普段は日々のお仕事の制作だけで手一杯なため、ついつい初心を忘れがちになっていますが、クリエイターの創作意欲の源は、世の中にまだ存在しない、自分が欲しいもの、好きなものを自ら作ってしまおうという気持ちにあります。
今日の写真は、仕事とは直接関係ありませんが、少し前から「時間が出来たら作ってみたい」と考えていた、文庫本のカバーです。
イラストレーターというお仕事をしていると、いろんなジャンルの書籍の表紙のイラストを担当させていただくことが多く、これまでにも何十冊もの本の表紙イラストを描かせていただきましたが、実際に自分自身で装丁する機会はなく、一度自分自身で自分のイラストを使って装丁したいという思いから、本日、お昼休み前のほんの15分程で、一冊のデザインをレイアウトしてみました。架空の本の内容は、20年前に実際に私が書いたエッセイを収録したエッセイ集で、表紙のイラストはそのエッセイの中の一編「危険な目に遭いやすい私」を元に、先頃描きおろした同タイトルの新作を使用。
60年代~70年代に出版されたような昭和の懐かしい文庫本の雰囲気を出したくて、タイトル文字のサイズやフォントのセレクトは、あえてレトロなムードで統一。裏表紙ではイラストをモノトーンにしてさらに昭和レトロ感を強調しました。
日々沢山のお仕事をさせていただいていますが、いつの時代になっても自作でモノをカタチにする作業のワクワク感は、何ものにもかえられない楽しさです。