さて、いよいよ「大豆田とわ子と三人の元夫」です♪
主演は甲斐さんご贔屓の松たか子さん、元夫役は古い順に(失礼!)
松田龍平さん、角田晃弘さん、岡田将生さん…
って、我が家では、松さんと松田さんが並んでいらっしゃるのを拝見すると
以前にドハマリした「カルテット」を思い出すんだけど
このドラマの脚本も同じ坂元裕二さんが手がけておられます
そういえば、高橋一生さん演じる家守さんの元妻「茶馬子」さんこと
高橋メアリージュンさんも、とわ子さんの会社の社員役で出演なさってたし
エンディングテーマで、松さんが歌声を披露されていたのも同じですね(笑)
バツ3の住宅建設会社社長という、全くあり得ない…とまでは行かないものの
若干?特異な設定のせいか、衝撃的な事件や深刻な色恋沙汰が頻発するのではなく
日常生活の中の「さざ波」のような出来事や周囲の人々との掛け合いが紡がれていて
クスリと笑ったり、ホロリとしたり…という風に穏やかな気持ちで楽しめるドラマで…って
これは、我が家の購読紙のコラムに…谷崎潤一郎の「細雪」には
「痴人の愛」や「鍵」のハラハラや「刺青」のようなエロチシズムはないが
「劇的なことが何も起こらないのがいい
第二次世界大戦直前の時期を描きながら
その不安は影のように淡く描き込まれているだけだ」
…と記されていたのを読んだせいかも知れません(笑)
もちろん、ドラマの進行上、娘が大学進学を止めて「彼と結婚する!」と言い出したり
子供の頃からの大親友が急死したり、会社が乗っ取られそうになったり…
といった大きな、しかも自分の意思や力だけでは解決できない問題も持ち上がるんだけど
内心の葛藤はどうであれ、とわ子さんが大騒ぎしたり、取り乱したりせずに
淡々とした語り口で、自分の思いを告げるからかなあと…?
最初の夫・松田さんと別れたのは、松田さんには他に好きな人がいると感じたため
…ということが、とわ子さんの口から明かされたあと
それが、とわ子さんの親友「かごめ」さん(市川実日子さん)だと
視聴者にだけ判るようなシーンが流れて「ええーっ!?」とビックリ!
やがて、とわ子さんも松田さんからプレゼントされた「靴下」が
本当は誰のために選ばれたものだったか?と気づくんですが
そのことを特に問い質したり、責め立てたりせず
かごめさんの死後には「時々、2人でかごめの話をして、思い出してあげようよ」と言ったり
4回目の結婚を真剣に考えた相手(オダギリジョーさん)のプロポーズについても
「欲しいものは自分で手に入れたい」と結論を出し
「手に入ったものに自分を合わせるより
手に入らないものを外から眺めていた方がいいよ」という元夫の言葉に頷いたり
…って、kainatsuさんは、この「とわ子さんの幸福論に共感してしまった
私の未来にどうか幸あれ(笑)」とツイートなさってましたけど…(笑)
ちなみに…「まず、オダギリジョーの個性を3話のみで
あれだけ多角的かつ完璧に魅せきれるすごさ」と呟かれていたのは
最初は、朝の公園で出会い、他愛もない会話を交わす内に
自然にかごめさんの話をしていた…みたいな癒し系の穏やかな人だったのが
とわ子さんの会社のオーナーが、会社の株を売却しようとしている
外資系ファンドの人間として現れるや、利益重視の非情なビジネスマンの顔を見せ
ただの「そっくりさん」で、別人かと思うほど豹変!?
でも、再び公園で会うと、やはり穏やかな癒し系に戻り
しかも、ビジネス以外では、これまで通りのつきあいがしたいと言い出すような
ちょっと変わった面も持ち合わせている…といった人物像が描かれた脚本はもちろん
それをさらりと演じていらしたオダジョーさんが素晴らしかったということでしょうね?
まあ誰しも、オンとオフ…公私で顔を使い分けているし
この男性は「ビジネスはビジネス」と、きちんと線引きできる人ってことなんでしょうが
フツーは、そんな風に割り切ってつきあうのはナカナカ難しいんじゃないかと…?(汗)
もっとも、とわ子さんは、その提案を受け入れるんだけど…(笑)
それはともかく…3人目の夫・岡田さんが、他の元夫2人に
それぞれと結婚している間、とわ子は僕たちののダメな所を怒らなかったでしょ?と訊ね
2人が頷くと「僕たちは、とわ子に甘えていたんですよ」と話したり
父親から「あなたを転んでも1人で起きられる子にしてしまった」と言われて
「私、ちゃんと色んな人に起こして貰って来たよ
今は1人だけど(別れた夫たちは)みんな、私が転んだ時に起こしてくれた人たちだよ
お父さんだってそうだよ。言いたくないけど支えになっていたよ」と返すシーンからも
とわ子さんの人となりが窺えました
毎回、番組冒頭に「◯◯する大豆田とわ子」「◯◯になっている大豆田とわ子」と
その回の放送内容から3つの場面がピックアップされ、そのカットが流れるバックで
ナレーションをなさっていたのが伊藤沙莉さんだったんですが
我が家は、イチオシ・ハスキーボイスの持ち主の語りに高まり(笑)
本編にもチラッと出演なさるんじゃないか?
