晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

高野和明「13階段」・・・重い・・・

2006年03月17日 11時53分43秒 | 趣味
平成13年江戸川乱歩賞受賞作。
本当に私 今更の読書だね。
反町さん主演で映画化もされているらしいです。
そういえばそういう映画もあったような・・・。

内容は殺人を犯し刑期を終えた元囚人と死刑執行の経験を持つ刑務官が多額の報酬を払う依頼人に頼まれて死刑囚の冤罪をはらすというもの。
とてもよく出来たサスペンスです。
二転三転するスピーディな展開、主人公を陥れるための罠。
一気に読み終わりました。
でも、この本はそういうサスペンスを楽しむためだけに書かれたものではありません。
死刑という制度の不備。死刑を執行するものの苦悩。更正の難しさ。死刑という殺人。
本当は法廷で何が裁かれているのだろう。
正義・・・

主人公は結局法廷では裁かれなかった本当の罪によって永遠に更正の機会を奪われる。
また正義の名の下で死刑を執行した刑務官も。

本当に重い内容を含んでいて読後考え込みました。

以前の私は死刑というものに疑念を抱いていましたが、最近の残虐無比な犯罪の数々を目にすると死刑を肯定せざるをえません。
ん~・・・。いろいろと思うことはありますが正確に考えを書き表す言葉が今は見つかりません。
ただ主人公が言っていたように憎しみの連鎖は断ち切りたい。そのために国家が処罰を下す。
ん~・・・・・・。     やっぱり難しいや。