鈴木の「窓に西陽が激しく当たる部屋」melow

メジャーとマイナーの漂流者・鈴木。
常に両極を嗜好するわたくしの徒然ブロ&グー。

氷川きよしへのディスタンス

2006年12月17日 | 【鈴木の部屋】
鈴木は音楽が大好きだ。
母はシャンソンが得意、父は元グリークラブ(合唱)という環境で育ったせいもあり、日頃から歌を歌いながら、はたまた聞きながらの生活が普通なのである。
だから、月並みではあるけれどもタワレコの「NO MUSIC NO LIFE」というキャッチを初めて街中で見たとき、そのコピーに対して「ほんと、そうですよね」とばかりにひとり、渋谷店の前でウンウンとうなづいたものである。
特に、歌うということに関しては「ライフワーク」と言い切れる程好きだ。かといって特段、
「あたい?バンドのボーカル。NANA?・・・昔のあたしにソックリ」
とか、
「クラブで歌ってた。はじめはフロアの反応がなくてチョーつらかった。16・・・だった
かな」
とかではなく、まあ、よくいる人だろうがこんな感じである。
たとえば、ご飯を食べるお店なら有線が流れているところを優先する。
人目さえ気にしなくていい環境にあれば、職場だろうと公共の場だろうとところ構わず歌ってしまう。
そんでもってなにかとカラオケが好き。カラオケとはいえ「ステージ」だと認識しているので、基本的にパフォーマンスも含めて楽しめるカラオケ友達とでなければモチベーションが上がらない。座ってただ歌う人間に囲まれたとしても、すくなからず自分は「ソファーの背もたれに座る」くらいしないとつ納得いかないのだ。
私をよく知る人間ならば、私と音楽、特に「歌うこと」に関してはかなり密接なイメージがあるはずである。

あのNHKの番組「連想ゲーム」が、今この世に存在したとして、
1/お題→鈴木
2/パネラー→鈴木の友人
だとしたら、出題直後に「カラオケがモーレツ」とでも書いたパネルを誰かしがら掲げるに違いない。

以前勤めていた広告代理店は、社内に有線放送がひかれており、だれかれ構わずそのチャンネルを変更することができた。西新宿のはずれだったが、.鈴木にとってはまさに天国であった。
毎日、どんなに猛ダッシュして会社に滑り込んで息がゼーゼー上がっていたとしても、朝会の前には必ず今日の有線チャンネルを選局しにゆくことを忘れなかった。生まれついての遅刻魔で、「有給を遅刻で消化」したレジェンドをもつ鈴木だが、大幅に遅刻して相当肩身の狭い思いをしている日でもなお、人目を忍んではコソコソとチャンネルとボリュームを変えに行くことを欠かさなかった。
職場の人間関係もよく、仕事にもやりがいを感じていた鈴木は、毎日の出勤にまったく抵抗がなかったが、朝が人一倍苦手で、さらに遠方から通っていた鈴木にとって「有線が聴ける」「しかも好きなチャンネルを」という事実は「朝のうちに」会社にたどり着こうと思える十分な理由であった。
鈴木はいつのまにやら有線チャンネルの管理人に。「80年代ヒッツ」「90年代Jポップ」「アメリカンビルボード」「オリコン・ザ・ウィーク一番!」(番組名はあいまい)などをセレクトし、ヒットチャートをらくらくカバー。カラオケに行けば、それこそなんでも歌えたものである。
ちなみに、アフター6にはボリュームを絞り「ヘビメタチャンネル」にチェンジ、気分によってはクラクラなアタマに気合をいれるべくいわゆるヘビメタ的な「奇声」を発することもしばしばあった。
その点で言えば、仕事をしながらにして忙しさを発散するいい手段になっていたように思える。
ちなみにこの会社、営業全員が干すとのようであった。もちろんホストみたいな上司が自転車でフロアを走ってきたり、事務職の若干不思議な女子社員が連れてきたイタチが放し飼いにされたり(かわい~と言ってみたもののかなり凶暴であった)、服装も相当に自由だったし(「ロックの編集部かよ」と、つっこまれた)、忙しくなればなる程椅子に正座で飛び込みくるくる~と回りながら電話する、みたいな (←私の記憶である)極めて自由奔放な社風であった。ゆえに、たとえ私が有線にあわせて歌いながら延々仕事をしていようが、私たちが「運動不足解消」という名目で応接室で「バレーボール」をやっていようが誰も文句をいうはずもなかった(ちなみにボールは鈴木の私物)。
なつかしいなあ。

