先回の続きです。⇒ 9月の花のアルバム ③ 2023-10-12
今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
「花」すべての人の心に花を 夏川りみ
日本各地、朝鮮半島、中国に分布する蔓性多年草です。日当たりのよい山野や道端に生えています。市街地でも公園や道ばたの植え込みなどで育っているのをよく見かけます。
花に花びらは無く、白くて細長い4枚のがくが花びらのように見えます。花後にできる果実は、雌しべの花柱が長くのび、やがて白い綿毛が目立つようになります。この綿毛を仙人のひげや白髪に見立てたのが名前の由来です。
キンポウゲ科のほとんどは有毒ですが、本種もご他聞に漏れず有毒です。別名はウマノハオトシ、ウシクワズといい、動物は本能的に有毒であることを知っているのでしょう。
<センニンソウ(仙人草) キンポウゲ科センニンソウ属>
9/13 あけぼの山農業公園
中国の西南部原産のタデ科・ソバ属に分類される一年草です。日本へは縄文時代に渡来したとされ、江戸時代中期に麺状の「蕎麦」が作られるようになったとされます。
花の大きさは直径約5mmから6mmで、白く可憐な花です。1つの花の中におしべとめしべがあり、このような花は植物学上で雌雄同花植物と言われています。
<ソバ(蕎麦) タデ科ソバ属>
9/13 北柏ふるさと公園
北アメリカ原産の植物で130種類ほど自生していると言われています。日本には明治時代に観賞用としてきましたが、仲間のセイダカアワダチソウなどは繁殖力が強くて野生化して雑草として扱われています。
本種はセイタカアワダチソウの園芸品種で、キク科アキノキリンソウ属の多年草です。薄黄色の小さな蕾が多数付いた花穂が他の花を引き立てるので、ヨーロッパで人気があり、秋のガーデンには欠かせないポピュラーな花材です。
日本では外来の雑草で、近縁種のセイタカアワダチソウが野生化しており、これと勘違いされてしまうためか、あまり流通していません。
<ソリダゴ キク科アキノキリンソウ属>
9/26 あけぼの山農業公園
三重県津市の赤塚植物園作出のアメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜種の宿根性のハイビスカスです。
草丈が約2mに成長し、ひとつひとつの花は一日花ですが、真夏も休むことなく7月~9月に大輪の華やかな花が次から次へと開花します。
圧倒的な存在感と驚異的な強さ、ハイビスカスのような花姿から『巨神タイタン』にちなんで、花名が名づけられました。
<タイタンビカス アオイ科フヨウ属>
9/27 柏の葉公園
初夏から秋にかけて白い花を咲かせる南米原産の球根植物です。 日本への渡来は古くて明治時代初期にしたので日本でも馴染みのある植物です。
「ゼフィランサス」や「レインリリー」と呼ばれることもありますが。これらはゼフィランサス属やハブランサス属の総称でもあり、本種だけを差して呼ぶものではありません。
和名の由来は、純白の花を「玉」(真珠などの丸い白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てて名付けられたと言われてます。
<タマスダレ(玉簾) ヒガンバナ科ゼフィランサス属(タマスダレ属)>
9/26 柏の葉公園
中国南部の雲南省原産で、「一度咲くと300日咲き続ける」とも言われるバショウ科の多年草。日本ではまだ流通量が少なく、珍しい植物です。
「地面から湧いてきた金色のハス」という意味から付けられた名前です。日本で知れ渡った機会は、1990年の「大阪花博」で、この時の目玉植物として展示されたことで日本でも栽培が普及したといわれています。
<チユウキンレン(地湧金蓮) バショウ科ムセラ属>
9/26 あけぼの山農業公園
小~中型のモミの木で、光沢のある緑色の葉をもち、円錐形の樹形になります。「韓国のハワイ」と称される済州島には多く生育しており、済州白檜(サイシュウシラベ)とも呼ばれます。
美しい樹形になり、この木から様々な品種が生まれ、クリスマスツリーとして広く使われています。「英国王立園芸協会」からは「ガーデンメリット賞」を授与されており、庭での植栽で優れた植物だと評価されています。
自然に生育する数は少なくなり、絶滅危惧種として指定されています。
<チョウセンシラベ(朝鮮白檜) マツ科モミ属>
9/13 北柏ふるさと公園
日本や中国など北半球の温帯に多くの種類が自生しています。花が大きく、色鮮やかで美しいので、たくさんの品種が作出されています。3月後半~5月にかけて咲く花ですが、秋なのに咲いていました。
春と秋に咲く四季咲き種もありますが、花の数が2輪だけなのでそうでもないようで、狂い咲きなのでしょう。
<ツツジ(躑躅) ツツジ科ツツジ属>
9/26 あけぼの山農業公園
ゴミ置き場の近く、荒れ地、造園地などで見られます。林地内でも見られることがあります。おがくず、木片、切り株の上、枯れ木の周りなどの地上に発生します。
赤褐色のやや大きなキノコで、傘には鱗のような模様があるのが特徴です。若いうちは白地に淡い桃色の模様ですが、成長とともに茶色になっていきます。
また、衝撃を与えると、若いうちは黄色がかった橙色に傷みますが、成熟したものは赤色に傷みます。
<ツブカラカサタケ(粒唐傘茸) ハラタケ科 キヌカラカサタケ属>
9/13 北柏ふるさと公園
