トレーニングを兼ねて初詣

急な坂道を頑張って走ってのぼる。

できるだけ走ろうと思っても、急勾配なのですぐにしんどくなって歩いてしまう。

初詣客の車がたくさん通るので、あちこちに交通整理をする人が立っている。
その人たちのそばを通り過ぎるときに
「へ～～」と言ったような顔をされる。

あまり若くもない女性が一人、坂道をあえぎながら走ってのぼろうとしているのだから
ちょっと驚いているのだろうな。

『いいのいいの、そんなに驚かないでよ。
　こっちは一生懸命なのよ。
　トレーニングもかねて初詣に来ているのだから。』

リュックの中には去年初詣詣に来た時に買った福矢を入れている。
頭からちょっと出ているから、見た目に格好は悪いが
そんなことを気になんかしておれない。

やっと目的の場所に着いたら、トントンと階段を駆けのぼり
鳥居の前で頭を下げる。

手水を使い、それからやおらお参りに。

そして、恒例の「おみくじ」を引く。

ぐしゃぐしゃとかき混ぜて一つ手に取り開けてみる。

『うわ、また大吉だ。昨日も大吉だったのにまた出たわあー』

これまであまりこういうことがなかったので珍しいことだなあと思いながら
もう一つの神社を目指して走る。

一つ目と二つ目とはあまり離れていないので割とすぐについた。

ここも、階段をトントンのぼって行かなくてはならない。
急な階段がたくさんあるから、手すりをもちながらゆっくりのぼっていく人も多い。

そんな人の横をのぼって行ったところに参拝所がある。
だから人が多い元日には階段の下の方まで並んで
お参りの順番を待たなければならない。

しかし、今日は三日。
さすがに参拝の人は少なくなっているので
すぐにお参りすることができた。

そしてここでもまた「おみくじ」を引いた。

大きな筒を振ってから筒を傾け
小さな穴の中から番号が書いてある細い棒を取り出して
何番と書いてあるか確かめる。

そしてその番号を告げると、
受付にいる人がおみくじの紙を渡してくれるという仕組みになっている。

何が出るかな、とワクワクしながら紙を受け取り
まずは「大吉なのか中吉なのか？」を確かめる。

と、どうだろうか！！

本当に驚いた。

またまた大吉だったからだ。

三連続の大吉。

偶然だがこう続くと、幸運がめぐってきそうな錯覚に陥ってしまいそうだ。

すっかり気分を良くしてまたまた走って帰ってきた私だ。

でもトレーニングを兼ねていたにも関わらず
走った距離はのびず、15キロほどだった。

ま、いいかあ～～。
明日からまたトレーニングに励むよ。