まあ、そんな環境で、鈴木は約二年あったか~く培養された。

転職一発めの会社には有線こそなかったものの、音楽関連のイベントに行けたり、サンプルCDをたんまり頂けたりとかなりおいしい会社だった。
カラオケやライブ好きの同僚が多く、その点でも恵まれていたようだ。
そしてさらなる転職をした現在の鈴木の職場環境で、あるが・・・。
音楽に「触れるのフ」の字もない広告代理店の営業部である。
モロ師岡に仕事モードなのである。
もはや社員の戦士たちは「音楽なんか聞いて仕事なんかしたら死を意味する」クライアントを抱え、それこそ独り言がかなりのボリュームだったりするのだから大変だ。
そんな中、派遣であるわたしが許される歌はズバリ「隣にいる営業さんに、死んでも聞こえちゃいけないハミング」そのレベルである。
ここまで読んでいただいたら察していただけるだろう。
慣れるまで、かなりキツかった。
ふう~

さて、そんなフラフラだった鈴木も入社して半年経った今、いい加減今の職場に馴染んできたのだが、なんとも驚喜に値する仕事がヒョコッと舞い込んできたのである!
その知らせを聞いたのは先月のアタマのこと。某テレビ局で数年前までOAされていた某歌番組の収録現場に、立ち会えるというのだ!
打ち合わせが進むうちに、出演するアーティストの面々が明らかになってゆく。
ちなみにこの番組、「演歌」がメインなのだが、驚いたことに鈴木が一目置いてやまない演歌歌手・氷川きよしの出演が決まったではないか・・・!
と、同時にわたしもその収録現場に、たんなるお手伝いだが参加してよいことに正式に決まったのだから嬉しいこと極まりない!

それから約三週間というもの、その当日の朝まで私は毎日毎日卓上カレンダーの
「演歌立ち会い」
という文字を確かめ続け、はたまた自分の手帳の
「★演歌立ち会い★」
という文字も、確かめ続けた。
これは偶然だったが、劇団つながりの友人たちとオールナイトで演歌カラオケを開催していたするなど、鈴木のモチベーションは高まるばかり。延々探していたきよしのナンバーをビッグエコーで見つけ、かなり気持ちを入れ入れで熱唱。会うわけでも、話すわけでも、見れるかすら分からない氷川きよしへ、届けこのハウリング!…気分はそんな感じであった。
なぜかおこがましい気がして、きよしのナンバーは一曲のみで抑たものの、徐々にモチベーションを上げて行くには充分なほどに鈴木は、歌った。

氷川きよしの、あのつきぬける青空のような歌声をこの耳で確かめることができるのかと思うと、にわかに胸が躍って仕方ない。生の演歌を聞くのは人生で二回目。新宿コマ劇場で北島三郎オンステージを観た以来。さぶちゃんを観にいったのは言ってしまえば「興味本意」であったが、氷川きよしは本当に「スゴイ!」っと思っているため、興味本意でコンサートへ行く気がしない。
行くにはやはり多少の躊躇がつきまとっているのだが、万が一行くとなったら鈴木は「マジ本気」で臨むよ。。。
そこに来て「しごと絡み」とくれば、これはどう考えてもサンタさんからの早すぎるプレゼントとしかおもえないではないか。

何年かぶりに「サンタさん、ありがとう」とオリオン座を見上げながら思ったものだよ。

さて。このような形で「立ち会い」へのモチベーションを最高潮まで高めていったワクワクな鈴木。
・・・だったが。
悲劇は突然訪れるものだ。

立ち会えなくなったのである。

それはまさに収録当日の朝。

直属の上司Mに会議室へ呼び出された鈴木。
「最近暇をもてあましてネットサーフィンしまくってたから…怒られんのかも~ドキドキ」
と、小汗をかきつつ部屋に入ると、神妙な面もちで上司Mさんがこう言った。
「楽しみにしてたところ大変…アレなんだけど…。今日の立ち会いはなしってことになって」

事あるごとに「楽しみです!」と連発していた鈴木に対してMは、立ち会えなくなったその理由も説明。が、もはや理由などどうでもいい鈴木は、正直アタマをガーン!と「マイクで」殴られたかのような衝撃を感じて放心した。
思えば、昨日から「立会いの人数削減」的な気配はあったのだが、「会えるとしんじて」いるため聞き耳をもたなかったのである。
はっきり言って死ぬまで有効の「待て!」であった。

