白石監督によれば…「前作のプロデューサーからのオーダーは
描写がハードだと知られる『韓国映画を超えてくれ』」…だったそうですが
町山智浩さんも「この作品は、1970年代の実録ヤクザ映画へのオマージュであるのと
もう1つ、白石監督が目標にしているのが、香港ノワール、韓国ノワールなんですよ
元は、日本のヤクザ映画を真似して、あっちは始まったのに、完全に日本を超えちゃった
やっぱり、アクションが凄まじいんで…ジョン・ウー監督とか、韓国のヤクザ映画とか…
で、それにナンとか迫ろうとして、逆襲しようとして白石監督は頑張ってるんですよ」と話されてます
そのアクションシーンの1つ?日岡(松坂桃李さん)の相棒・瀬島刑事(中村梅雀さん)と
広島県警の中神警部補(三宅弘城さん)が「日岡ーっ!」と叫びながら
大雨の中を走るシーンの撮影は「テンション上がりましたね」と白石監督
「若者を走らせて楽しがっているようじゃまだまだ(笑)
走らせるならおじさんだと思いました」と笑っていらしたけど(笑)
その梅雀さんは「業界1,2を争う雨粒の大きさを誇る」雨の中
濡れたアスファルトの上を革靴で、70~80メートル全力疾走するシーンを
リハーサルなども含め、合計10本こなされたそうで
「65歳で全力疾走は、あとあと来ましたね、腰に…(笑)
でも、こんだけ走ったら、良いシーンになるなと思いました」と振り返っておられました
もっとも、もうお一人の「おじさん(笑)」三宅さんは
「梅雀さんの足の速さに感動しました(笑)」とおっしゃってましたが…(笑)
そういえば「イチケイのカラス」でも「安定の職権発動」によって検証が行われることになり
その窃盗事件の被告(バカリズムさん)に、体型が一番近いということで
書記官役の梅雀さんが、20~30キロの重りが入ったバッグを持ち
それを自転車に積んで、ペダルを漕ぐ…という実験を何度もやらされた時も
「あとから来た筋肉痛に苦しんでんですよ!」とボヤくシーンが…(笑)
それはさておき…奥さんは甲斐さんのラジオ番組に投稿しなかったものの
白石監督が、Eテレ「SWITCH」に出演なさった際
松坂さんが「『ガッチャマン』の時に、7階から飛んだことあります」
…と話されたのを覚えていらして「3階くらいだったら、自力で行けるかなって…(笑)」と
楽しげにおっしゃっていたのが印象に残っていたんだけど(笑)
いざ、そのシーンが登場すると、あまりの迫力にビックリ!(汗)
松坂さんによれば…「ガッチャマン」や「MOZU」での飛び降りシーンは
「ホントに、ただ飛び降りるだけだったので、まあ、3階ならイケるかな?と思ってたら
監督に『一連のアクションの流れで撮りたい』って言われてから、ものすごく緊張して来て
『もしかしたら、ケガするかなあ?』って…(笑)」と思われたらしく
我が家がビックリしたのも、まさにその一連のアクションシーンの最後に
日岡が手錠をかけられたまま、いきなり窓を目がけて走り出したか
…と思う間もなく、ガラスを突き破ってダイブしたからです(汗)
イヤ、いくらそのアクションのために、1日リハーサルの時間を取られたとはいえ
「10メートルの高さから何度も飛び降りる内に
ハーネスが足の付け根に擦れて出血」するほどのスタントを
主演俳優の方にやらせて大丈夫なんでしょうか?(苦笑)
ただ、前作の撮影では、監督が「暴れ方そんなもんなの?」と
役者さん達を挑発なさることがおありだったみたいですが
「今回は、コロナでクランクインまで時間が膨大にあったこともあって
役者がホンを読み込んで、掘って埋めてを繰り返したぶん、少し勇み過ぎた感があり
『もう少し抑えよう』と言うことが多かった」んだとか…(笑)
で、その最大のヤマ場…日岡と上林の一騎打ちの死闘について
白石監督は「アレは、2人のランデヴーだと思って撮ってました
だって、殺し合うだけなら、その場でも良い訳じゃないですか
なのに『行くよ』って、わざわざ車に乗るよう促して
