棟梁の死をまだ引きずっている。
「死は前方からやってくるのではなく、トントンと肩を叩かれ、振り向くと
すぐ傍に迫って来ている」というようなことを、どこかで聞いたような気がする。
棟梁もまだまだ夢をいっぱい持ち、その実現を目指していたと思う。
さぞ無念だろう。
でも、棟梁の生きた証は確実に残っている。
短かかった人生の中で、よくぞ、あのように、しっかりと足跡を残せたものだと感心する。
それに引き替え、この私、これという目標もなく、
限りある時間を永遠にあるかのように錯覚し
無為に日々を過ごしている。
今回、「これでいいのか?」とハタと自分に問いかけてみたりしている。