北海道らしい自然といえば、丘と原野(湿原)だと思う。一昨年はサロベツ原野を観光した。根室本線には原野の中を走る列車を俯瞰撮影できるポイントがある。尺別~音別にある「尺別の丘」と呼ばれる場所である。釧路地方は冬でも雪がそう多くないし、霧が発生しやすい地方であるが冬は発生率が低くなるだろうから、この時期にはもってこいだと思った。
札幌~釧路の夜行バスは2種類あり、それぞれ運賃が異なる。当然、安い方を選んだ。実は選ばなかった方のバスが撮影地の最寄駅である音別駅に寄るのだが、到着時間が早過ぎる。同駅は15時~8時まで無人駅で、駅舎に入れるかどうか分からないし、入れても怪しまれそうだし、いくら駅舎内でも寒いだろうから、お金がもったいないけど釧路まで行って戻ってくることにした。音別方面の列車は程なくして海沿いを走り始め、古瀬~音別の馬主来(パシクル)沼の車窓は見事である。昔札幌から各都市へ夜行列車が走っていた頃、終着間際の車窓が素晴らしかったのは「利尻」と「まりも(その前はおおぞら)」であった。
※釧路に戻る際に撮影
音別駅から徒歩約30分で現地到着。風も強くなく、霧も発生しておらず、天気良かった。素晴らしい撮影地だと思った。ただ、現地入口の目印となっている火葬場を意識しちゃうとテンション下がるけど・・・。なお、火葬場前行き止まりのところを駐車スペースと紹介しているHPもあるけど、「駐車禁止」の看板もあるし、車で直に入るのはやめよう。枯れた殺風景な景色だが、これこそ原野らしい。来年の大地の生命に繋がる景色である。サロベツ原野を訪ねた時も同じ様な景色で、その時にはつまらないと思った。でも、後になると先の通りに思える様になった。ANAの機内冊子に釧路湿原のことが載っていて、同じ様に思いの変化があった人の文章が載っていた。まずは下り普通列車を。好きなキハ40形を撮れて嬉しかった。
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撮影時間は長いが、のんびりと次の撮影を待った。以降は上に登って撮影。上り、下り両方、絶景を撮れる。平坦な道を歩いている時は昨晩から続いている膝の痛みをさほど覚えないのだが、坂道や階段の上り下りでは痛くてたまらない。なぜか筋肉はあまり痛くない。だんだんと風が強くなってきて参った。上りの「スーパーおおぞら」。上りは木々が邪魔だなあ。
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撮影してすぐ下り向けにカメラをセットしたら、「スーパーおおぞら」と尺別駅で交換した貨物が弧を描きながらやってくるではないか。貨物が来ないかなあって思っていたので、嬉しかった。視界が広いし大自然の中なので、列車は長い時間眺められ、走行音も長い時間聞こえ、列車が見えてからシャッターを切って遠ざかるまでワクワクした。ここではビデオ撮影も各下り列車で行なった。後ろの空荷が淋しいなあ。
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下り「スーパーおおぞら」。もう風ビュービュー(泣)
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まだ上り普通列車が撮れたが、風に耐え切れなくなったのと、膝の痛みのため駅に戻る時間に余裕が欲しいから、撮影を終了することにした。去ってみれば、これが原野の厳しさだなあと思えた。
音別川に架かる橋で撮ろうかと思ったけど、国道を走るトラックがもの凄い風を作って走っていくので、ヤメ。すると、また下り貨物がやってきた。コンテナいっぱいだったし、風強いの我慢してでも「尺別の丘」で撮りたかったなあ。あれ、さらにDF200の貨物が好きになっているぞ?(笑)
駅に着くと、その貨物が停まっていた。じきに前進し始めた。先へ向かうものと思いきや、今度はバックして2番線に入ってきた。その向こうではコンテナを持ったリフトの姿が見えた。荷下ろしのための停車であったのだろう。まあ、駅舎から外に出れば確認できたけど。上りの「スーパーおおぞら」が通過した後、今度は先へと消えていった。
次は釧路湿原で観光&俯瞰撮影。俯瞰撮影はシャッターチャンスが多いから、撮影下手な僕は好きである(笑) 釧路湿原は観光したことがあるが、広大な湿原の中にたくさんの展望台があり、当然それぞれ景色が異なる。さらに、一部展望台からは釧網本線の撮影ができる。今回は「サルルン展望台」に行くことにした。撮影対象は下り普通列車であるが、時間が無い。塘路駅から膝の痛みを堪えながら小走りで向かった。ところが、近道のルートが危険箇所があるということで通行禁止になっていて、迂回する羽目に(泣) 途中、別の「サルボ展望台」を通ったが、まずは素通りした。ここは構造物の高い展望台に上がらないと視界が開けない。ここも釧網本線の撮影ポイントである。なんとか列車通過前に「サルルン展望台」到着。三脚はセットせず、手持ちで撮影した。後追いになる。
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撮影後は景色を楽しんだ。塘路湖とサルルン沼他各沼が眺められた。
日本のかなり東なので、午後3時を過ぎたらもう日が落ち始めた。暗くなる前に下山したいので、行きにスルーしていった「サルボ展望台」に寄りたいので、ここを離れた。ホント、膝の痛みがたまらない・・・。「サルボ展望台」からは国道を真ん中に塘路湖と沼を眺められた。また、後ろは阿寒の山々が眺められた。
これにて下山した。それにしても、土曜日で天気も良いのに、全然人に出会わなかった。そりゃあ時間が遅いけど、下りてくる人には出会いそうなのに。両方素晴らしい展望台なのにね。寒いし、歩かなければならないからかね?
夕焼けに照らされ、塘路湖そばの山が赤く染まった。
雲は紅色に染まった。他にも曙とか、自然が作り出す色って神秘的だね。
宿泊以外で最後の目的地は摩周駅周辺。駅近くの共同浴場「泉の湯」へ。200円で温泉に入れる。地元の人が結構入っていた。お湯は透明で、臭いはあまりしなかった。
夕食は贅沢に寿司を食べた。ネットで調べて「寿司のよこ山」に入った。人の良さそうな大将だった。僕はちゃんとした寿司屋ではお酒を飲まない。ネタを楽しめなくなるからである。「北の幸握り」を食べた。いい新鮮なネタを使っていると感じた。目の前にタコの脚があって、出された寿司にもそのタコがあったけど、吸盤がデカかった。画像には無いけどあら汁付きで、なんかの肝も入っていてあっさり上品な汁物だった。値段も良心的だし、いい寿司屋であった。
本当はこの辺の温泉宿に泊まりたかったけど、明日の日程の都合で網走まで行き、泊まった。