晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

石田衣良「波のうえの魔術師」

2006年03月09日 11時31分30秒 | 趣味
昨日から風邪気味です。二日続けて良く眠れなかった。
目の奥と鼻の奥で熱くドロリとしたものがゆっくり渦を巻いている感じ。
症状は微熱、身体のだるさ、なぜか両腕の上腕が痛い。

それでも愛犬の散歩はかかせない。
「ワンコとお散歩に行くのが夢だったじゃない。今日もその夢が叶うんだから・・・」と気分を盛り立てて出かけるも、そんなエセ気分はものの5分と持たない。
植え込みに鼻先を突っ込み動こうとしなかったり、急に走り出したりするワンコがだんだん憎らしくなってきます。
本当に嬉しそうなワンコを見ていると、お散歩のショートカットも出来ず いつもどうり1時間コース頑張りました。

さて何をする気も起こらないけれど、寝込むほどでもない。
でれぇーとしながら、とりあえず買ってあった本をパラパラと開いてみます。
石田衣良の「波のうえの魔術師」
冒頭を読んで、え?この本 石田衣良だよね?と表紙を確認。
私はまだ石田衣良初心者。
前回読んだ「4TEEN」と肌触りが全然違っていて戸惑います。

「波のうえの魔術師」は就職浪人中の何の目的も持たない青年が、株の裏の世界で暗躍する老人に見込まれ、マーケットの世界にのめり込んで行く話。
この中には バブル崩壊直前に大銀行と大手生保に身ぐるみはがされた人たちが出てくるけれど、その恨みや憎しみがめらめらとは描かれてはいない。
主人公の青年の中で生まれる怒りや恋心も淡々としか描かれない。
焦点を主人公の成長に絞っているからでしょう。
それでも、「融資つき変額保険」の非常さは私の頭の中にも怒りを生み出します。
結局、青年は証券取引法違反で逮捕され実刑になりますが、彼をマーケットに誘いこんだ老人のように株の波のうえを泳いでいくことになるのでしょう。

私には別世界のお話。用語もよくわからなかった。
けれどやはり石田さんはこういう話をかいても瑞々しい爽やかさを感じさせます。
私はやはり、お金を右から左に動かすだけで富を得るということに抵抗を感じます。ゲームのよう。

自分は、身の丈に合った生活をしていこうと思いました。