風邪がようやく治りかけたら、今度はノロにやられた。金曜の夜中、急に来た。吐き気とピーヒャラ、熱少々。翌日めったに行かない医者に行くと、ノロの疑いが強いとのことで、3日間寝込む。幸い軽症だったが、そんなわけで、正月明けから合わせると4キロ痩せた。ようやく市販のお弁当類が食べられるようになったが、あまり量は食べられない。酒もあまり飲みたくない。食べられないと元気も出ない。仕事は忙しいのにやる気が湧かない。それにしても、どこで感染したか。
元気がないなかで、牧野信一と小沼丹の短編を読んで、短編小説の面白さを再認識した。牧野の作品は、いわゆる幻想文学に入るのかもしれないが、『繰舟で往く家』は大変美しい恋愛小説の傑作。川をわたっての逢瀬という距離感、川の流れという横の運動と、繰舟で川をわたる縦の運動に二人の思いの深さが表されている。海棠の花の家も美しい。
小沼丹は、堀江敏幸とか現代の作家に通じる雰囲気をもった作家で、家に迷い込んだ図々しい猫と妻の死を重ねてゆるい日常世界を小津映画のようなリズムで描く『黒と白の猫』(講談社文芸文庫「懐中時計」)など、主人公を「大寺さん」と表現する小沼ワールドのぬくとさがここちいい。
こんな世界にばかり浸っていてはいけないのだけれど。
元気がないなかで、牧野信一と小沼丹の短編を読んで、短編小説の面白さを再認識した。牧野の作品は、いわゆる幻想文学に入るのかもしれないが、『繰舟で往く家』は大変美しい恋愛小説の傑作。川をわたっての逢瀬という距離感、川の流れという横の運動と、繰舟で川をわたる縦の運動に二人の思いの深さが表されている。海棠の花の家も美しい。
小沼丹は、堀江敏幸とか現代の作家に通じる雰囲気をもった作家で、家に迷い込んだ図々しい猫と妻の死を重ねてゆるい日常世界を小津映画のようなリズムで描く『黒と白の猫』(講談社文芸文庫「懐中時計」)など、主人公を「大寺さん」と表現する小沼ワールドのぬくとさがここちいい。
こんな世界にばかり浸っていてはいけないのだけれど。
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