旬な記事なので、ちょっと長いです。
今日は、ミニストックの現場にて地盤調査を行いました。
10年くらい前から住宅でも地盤調査は一般的になったと思います。(それでも、ここ10年くらいの話なんです)
設計事務所は図面を描きます。
工務店さんに建物を作っていただきます。
設計と施工を分離する理由は、
1.設計の質が工事金額によって左右されない。
2.入札、見積り合わせ等で工事費の削減ができる。
3.正しい工事監理によって契約内容が保証される。
が挙げられます。
このブログでもちょいちょい伝えています。
じゃあ、地盤の事は?
それも同じですね。
まず一番大切なのは、「地盤のことは地盤の専門業者に任せるのが一番」ではないということ。
それでも構いませんが、最終判断はその建物の責任者、つまり設計者の判断です。
その為に、地盤の調査会社と施工会社は分けて発注しています。(判断の結果として同じ場合もあります)
だって、調査会社と施工会社が同じ場合、調査結果に対しての補強方法はその会社の得意な工事を勧めますよ。
だって、儲かるもん。
何が適切かが二の次になっている可能性があります。ないかもしれませんがグレーです。はっきりさせるためにも分離するのが一番。
建物を設計施工分離するならば、地盤も調査と施工を分離する。これ大事。
お客様に対して、「調査報告書と地盤改良の見積もりを机にポンと置いて、地盤保証が付くので安心してください」は、それだけだと全くのNGワード。
設計者がどのように判断して、どの様な対策を行うかの検証が前提としてなければいけません。
まず、準備段階として、建設地が分かった時点で調べられることはいくつかあります。
例えば、
昔の地形。昔ここはどんな場所だったんでしょう。これは、とても重要。今は家が建てられるようにきれいに造成されているけど、昔は畑でした、田んぼでした、池でした、沼でした、盛土しましたという情報は非常に重要です。
これを知れば、腐植土が混ざってそうだなとかの予想が建てられて、改良が必要そうな場合は優先順位も見えてきます。
次に、過去の災害履歴。洪水や液状化の履歴も検証時に必要な情報です。
あとは、周辺の地盤データ。公共事業の地盤調査データなどは公開されているので、近くにあればそれが一つの参考になります。
それらの情報を踏まえて、いざ調査。
住宅はスウェーデン式サウンディング試験が原則です。
価格が安いからも一つの理由ですが、一番の理由は、建物の四隅及び中心点の調査データが得られるから。
以前も記事にしましたが、変な話、建物は均一に沈む分にはさほど問題にはなりません。傾きながら沈むと大問題になります。
だから、建物4隅と中心点の地盤状況を知ることでどのように建物が沈むかの計算ができるようになるんです。
これができるのはスウェーデン式サウンディング試験だけ。
サンプルが採取できるボーリング試験が、価格も高いことから一番精度の高い調査=いい調査という認識を持たれている方が多いですが、地盤の状況を細かく知ることがいい調査です。
地盤調査報告書には色んな情報が載っています。地面の中なんて覗くことできないのにほんと色んな情報が。
調査は25cm刻みで行いますが、どの程度の荷重をかけたか、どうしたら沈んだか、どんな感触、状況だったか、地下水位などを知ることができます。
この調査報告書を基に設計者の検討が始まります。
調査ポイント5点の各点の地盤の強さと、建物が乗っかったらどの程度沈んじゃうのかという計算を行います。
それぞれのポイントでどの程度沈むかが分かって、それを線で結べばどの程度傾くかが分かりますね。
建物が3/1000傾けば、補強は必要ということになります。
傾きが小さくても、地盤の強さが弱ければ補強は必要です。
これらの計算結果と土質から適切な補強工事を選択します。
そして、いよいよ設計です。
質問ですが、柱状改良であればどこにその杭を入れましょうか。
答えは簡単。
柱の下。
そして、柱と言っても、場所によって柱が負担する荷重は違います。
どうやって知りましょうか。
構造計算するしかないですよね。
構造計算してない建物はどうやって柱状改良の場所を決めているんでしょうか。
傾いたマンション心配してる場合じゃないですね。
適当な設計をしていない事を祈るばかりです。
地盤改良の設計とは、
建物全体の荷重と柱1本1本の荷重を知ることと、
柱状改良であれば、杭径や設計基準強度で1本あたりの支持力が変わってきますので、1本あたりの支持力を決めれば、あとは建物全体に何本必要かという事が分かり、必要本数を、どの場所に配置すれば効果的かを検討しながら杭の配置を決めます。
それを施工会社の方と打ち合わせをするわけです。
認定工法を選択する場合は、施工会社から検討書を作ってもらいます。
長いでしょ。
調査報告書と施工会社からの見積もりポンと置くだけじゃないでしょ。
そりゃそうだ。
とにかく地盤がしっかりしていなければ、建物なんて何したって無意味になります。
もう、超重要。
設計者の責任重大です。
だからこれだけの騒ぎになるんです。
最後に超重要な情報を。
構造的にべた基礎と地盤補強工事の組み合わせはとってもナンセンス。
地盤補強工事で建物を支えるんだから、べた基礎のスラブなんていらないですよね。
全く無意味。
この組み合わせはありえないくらい言っておきましょう。
で、ネイティブディメンションズは補強工事があろうがなかろうがべた基礎を採用していますので、お客様からムダ金をぼった食ってうまい汁をすすってるんですね。
違う。ちがーう。
べた基礎を採用する理由は、構造的な理由ではなく、温熱設計上の理由から。
だから温熱設計の条件が変われば、布基礎がファーストチョイスになります。
正しい判断って難しい事ですが、それをするための建築士です。
士。
つまり、侍のプライドを持って設計しています。
今日は、ミニストックの現場にて地盤調査を行いました。
10年くらい前から住宅でも地盤調査は一般的になったと思います。(それでも、ここ10年くらいの話なんです)
設計事務所は図面を描きます。
工務店さんに建物を作っていただきます。
設計と施工を分離する理由は、
1.設計の質が工事金額によって左右されない。
2.入札、見積り合わせ等で工事費の削減ができる。
3.正しい工事監理によって契約内容が保証される。
が挙げられます。
このブログでもちょいちょい伝えています。
じゃあ、地盤の事は?
