令和5年7月15日(土)
朝からどしゃ降り
雨読です。
晴れては徘徊⁉三昧の日々です。
区の図書館からお借りしていました
中島京子『小さいおうち』)(株)文藝春秋 完読しました。
初作家さんです。
元女中タキが、自身の回想録をもとに かつて奉公していた「赤い屋根の小さいおうち」に住んでいた中流家庭の平井家の生活のことを回顧する物語。戦争中なのに浮き立つような華やかな暮らしのある中で秘やかな恋愛について書き手の元女中タキの回想録を、読み手のタキの妹の孫.甥の次男健史(たけし)を意識して物語は進むのですが、最終章では タキの亡き後 書き手が妹の孫.甥の次男健史(たけし)になり 大叔母タキの回顧録へと展開。
女中タキが、気分転換に時間をもらい鎌倉で見た光景
翡翠色のワンピースを着たその日傘の人が、
『鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は』と、
その男の人が、
『詞にも 歌にも なさじわがおもひ その日その時 胸より胸に』と、
鎌倉から帰った奥様が 応接間の飾り棚に与謝野晶子の歌集をしまったが
小さく切った色紙がはさんであったそのページには
『詞にも 歌にも なさじ わがおもひ その日そ時 胸より胸に』と、
最終章までは恋愛小説?最終章は推理小説?
どちらとも?どちらでも?
時が経たらば再読もありかなと思う1冊でした。