足立区介護保険条例の一部を改正する条例についての反対討論
2018.3.27 西の原えみ子
ただ今議題となりました第50号議案、足立区介護保険条例の一部を改正する条例について、日本共産党足立区議団を代表して、反対討論を行います。
本条例案は、今でも23区で2番目に高くて区民から悲鳴が上がっている介護保険料をさらに値上げし、区民に負担を増やそうとするもので、到底賛成できません。
これによって65歳以上の介護保険料は基準月額が6180円から6580円へと400円上がり、23区で一番高い保険料となります。
値上げ額が増えた原因は介護報酬の改定や給付の伸びだけではなく、国が消費税率引き上げ分や介護福祉士の処遇改善経費まで介護保険料に組み込むよう指示したことが大きく、中間報告では介護保険料には影響ないとしていたのに、国の指示に従い、その結果、保険料に上乗せをして値上げすることは許されません。本来消費税の増税は「社会保障のため」と言ってきたのに、これでは本末転倒です。
委員会では自民党議員から「介護報酬をもっと引き上げないと介護に従事する職員は長続きしない。400円の値上げはしょうがない」「介護報酬を充分にやろうとすれば当然それは介護保険料にはね返ってくるのが当たり前だ」との発言がありました。しかし介護報酬基準は、国が示す統一的なものでこれが23区で一番高い保険料になっている要因ではありません。低所得者が多ければ多いほど、必要な介護給付費を確保するためには平均保険料が上がるという構造的な問題です。これに目をそむけ負担増を迫る発言は許せません。
地域保健福祉推進協議会では7億6千万円あれば保険料値上げはストップできる事が明らかになりました。全国を見れば一般財源から繰り入れしている自治体は10(第5期)あり、国からのペナルティも課せられていませんし、紙オムツなどの介護保険で行う事業を一般施策で行うなどで保険料を400円値下げした千代田区のように保険料上昇は抑えられます。
問題は「区民の負担を増やさない」「介護保険制度を存続させる」という確固たる姿勢に区が立っていないことです。委員会でも「介護保険で行った方が安くできて区の負担が減る」と言及しましたが財政あって区民なしと言わざるをえません。
区が行ったパブリックコメントには603件の切実な意見が寄せられ、そのほとんどが「介護保険料の値上げはしないで欲しい」という声でした。そして区も「パブリックコメントのご意見を反映するように努める」と答弁していたのに実際には反映するどころか、中間報告から更に大幅な値上げになっています。これは区民無視であり、区はこれらの声を真摯に聞き保険料の値上げはストップするべきです。
わが党は議会が一丸となって、こうした区民の負担を減らすという立場に立ち、お金の使い方を変えて高齢者の負担増を抑え、介護保険制度の崩壊をさせない、介護の充実を願って討論といたします。