話は変わるが、鈴木は相手の気持ちを即座に汲むのが得意であり、ポリシーである。無邪気に笑う(これは疑問)鈴木の気持ちをかんがみて、わざわざ呼び出すこの上司。
なかなかいいところがあるではないか。「気を使わせては申し訳ない」・・・そう思った鈴木はろうろうと語り始めた上司に向かい、気持ちとは裏腹に笑顔で対応。
もちろん突いて出る言葉は
「大丈夫です、全ッ然大丈夫です!」
気が付けば、リピートであった。。。

スタジオにいるはずだった午後のほとんどをネットサーフィンと社内散歩に費やし、傷心した鈴木は喫煙所のガラス壁から見える都会の夕暮れを眺めながらその悲しみを友人にメールし続けていた。
氷川きよしだいすきっ子としては、彼の歌う「SAY YES」や新曲「一剣」をきけるかもしれないじゃん!・・・と、やもすればサインとか余ったやつもらえるかもしんないとか、思ってたのだが、もはや夢まぼろし。

その日の昼、これから立会いに向かう営業Tさんと沖縄料理をつつきつつ、石原真理子の暴露本のニュースを見ながら、ボソッと本音をもらしちゃいました。

「Tさん、すきがあったら氷川きよしと握手してきてください」
「そしたら私はTさんと握手するから」

結局、サインを手にすることも、間接握手もすることができなかったわけだが。。。

これは、氷川きよしのコンサートに、行くしかないんだろうって言うくらい、鈴木の気持ちはきよし一直線になってしまったので、ありました。
それはまるで「マイハートwillゴーオン」byセリーヌ・ディオン。
そんな、自分に似つかわしくないナンバーでさえ、今の鈴木にはよくにあっているはずである。

しばらくは「ブルーダイヤ」のCMに聴神経を集中させとこうと、思うよ。

振り向けば…伊勢佐木町ブルース

2006年12月17日 | 【鈴木の部屋】
雨がふっていた。

夜の10時をまわっていただろうか。

鈴木の自宅は住宅街にあるのだが、鈴木がバスから降り立ったその時間は、歩く人影がひとっこひとり見当たらず、行幸道路を走る車すらまばらであった。車が何台か走り過ぎた途端、降り続く雨の音がシトシトと聞こえてくる。
そんな冬の夜である。
滅多に使わないバスカードの残高があるかどうか不安で、運転手さんに「残額不足ですよ」と指摘されるのを見越して外していたヘッドホンを、バスから降り、折りたたみ傘をさした後、おもむろに装着し直す鈴木。
走り去ってゆくバスを視界の端で見送りながら「PLAY」ボタンを押す。ソニーのヘッドホンから流れ始めたのはそう、青江三奈の往年のヒット曲「伊勢佐木町ブルース」であった…。

若い年代の方だと
「そういったジャンルが好きな人」
しか知らないであろうがこの曲、ムード歌謡の中ではかなりの名曲であり、青江三奈は当時この曲で何かの歌唱賞(曖昧)を受賞するなどしている。
リアルタイムで聞いたことはないものの、ムード歌謡がいやに自分にしっくりきてしまう体質の鈴木は、時々こういった曲を「歌いたいから」聴いているのだ。
物心がついた時分には歌手名もメロディーも知っていたが、それはおそらく「ものまね紅白歌合戦」で真似されていたり、歌い出しのセクシーボイスのインパクトから、いろいろな番組で頻繁に使われていたからだろうと思われる。

静かに降り続く雨がコンクリートの地面を濡らしていた。
まばらな街灯のオレンジと、すこし先にある交差点の赤と青が濡れた地面に反射して綺麗だ。

そんな中ゆっくり歩きながら聴くブルース。気分はなんだか港ヨコハマ。横浜じゃなく「ヨコハマ」である。
いなたいブルースに決して早まらない歩みを進めながら、鈴木は、アドレナリンをチョロリーノ・チョロチョロリーノと放出し始め、徐々にハミングから歌い始めていた。
ちなみに歌詞はこんなんである。

