去年の年末から毎晩妻と2人で観ていた007映画。元々は数年前に購入した20本のDVDを、再び年代順に全作観なおそう…というアイデアのもとスタートしましたが、一昨日ようやく20作目を観終わり、なかなかの充実感を感じた企画でありました。
毎晩続けて観ることによって、これまで気付かなかった点にも沢山出会えたし、5人のボンド俳優のそれぞれの個性や、レギュラーメンバーの移り変りや、物語の中だけでの変化だけでなく、製作スタッフの変化による映画の雰囲気の違いが手に取るようにわかるのも、とても興味深い点でした。
表面的にはボンドを演じる俳優が代わることによって感じる違いが一番のような気もしますが、意外と観ていて気になるのが音楽の担当者が代わっている点でしょうか…。2作目以降長くボンド音楽を手掛けているジョン・バリーの音楽は、やはりボンド映画のもうひとつの顔であり、彼が手掛けていない何作かの作品ではやっぱりかなりの違和感を感じてしまいました。またボンド俳優が交代することより、もっともっと違和感を感じたのが、タイトルバックの製作がモーリス・ビンダーでなくなった瞬間でした。最新のCG技術をあますところなく使った最近のタイトルバックでも、50年前にビンダーが確立したあのスタイルの魅力に及ばないことを、とても強く感じました。
物語の内容に関してもロジャー・ムーア以降の作品では、やけにリアルで生々しいものになってしまい、初期作の大きな魅力だった洒落っ気の効いた娯楽性が失われているのが少し残念です。ティモシー・ダルトンやピアース・ブロスナンのボンドも大好きですが、作品としての面白さではやはり初期作にはかなわないですね。
写真は我が家のボンドバイブルの1冊で「JAMES BOND The Secret World Of 007」という洋書です。