【反対討論】
本条例は、国民健康保険制度が広域化され都道府県単位化されて初めての保険料を決めるものです。
年12万円超える
様々な努力が行われたにもかかわらず新年度の保険料は一人あたり12万1988円で3547円の値上げとなります。
今回の改定に当たり区は区長会、部長会等の様々な機会を通じて区民の負担増を抑制する立場で奮闘して来たことは評価できるものですが結果として保険料が上がり負担増となることには賛成できるものではありません。
40代の給与収入で年収400万円の子どものいる4人世帯では49万4762円と年収の12%を超えます。こうした重い負担はとても払いきれるものではありません。
「とても払いきれない」
議会には保険料の値上げをしないことを求める陳情が提出され、わが党が行った区民アンケートでも多くの区民が国保料の値上げに反対を表明するなどこれ以上の値上げストップは区民の切実な願いです。
国民健康保険は今回の制度改革で、これまでの区市町村国保が、被保険者の年齢構成が高く医療費水準が高い一方で、所得水準が低く保険料負担が重いことが課題とされていました。
「広域化」で結局値上げ
こうした課題を解決することこそ国保制度改革で行われるべきでしたが、結局広域化ではこれらの問題は解決できないことが明らかになりました。
本来、国民健康保険は法律の第一条で、「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と述べているように社会保障制度の一環です。
社会保障として国は財源を含め責任を持つべきなのにその責任を投げすて、国民皆保険を守る立場に立つべき国や都が、一般会計からの繰り入れを赤字と決めつけて解消を求めているところに根本的な誤りがあります。
区はこうした誤った言い分を唯々諾々と聞くのではなく、住民を守る立場から防波堤となって地方自治体の役割を発揮すべきです。
統一保険料のもと激変緩和措置も取られるが
30年度の保険料は、東京都が独自の財政支援として都全体で14億円を支出し、23区は統一保険料方式のもと、激変緩和措置として6%分を一般会計からの繰り入れで行い、賦課率を94%として保険料の上昇を抑えましたがこれらはいずれも6年間で「解消」を目指すといいます。
委員会では、こうした一般財源投入を1%づつ減らすことは保険料が毎年1%づつ値上げをするということであり、現時点で区が一般会計からの繰入れをしない場合14万785円となる試算が示されているように、6年後には現時点でも14万円を超える保険料負担となり、医療の高度化が進めばさらに上がる可能性のあることが明らかになりました。
国民健康保険は国も認めるように、高齢者や無職者、非正規雇用の人など財政基盤が弱く、事業主負担もないもとで、国や都が支援を強めなければ維持存続はできません。
真の制度改革を
区と議会が一丸となって東京都が一般会計繰入れを赤字と見なして解消するという運営方針は見直し、区も108億円あった繰入れを25億円にまで減らすようなありかたを見直し増やす構えで改革を行い、低所得者の均等割の軽減や、特に負担の重い多子世帯の減免の導入に向かって前進するよう強く求めて討論といたします。