ポンコツ
少しづつポンコツになる古希の春
春の雪匙に崩るる角砂糖
永き日や革のソファのひび割れて
藪椿落つる準備をしてゐたる
寄せ合うて山茱萸の花戦ぎ出し
身をこそぐうちに冷めたる蜆汁
春の夢エンドマークが出て終はる
冴返るとりわけ東京タワーなら
おはようと春帽浮かせ古希の人
先生の声あたたかし夢に居て
薄氷が閉じ込めてゐる光かな
花器もなく庭の椿を手折りては
飯碗の濯ぎに残す花菜漬
春の夜の仏間に一人寝てゐたる
(「篠」204号より/2023年)
ポンコツ
少しづつポンコツになる古希の春
春の雪匙に崩るる角砂糖
永き日や革のソファのひび割れて
藪椿落つる準備をしてゐたる
寄せ合うて山茱萸の花戦ぎ出し
身をこそぐうちに冷めたる蜆汁
春の夢エンドマークが出て終はる
冴返るとりわけ東京タワーなら
おはようと春帽浮かせ古希の人
先生の声あたたかし夢に居て
薄氷が閉じ込めてゐる光かな
花器もなく庭の椿を手折りては
飯碗の濯ぎに残す花菜漬
春の夜の仏間に一人寝てゐたる
(「篠」204号より/2023年)
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