今朝、新聞の訃報欄を見て驚いた。
我が家を9年前リフォームしてくれた方が亡くなられていた。
昭和3年に夫の祖父によって建てられた我が家。
私が嫁いで、昭和49年に一度リフォームしたが、老朽化が目立ち、建て替えを考え始めていた時、この棟梁との出会いがあった。
棟梁は「この家は取り壊すにはもったいない」と言って「古民家再生」を勧めてくれた。
当時50歳になったばかりだった棟梁は、いつも目をキラキラ輝かせて夢や抱負を語ってくれ、その魅力に家族みんな引き込まれて行った。
物知りで、大らかで、いつも笑顔の人だった。
あの頃、我が家は、幾分家に歪みがあって襖の開け閉めがスムースにできなくなっていた。
棟梁は傾きを直すところから始めてくれ、家族が思い描いた以上の家に仕上げてくれた。
昭和3年の建築当時の面影を大事にしてくれたので、この家から嫁いだ叔母さん達も大変喜んで下さった。
住み心地が良く、今でも家族一同満足している。
棟梁は、その後、素敵な家を次々完成させ「現在の名工」に選ばれたり「黄綬褒章」を貰ったりし、夫も祝賀会に参加させてもらったりもした。
そういう棟梁の突然の訃報。
信じがたい気持ちで夫と共に葬儀に参列した。
いろいろな思い出が次々脳裏を駆け巡り感謝の気持ちでいっぱいになった。
59歳の若過ぎる死。白血病だったとの事。
数々の業績を残し、まさに太く逞しく生きた棟梁。
ご冥福を心から祈っている。
(夫のお祖父さんの息吹が感じられる梁などを大切に生かしてくれている)
(東京芸大の黒川哲郎教授に頼んで作ってもらったと嬉しそうに語っていた廊下天井の明かり)
ありがとう!足立さん!!!