ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

ボヘミアン・ラプソディ再び3

2019-01-05 17:28:00 | 日記
甲斐さんが「(ボヘミアン・ラプソディは)
最近にない出色の音楽映画」と評されましたが
その後に続けとばかり鳴り物入りで封切られた
レディ・ガガ初主演の「アリー/スター誕生」は

ロングラン上映中の「ボヘミアン・ラプソディ」の後塵を拝し
まさかの6位スタートだったそうで
これは、30~40代の女性の観客こそ多いものの
それ以外の世代層への広がりが浅いためらしい

その一回り~二回り上の「クイーン世代」の女性像について…
「今や大御所の少女漫画家…萩尾望都や大島弓子、青池保子、山岸凉子らが
出版社の編集者にストーリーを理解されず
苦労した頃から熱中し、支えたのがこの世代の少女達だ

ナンシー関や中尊寺ゆつこらを輩出し
竹の子族やDCブランド、女子大生ブームも作った
『オンナコドモのもの』と蔑まれたものを一途に愛し
置かれた場所で生きることを大切にした」…と記された記事を読んで

かつて奥さんが、クラスメイト達から
「甲斐バンド?知らな~い」やら「どこが良いの?」やらと言われても
また【HERO】でブレークし、周囲の見る目が変わっても
ずっと同じスタンスでいるのは、この「置かれた場所」世代だからなのかなあと…?(笑)

例えば、もし甲斐バンドがブレークしなくても
ファンでいることは変わらなかっただろうし
それと同様に、クイーンファンの女性達も
仮に「ボヘミアン・ラプソディ」がヒットしなくても
せっせと映画館に足を運ばれたでしょうし
もちろん、このブームが去った後もずっと
クイーンの曲を聴き続けて行かれるんじゃないかと…?

ただ、いくら「クイーン世代」だとはいえ
リアルタイムのファンではなかった奥さんが、ここまでハマったのは
レミ・マレック演じる「長髪のフレディ」が
20代の甲斐さんに似ていたこともさりながら(笑)
甲斐バンドと同じ時代に活動し始めたクイーンという「バンド」に
心惹かれたことが大きいみたいです

奥さんと同世代の作家・岩井志麻子さんが
西城秀樹さんが亡くなられた際に…
「大きなショックを受ける私を見て、息子たちは言いました
『おかん、そんなにファンだったっけ?』
そこで、はたと思い出しました

美空ひばりさんが亡くなった際
親たちが『ショックだ』と騒いでいたのに対し
『そんなにファンだった?』と私も思った
その死のショックの大きさに自分自身が驚くのは
失って初めて、彼が『時代の象徴』だったことに気づいたからでしょう」
…と、おっしゃっていたのと近い感情なのかも知れません

ちなみに、岩井さんは…「(新御三家の)3人のうち誰が好きか?で
女の子同士で盛り上がりました
ヒロミが好きな理由は『かわいいー』だったし
ゴローの歌の上手さに惹かれる子もいました
その中で私がヒデキを好きだった理由は
一番男というか『オス』の匂いを漂わせていたからです

当時は子供で、その魅力を『エロさ』という言葉には出来なかった
エロさの源は、容姿やステージなどの他に、独特な歌い方にもあります
【傷だらけのローラ】のような、男の人があれほど切なげに
女性を求めて叫ぶ声など聞いたことがありませんでした
それが非日常のエロスを感じさせたんですね

少し上のジュリーだと、誰が見ても背徳的な雰囲気だったから
『そこが好き』と言えた
でも、ヒデキの魅力を『オスっぽいから』などと言ったら
『イヤらしい』と驚かれかねない
自分の意見を表明するにも、子供なりに相手の腹を探り
空気を読むことを通じても、ヒデキは少女を大人にしたのです」

…と、振り返っておられるんだけど
これは、東郷かおる子さんが
「クイーン第1世代」の少女達について話されていたことや
水上はる子さん、亀和田武さんが
「初期の甲斐バンドファン」について記されたことと全く同じで

思春期に差し掛かる微妙な年齢の少女達の中には
あるシンガーによって、自分でもしかと認識できない内に
セクシャリティを呼び起こされる人間がいるということでしょうね?

ともあれ…「アリー/スター誕生」が
「監督・主演のブラッドリー・クーパーの歌とレディ・ガガの演技のうまさに驚く」
ほどの出来にも関わらず、イマイチな理由について
「2人が歌う楽曲の数々…特に主題歌の【シャロウ】が
まだそれほど人々の耳に届いていない」ことが挙げられてますが

音楽映画に限らず、大ヒットした映画には
タイトルを聞いた途端に、その映画で流れた楽曲が思い浮かぶということが多く
以前にご紹介したS・スピルバーグ監督の言葉…
「観客の涙腺を刺激するところまでが僕の仕事
涙を流させるのは(作曲家)ジョン・ウィリアムズの仕事だ」…の通りでしょう

ましてや「ボヘミアン・ラプソディ」で流れる数々の楽曲は
多くの観客にとって既知の曲ばかりで
更にリピーターの多さを考えれば
「応援上映」が盛り上がるのも納得です(笑)

我が家が、この「応援上映」というか
「上映中はお静かに」が普通の映画館で
声援や歌声が飛び交うようになったと初めて知ったのは
3~4年ほど前に公開されたインド映画「バーフバリ 王の凱旋」で
「絶叫上映(笑)」が導入された時で

上映直前に「発声練習」(笑)と「楽しみ方」のレクチャーがあるとか
通常版を観賞し予習を済ませてから「絶叫上映」に臨むリピーター達は
登場人物のコスプレ姿をしているとか
映像ソフトが販売された後も、チケット争奪戦が繰り広げられている
…といった熱狂ぶりに驚いたんだけど(笑)

消費者行動を調査する博報堂生活総合研究所によれば…
この映画が公開された頃から、商品を購入する「モノ消費」や
映画観賞・旅行などでサービスを楽しむ「コト消費」よりも
ライブ・イベントなど、その場限定の盛り上がりを楽しむ「トキ消費」に
より一層の関心が高まっていたらしい

参加型上映は、ライブと同様に
「毎回集まる顔ぶれもノリも異なるのが面白い」と知って
「消費意欲が薄い」と言われる若者世代が
「生活の中で、束の間の非日常や共感を味わいたいのではないか?」

…と考察されていて、それが、去年はたぶん
W杯の日本代表の試合やハロウィンなどの機会に
渋谷のスクランブル交差点に集まるという形を生み出したのかなあと…?(苦笑)
コメント
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