

R0012387 本日、現場にて中間時の気密測定を行いました。

結果は0.23cm2/㎡でした。

外周部の耐力壁に合板を使用して特に気密工事を行わない場合で、測定値(完成時)が2.0cm/㎡~2.5cm/㎡位だと思うので、1/10の数値です。

実は、この1週間そわそわしてました。目に見えない空気の設計は実測でしか確認できないので、いくら工事の進捗を目視確認しても、本当にいいのかどうかは分からない訳です。

当事務所の気密工事は、「誰が工事をしても数値がでる」をコンセプトにしているので、信じてはいましたが、ひとまず結果が出て満足です。と、言っても設計士は口先と指先の商売なので、すべて大工さんのおかげです心の底からありがとうございます

但し、今回は中間時の測定ですので、完成時には多少数値が落ちるはずです。中間時に測定する目的は、故意に開けた開口部以外の隙間を探す為で、全てのスリーブに目張りがしてあります。

つまり、後戻りできない工事ですので、補修できるうちに確認を行うんです。今回は、補修の必要ないレベルですので、測定して終了しましたが、一応、私も15年程前に「気密測定士」なる資格に合格しまして、実際に気密測定機を動かしていた時期がありました。100棟ほど。(現在は更新をさぼった為・・・)

補修作業は本当に大変なんです。

目に見えないものを探さないといけないんですから。さらに、気密特性値が低いと「なんで?」と魔界に誘われた様なめまいがします。(数値が悪い家は特性値も悪いのが普通)

イギリス人にグーグルアースでネイティブディメンションズの事務所を探せ?って言ってるようなもんです。

ですから、補修なしで終われたのは一安心なのですが、このブログでも紹介している通り、気密測定の結果はあくまでも空気が漏れない事が分かっただけです。

計算に近い換気回数が期待できる事が分かっただけで、湿気が漏れないこと(対内部結露)の確認ではありません。

内部結露に対しては、透湿抵抗の計算が必ず必要です。それを怠ると見せかけだけの気密住宅になりかねません。

と言いながら、当事務所では透湿抵抗の計算を行っていないんです。

うわー、嘘ついたぁ

と言われそうですが、理由は防湿フィルム(JIS規格品)を用いれば、計算するまでもなく室内側の湿気を断熱材側に対してシャットアウト出来るからで、心配は無用です。防湿フィルムは湿気対策以外にも、経年変化対策にもなっていて、とても大切な材料です。

断熱、気密、換気、暖房、結露これらのキーワードに対して、どういった対策をとるのか、目的をはっきりさせて設計を行う事はとても大切です。


コメントを投稿