住宅の新築計画を進める際、どこかのタイミングで地盤調査の話題が出るかと思います。
既に住宅を建てられた方は、ビルダーやメーカーから地盤調査及び地盤改良についての説明を受けられましたか?
おそらく地盤調査の報告はあったと思います。
そして、改良工事になった場合、なぜ改良が必要で、どのような工事が最適かの説明は受けられましたか。
せいぜい、このグラフのメモリが少ないから地盤改良が必要です程度の話ではなかったですか。
あまり大した説明もなく、グレーな空気が出始めたところで、
「まぁ、保証が出ますから」で、話がすぐに終わりませんでしたか。
理由は、担当者も地盤の説明がよくできないからです。
「まぁ、地盤のことは地盤の専門家が一番分かっていて、当社は信頼のおける業者と付き合っていますので」
くらいで流されませんでしたか。
これは大間違い。(もちろん信頼のおける会社はたくさんあります)
地盤のことだって、設計者の責任の範囲です。
地盤調査会社からの改良工事の報告は提案でしかありません。
あくまでも最終判断は設計者。
つまり責任は設計者。
保証会社や地盤調査会社ではありません。
ところで、なぜ地盤は沈むのでしょうか。
それは、建物が重いからですね。
軟弱地盤に発砲スチロールを積み上げても地盤は沈みません。
私の夢と希望がどんなに大きくても、想いだけでは沈みません。
建物が重いから沈みます。
そして、その建物の重さは設計者にしか分かりません。
そう、設計者がお客様と打ち合わせをして、材料が決まります。
建設地によって、降り積もる雪の量が変わります。
この情報を知っているのは設計者だけ。
しかも、建物の場所でその重さは違います。
だから、地盤調査は建物の四隅と中央で行なって、それぞれの場所のそれぞれの場所に落ちてくる荷重によって、どの程度沈んでしまうのか、
全体が均等に沈むのか。
傾きながら沈んでしまうのか。
この検討を行って、始めて地盤に関する設計のスタートに立てます。
やっと、スタート。
地質などからどのような工法が最適で、どのような対策が必要なのか。
そして、その結果と基礎の設計の整合をとります。
決して別々ではありません。
住宅の設計とは地中数メートルから屋根に降り積もった雪のてっぺんまでが範囲です。
今日の話の様な建物の沈下の検討や液状化の判定は、(株)M’s構造設計で行っています。
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