あなた知ってる 港ヨコハマ
街の並木に 潮風吹けば
花散る夜を 惜しむよに
伊勢佐木あたりに 灯りがともる
恋と情けの 灯がともる

私はじめて 港ヨコハマ
雨がそぼ降り 霧笛が鳴けば
波止場の別れ 惜しむよに
伊勢佐木あたりに 灯りがともる
夢をふりまく 灯がともる

あなたなじみの 港ヨコハマ
人に隠れて あの娘が泣いた
涙が花に なるときに
伊勢佐木あたりに 灯りがともる
恋のムードの 灯がともる
あなた知ってる
港ヨコハマ
雨がそぼ降り
あなたが言った
花散る夜を惜しむよに
伊勢佐木あたりに灯りが灯る
恋と情けの
シュドゥビドゥビドゥビドゥビドゥバー
灯が灯る


…始めは周りに人がいないか確認しながら歌っていた鈴木。
しかし一向に自分以外の人間が現れないのをいいことに、次第に周囲に気を配ることを忘れ、Bメロに入る頃には声を大にして雨の中朗々と歌っていた。
悪いが(何が)鈴木の声は自他共に認める「ブルース声」である。
演歌にこぶしがあるように、ムード歌謡にもそういった「ニュアンス」がある。鈴木はなんとなくそれを心得ているのだ。
なかでもサビのラストはこの歌で二番目に有名な歌いどころでかなり気合いが入るところだ。
「♪ズズビズビズビズビズバァ~」
っと、ここまで来たらもう青江美奈の完全コピー!
…以下イメージ…
あたしは場末のスナックでしか働けない裏窓の女。
そんなあたしを~この街だけはあったかく受け入れてくれる~街の灯りがとてもキレイねズビズバ~
そんな感じだ。

はっきり言って入りすぎ。もし痴漢が近くで私を狙っていたとしても、接近してこんなのを歌っているのだから、逆に躊躇し家路につくであろうよ。

さて、ちょうど「♪ズズビズビズビズビズバァ~」!っと盛り上がって熱唱していた時である。横断歩道にさしかかり、車が来ないか確認しようとした鈴木。それはまさに「…ズバァ~!」っと声をビブラートしまくりで後ろを振り向いた瞬間であった…!
今までダーレもいなかったはずの背後から、自転車に乗った男子高校生が「シャーッ!」と通りすぎていったのである。その距離30センチ。
その瞬間もちろん高校生は「ビクッ!」とおののき「なに?このひと」的な視線を瞬時に投げかけ、鈴木を通過…消え入るように暗い坂をシャーっと下って消えていった。
そりゃ見た目普通の女性が、振り向きざまにズビズバ~とか言ってたら、そりゃあびっくりするだろうて!
見えづらいが添付の写真は高校生にズビッとされた…、いやビクッとされた現場の交差点である。

まあ何にせよ、歌うのが好きだからしょうがない。
歌が歌だからギョッとされたのかも知れないが、基本的に人が鼻歌や歌を歌いながら何かをしてるのは、自分も含め嫌いじゃない。
鼻歌と心の余裕は比例すると思うからな。これでいいのだ!(笑)
ちなみに鈴木が聴いていた「伊勢佐木町ブルース」入りのアルバムはオムニバスアルバムで、ビクターから出ている「演歌魂(ENKA:BEST)」というやつだ。
「海外からのお客さんへの日本土産にも最適」とかかれており、たしかに歌詞は英訳付き。ジャケイラストはしりあがり寿さんが描いていてポップだ。
演歌の演歌代表がピンポイントで収録されているので、演歌ビギナーにもかなり入りやすいアルバムだとおもうよ。
とりあえず鈴木と今カラオケに行ったら十中八九はこの中のナンバーを歌いに掛かるだろう。
忘年会シーズンには「LOVE&JOY」あたり歌ってくれる女の子たち数名と、「二億六千万の瞳」を物まねで歌ってくれる男性がいて、ついでに私みたいなのが「演歌で外す」「でも本気」みたいな流れがあれば、盛り上がること請け合いだろう。
どう!そんなポジション?(誰に勧めてるんですか)
だからと言って、通常演歌歌う率は、鈴木の場合若干2割くらいだけどね。今は季節柄演歌率急上昇で、時折突如として倖田來未などおりまぜて行く感じだろう。

追伸
鈴木はブルース声だと書いたが、以前倖田來未の某楽曲の歌い出しに対して「本人の声のガイド付きかと思った」という意見をされたことのあるわたくし。
自分の声質がどんなもんなのか、よく分からない状態であります。