トンネルで撃ち合って…愛しか感じないですよ(笑)」と、おっしゃってたけど
町山智浩さんも「上林(鈴木亮平さん)は、本当に可哀想な子供時代があって
モンスターになってしまったんですね。実際は哀れな男なんですよ
本当は、彼はそんな荒ぶる気持ちを、誰かに鎮めて欲しいんですよ
でも、あまりにも強すぎて、誰も彼を倒せないんで、どうしようもなくて暴れてるんです
で、その荒ぶる魂をナンとか鎮めてやろうとする人が、狼の血を継ぐ者、日岡なんですよ
だから、この映画は、実は松坂桃李と鈴木亮平のラブストーリーなんです、本当に…
で、色々あったけれども、最後は2人きりになって、愛を交わすんですよ
ハッキリ言ってBLなんで(松坂さん・鈴木さんの)ファンの人は
見に行った方がいいですよ」と紹介なさってました(笑)
そうそう!以前に、鈴木さんが「駿河太郎さんに似てるって、よく言われるんです(笑)
駿河さんが出られた作品を『観ました!良かったです!』とか言われて…(笑)
駿河さんも『変態仮面の人!』って思われたりしてるみたいだし…(笑)」と話されてたけど(笑)
この「孤狼の血」には、1,2それぞれに出演なさってることで
混乱されてる方がいらっしゃるかも…?(笑)
ともあれ…白石監督は「今、Vシネもなくなって
ラスタチ(最後の立ち回り)のある映画って、ほぼないじゃないですか
それをやれるなら、やり尽くしたいなと…
それに、上林のことを考えると、中途半端な幕切れはあり得ません
ちゃんと殺してあげるのが筋。しかも、その前に見せ場も作らないと…
本当は1日で撮るスケジュールだったんですが無理でした
鈴木さんも桃李くんもアクション映えして、見ていて惚れ惚れしちゃうので…
それに、桃李くんも言ってないのに、コンドームに入れた血糊を
アクション中に見えないように口の中に放り込んで
殴られたあとに口からドバッと血を流すんですよ
『もう、桃李くん、いつの間にそんなこと覚えたの!?』…って(笑)
そうしたら、こちらは、もう1~2発パンチを増やさざるを得ないじゃないですか(笑)
そんなことをしていると、スケジュールが押して、3日もかかってしまったんです(笑)」
…と説明なさってたけど、嵯峨管理官役の滝藤賢一さんは
「結局、3日間の内、丸2日はずっとスタンバイだったんですよ」と苦笑い(苦笑)
そのせいもおありだったのか?そのあとの蹴りを入れるシーンでは
「力強すぎでしょ!(笑)」との声が上がったとか上がらなかったとか…(笑)
その延びに延びたラスタチに対して「どっちもナカナカ死なねぇな!(笑)」と言われた鈴木さん(笑)
「長過ぎない?と思ったんですが(笑)あとで監督がカットするんだろうと思ったら
全部採用になってて、この監督オカシイ!ヤベェな!って…(笑)
心の中の闇は上林以上なんじゃないかと…?(笑)
監督こそが、羊の皮を被った狼だということが
よ~く判りました(笑)」と返しておられました(笑)
前作から、何かと日岡のことを気にかけている友竹係長役の矢島健一さんも
「ガミさんも五十子の親分も一之瀬もいなくなって、寂しくなってるのかと思いきや
クソ元気な若い乱暴者が山ほどいて、監督の変態オヤジぶりがパワーアップしていて大変な賑やかさ
テレビ放映など知ったことかの潔さ、最高でした!」とおっしゃっていて
「コロナ禍で暴れられなくて、ずっと耐えている観客が『観たい!』と望むバイオレンス
痛みが伝わるようなアクションにしたい」という白石監督の思いは
「アブナイ人」レベルに強くていらしたみたいですね?(笑)
余談ですが…「SWITCH」で白石監督と対談なさっていた
危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスさんが
「その後の瀬島さん」が、麻雀を打っていた雀荘の客の役で出演されていて
その「瀬島さん」は、新たな任務中なのか?定年退職後の姿なのか?
よりも、丸山さんの演技が気になって気になって仕方ありませんでした(苦笑)