オレンジに黒い紋の入るヒョウ柄のチョウチョです。ヒョウモンチョウの中でも本種は特によく見られます。日中から活発に飛び回り、花にやってきます。
メスは羽の表側は先の方が黒色と白色の帯になっています。羽の先が黒くなっているのでツマグロと名付けられました。オスはツマグロになっていないのですが、オスメスともに羽を閉じたときの模様が特徴的です。
<ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋) タテハチョウ科ヒョウモンチョウ属>
9/26 柏の葉公園
日本を含む東アジア原産で、畑の隅や道端で見かけることの多い鮮やかな青い花が咲く夏の植物です。
大きく重なった2枚の青紫色の花が目立ちますが、実はよく見ると小さな白色の花がもう1枚下部にあるのに気づきます。その形や色から「帽子花(ぼうしばな)」、「青花(あおばな)」ともよばれます。
日本でも古来から自生しています。朝咲いて昼には萎む儚い様子から、万葉集の和歌でも恋の歌で登場する植物です。
<ツユクサ(露草) ツユクサ科ツユクサ属>
9/13 北柏ふるさと公園
北海道から本州、四国、琉球諸島まで広く分布する多年草です。かつてはとてもありふれた野の花で、秋の草原を代表するような存在でしたが、現在はすっかり珍しいものになってしまいました。
花は釣り鐘形で下向きに咲き、花柱が花冠からわずかに突き出ています。直立した茎を折ると白い乳液が出るのが特徴です。春の新芽は「ととき」と呼ばれ、山菜として利用されています。
和名は、その釣鐘型の花と、漢方薬の朝鮮人参の太い根に似ているところから名付けられたと言われています。
<ツリガネニンジン(釣鐘人参) キキョウ科ツリガネニンジン属>
9/13 あけぼの山農業公園
インド~中国、台湾、日本原産で、日本では沖縄島北部及び宮古島、奄美大島以南に分布し、常緑樹林下など湿った場所に群生します。
夏にピンク、白色、紫色のトランペット型の花を咲かせます。葉は卵形から槍形です。同属に、和名でハナウリクサと呼ばれるトレニアがあります。
希少植物で一般的に流通していませんが、花の美しさから盗掘が後を絶ちません。個体数が減少しており、環境省の絶滅危惧IA類に指定されています。
<ツルウリクサ(蔓瓜草) アゼナ科(アゼトウガラシ科) ハナウリクサ属>
9/13 北柏ふるさと公園
約24種類が南アフリカに分布する球根性植物で、日本ではビオラセアとフラグランスの2種類が出回りますが、一般的にはビオラセアをよく見かけます。
初夏~夏に花茎の頂点に星形の花を放射状に十数輪付けます。花色は淡いすみれ色、白などがあります。性質は丈夫で花付きも非常によく荒れ地でも生長し花を咲かせます。
名前の由来は18世紀オランダの喜望峰総督ツルバグの名前にちなみます。
<ツルバキア ユリ科ツルバギア属>
9/27 アンデルセン公園
全国各地の日当たりの良い山野や畦道に自生する在来種です。野草ですが、栽培品種に見劣りしない美しい花を咲かせるので、庭植えや鉢植えにして楽しむことができます。球根には毒性があります。
昔から皮膚病・神経痛・火傷・切傷などを負った際に、その球根をすりつぶして湿布薬として使用され、驚異の薬効を発揮して重宝されてきました。
<ツルボ(蔓穂) キジカクシ科ツルボ属>
9/26 あけぼの山農業公園
濃い青紫色に白いフチが入った鮮やかな花が、垂れ下がるように咲く美しい植物です。原産地は主に北米南部やブラジルです。
本種の名前は、キリリとした美しい花姿が、タカラジェンヌが正装した袴姿を思わせることから名付けられました。別名をハリマツリ(玻璃茉莉)やタイワンレンギョウ(台湾連翹)ともいいます。
<デュランタ・タカラヅカ クマツヅラ科デュランタ属(ハリマツリ属)>
9/13 あけぼの山農業公園
大航海時代、コロンブスがアメリカ大陸からスペインに持ち帰ったことで世界中に広まり、香辛料として使われています。
辛みのある種類と辛みがない甘み種があり、一般的には辛み種を指します。日本での主流はタカノツメです。和名は唐(中国)から伝わった辛子(辛いたね)の意味です。
メキシコ原産の「ハバネロ」やタイ原産の「プリッキーヌ」、ペルー原産の「アヒ・リモ」など世界各国に様々な品種があります。「島とうがらし」は沖縄原産の小型トウガラシで、泡盛に漬けた「こーれーぐーす」は沖縄料理に欠かせないものとなっています。
<トウガラシ(唐辛子) ナス科トウガラシ属>
9/26 柏の葉公園
中国中部及び西部を原産とするモクセイ科の常緑樹。戦後の高度成長期には公園や高速道路などに多用されましたが、現在では要注意外来生物リスト(環境省)に掲載されています。
開花は初夏(6月)で、その年に伸びた枝の先に、白い小さな花が房状に集まって咲きます。小花は直径8ミリほどで、2本ある雄しべと雌しべは花冠から突き出します。
葉は卵状の長楕円形で長さは5~10センチほど。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡い緑色。縁にギザギザはなく、ネズミモチに比べると先端が細く伸びます。
<トウネズミモチ(唐鼠黐) モクセイ科イボタノキ属>
9/27 アンデルセン公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「9月の花のアルバム ④」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「9月の花のアルバム ⑤」に続きます。