それも同じですね。
まず一番大切なのは、「地盤のことは地盤の専門業者に任せるのが一番」ではないということ。
それでも構いませんが、最終判断はその建物の責任者、つまり設計者の判断です。
その為に、地盤の調査会社と施工会社は分けて発注しています。(判断の結果として同じ場合もあります)
だって、調査会社と施工会社が同じ場合、調査結果に対しての補強方法はその会社の得意な工事を勧めますよ。
だって、儲かるもん。
何が適切かが二の次になっている可能性があります。ないかもしれませんがグレーです。はっきりさせるためにも分離するのが一番。
建物を設計施工分離するならば、地盤も調査と施工を分離する。これ大事。
お客様に対して、「調査報告書と地盤改良の見積もりを机にポンと置いて、地盤保証が付くので安心してください」は、それだけだと全くのNGワード。
設計者がどのように判断して、どの様な対策を行うかの検証が前提としてなければいけません。
まず、準備段階として、建設地が分かった時点で調べられることはいくつかあります。
例えば、
昔の地形。昔ここはどんな場所だったんでしょう。これは、とても重要。今は家が建てられるようにきれいに造成されているけど、昔は畑でした、田んぼでした、池でした、沼でした、盛土しましたという情報は非常に重要です。
これを知れば、腐植土が混ざってそうだなとかの予想が建てられて、改良が必要そうな場合は優先順位も見えてきます。
次に、過去の災害履歴。洪水や液状化の履歴も検証時に必要な情報です。
あとは、周辺の地盤データ。公共事業の地盤調査データなどは公開されているので、近くにあればそれが一つの参考になります。
それらの情報を踏まえて、いざ調査。
住宅はスウェーデン式サウンディング試験が原則です。
価格が安いからも一つの理由ですが、一番の理由は、建物の四隅及び中心点の調査データが得られるから。
以前も記事にしましたが、変な話、建物は均一に沈む分にはさほど問題にはなりません。傾きながら沈むと大問題になります。
だから、建物4隅と中心点の地盤状況を知ることでどのように建物が沈むかの計算ができるようになるんです。
これができるのはスウェーデン式サウンディング試験だけ。
サンプルが採取できるボーリング試験が、価格も高いことから一番精度の高い調査=いい調査という認識を持たれている方が多いですが、地盤の状況を細かく知ることがいい調査です。
地盤調査報告書には色んな情報が載っています。地面の中なんて覗くことできないのにほんと色んな情報が。
調査は25cm刻みで行いますが、どの程度の荷重をかけたか、どうしたら沈んだか、どんな感触、状況だったか、地下水位などを知ることができます。
この調査報告書を基に設計者の検討が始まります。
調査ポイント5点の各点の地盤の強さと、建物が乗っかったらどの程度沈んじゃうのかという計算を行います。
それぞれのポイントでどの程度沈むかが分かって、それを線で結べばどの程度傾くかが分かりますね。
建物が3/1000傾けば、補強は必要ということになります。
傾きが小さくても、地盤の強さが弱ければ補強は必要です。
これらの計算結果と土質から適切な補強工事を選択します。
そして、いよいよ設計です。
質問ですが、柱状改良であればどこにその杭を入れましょうか。
答えは簡単。
柱の下。
そして、柱と言っても、場所によって柱が負担する荷重は違います。
どうやって知りましょうか。
構造計算するしかないですよね。
構造計算してない建物はどうやって柱状改良の場所を決めているんでしょうか。
傾いたマンション心配してる場合じゃないですね。
適当な設計をしていない事を祈るばかりです。
地盤改良の設計とは、
建物全体の荷重と柱1本1本の荷重を知ることと、
柱状改良であれば、杭径や設計基準強度で1本あたりの支持力が変わってきますので、1本あたりの支持力を決めれば、あとは建物全体に何本必要かという事が分かり、必要本数を、どの場所に配置すれば効果的かを検討しながら杭の配置を決めます。
それを施工会社の方と打ち合わせをするわけです。
認定工法を選択する場合は、施工会社から検討書を作ってもらいます。
長いでしょ。
調査報告書と施工会社からの見積もりポンと置くだけじゃないでしょ。
そりゃそうだ。
とにかく地盤がしっかりしていなければ、建物なんて何したって無意味になります。
もう、超重要。
設計者の責任重大です。
だからこれだけの騒ぎになるんです。
最後に超重要な情報を。
構造的にべた基礎と地盤補強工事の組み合わせはとってもナンセンス。
地盤補強工事で建物を支えるんだから、べた基礎のスラブなんていらないですよね。
全く無意味。
この組み合わせはありえないくらい言っておきましょう。
で、ネイティブディメンションズは補強工事があろうがなかろうがべた基礎を採用していますので、お客様からムダ金をぼった食ってうまい汁をすすってるんですね。
違う。ちがーう。
べた基礎を採用する理由は、構造的な理由ではなく、温熱設計上の理由から。
だから温熱設計の条件が変われば、布基礎がファーストチョイスになります。
正しい判断って難しい事ですが、それをするための建築士です。
士。
つまり、侍のプライドを持って設計しています。
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