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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

トイレのススメ

2010-11-10 17:37:22 | こだわり設計

近年、住宅は気密性能がとても上がりました。

一昔前の住宅は、隙間相当面積が10cm/㎡以上あったとも言われ、近年では5cm/㎡は当たり前、2cm/㎡も簡単に施工できる時代です。丁寧に気密工事を行えば、0.5cm/㎡以下の住宅も可能になりました。

気密性能が上がれば、隙間風も減りますし、それによる熱損失も減ります。省エネ効果が上がる事は家計に優しく、とてもいい事だと思いますが注意も必要です。

建物の気密が上がるという事は空気が外に漏れにくいという事ですが、それは室内の音が響きやすいと言う事。

裏を返すと外の音が聞こえにくいという事も言えて、冬の強風の妙に不安感を煽るあの風切り音が聞こえにくいという事もありがたいのですが、とにかく中の音が響きやすいんです。

さらには、気密が上がる事でオープンな間取りをご希望される建て主さんも増え、リビングの中に階段があったり、極力廊下を減らす間取りが最近の住宅のトレンドです。

間取りをオープン化するメリットは、家族間のコミュニケーションを取りやすくする為で、私も大賛成ですが、1点だけ気になって、譲れない場所があります。

それは、結構雑誌やチラシを眺めていると当たり前な位にあるんですが、リビングとトイレが接しているプランがとても目立つんです。

今までだったら、リビングからだと一旦廊下に出て、それからトイレが当たり前でした。ところが、廊下を省略するオープンなプランが増えてきたので、せいぜいトイレが直接見えない場所にある程度で、出入り自体は直接できるプランが多い様に思えます。

すごく、が気になるんです。

家族同士だったら気にならないか、響かない様な使い方を覚えるかもしれませんが、お客様はとても緊張します。

それを想像しちゃうとどうしても、居室に接した位置にトイレを配置したくないんです。お客様から100とか200ご要望が出て、全てが叶えられなくてもトイレの位置だけは拘りたい気持ちがあります。

R0012424 それでもまだ不安なので、トイレ回りの壁には断熱材を充填して、防音効果を高めます。

これで、全く聞こえないという事はあり得ませんが、可能な対策はしておきたいんです。

建築工事において簡単にできる対策はこんなところでしょうか。

これをした上で、最後私からお客様に1つお話をしています。

お父さんや息子さんへ。

トイレは座ってしましょう。

音が響きにくくなるばかりか、何よりも、トイレが汚れにくくなります。

これが一番大事。


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