と期待していたものの叶わず…それだけが唯一の心残りです(苦笑)
その伊藤沙莉さん主演の「いいね!光源氏くん し~ずん2」は全4話と短めで
民放の「特別編」とか「スペシャル」といった感じでしょうか(苦笑)
相変わらず、ただの「同居人」という関係の2人…
前作からずっと伊藤さんは「光くん(千葉雄大さん)」のことが好きで
光くんも「沙織殿」を愛おしく思っているとはいえ、フィジカル的な進展は見られず(苦笑)
…って、前作では、ナンせ数多の女性と浮き名を流した「光源氏」ですから(笑)
令和の時代にやって来ても「美しい女人」には目がない…という部分があったし
ナンとか平安時代に帰る方法はないか?と探ることが、ストーリーの軸になっていたため
沙織殿が、無邪気にソファーで眠る光くんを見て、ため息をついたり
自分がタイムスリップして来たテラス窓の前で
何度もロールアップを上げ下げする光くんの姿に胸を痛めたり…って感じだったのが
今作では、ソファーで眠ったふりをしていた光くんが「私ともあろう者が情けない…
あちらの世では容易かったことが、こちらの世では何故できぬのか…」とため息をついたり
仕事の出来るイケメンが、沙織殿にプロポーズしたと知って動揺したり…と立場逆転!?
逆といえば、前作では、光くんに続いて「頭中将(桐山漣さん)」もタイムスリップして来たけど
今作では「カインくん(神尾楓珠さん)」が平安時代にタイムスリップしたり
光源氏の妻「紫の上」と思われる?和歌の先生が登場したりと、スペシャル感満載でした♪
「リカ~リバース」も「特別編」というか「スペシャル」というか
正確には、以前に放送された連ドラ「リカ」の前日譚で
「スターウォーズ~エピソード0」みたいに
「最恐の純愛モンスター・リカ」の誕生の秘密が明かされたんですが
連ドラで、ヒロイン?(汗)リカ役でいらした高岡早紀さんが
「リバース」では、のちの「リカ」の母親役を務めておられ
リカのあの思い込みの強さは遺伝なのかとナットク!…ウソです(笑)
でも、娘たち(双子の姉妹)と一緒に…というより率先して
娘たちの家庭教師の男性が、タクシーに乗って逃げるのを、走って(笑)追いかけるシーンは
「そんなヤツはおらんやろー!(笑)」とツッコミながらも
筒井康隆さんの短編小説「走る取的」みたいな不気味さがあり(汗)
ある意味「リカ誕生」のエピソード自体より怖かったかも知れません(苦笑)
同じフジテレビの「コールドゲーム」は
去年、コロナ禍で多くの連ドラが撮影休止になる中、唯一、撮影を終えていたという
「隕石家族」の続編か!?と思えるドラマ…って、主演が同じ羽田美智子さんで
「隕石家族」の「キャプテン」こと中村俊介さんも出演なさってるし…で
「隕石家族」は、巨大隕石が地球に衝突するまでの半年間を描いたのに対し
「コールドゲーム」は、隕石衝突により氷河期に入った地球が舞台になっていて
マイナス45度の世界では「ステイホーム」は必定ということで
こちらの方が、去年のオンエアには相応しかったんじゃないかと…?(苦笑)
ただ、どちらのドラマも「もし、本当にこういう状況になったらどうしますか?」
…ということを問いかけている訳で、前作では
さっさと会社を辞める人もいれば、最後まで残る人もいるし
「今日の隕石予報」で隕石の軌道が逸れたと知るや
処分してしまった冬物衣料を入手しようと慌てる人と、それを高値で売り始める人
故郷に帰る一家や、宇宙へ脱出しようとする一家、一日中飲んだくれてる人々
隕石衝突後も世界は続くと信じ、受験勉強に励む高校生…等々
様々な選択肢が提示され、色々と考えさせられたし(汗)
今作でも、極限状態で秩序がなくなった世界では
善か悪か、正義か罪か、愛か憎しみか…といった両極の事象の境界が曖昧になり
ちょっとしたきっかけで、その境界を踏み越えてしまうんじゃ?と
甚だ心許ない気持ちになったりしましたけど(汗)
ある種の「余命宣告」のようだった前作より
扉一枚隔てて、生死が隣り合わせている今作の方が
「自分はどういう人間なのか?」「どう生きるのか?」をより深くえぐられた気が…(汗)