「野里町歩紀 ~思いつくままに~」

野里町歩紀 ~摂河泉をゆく~ に次ぐ第二歩です

映画「少年時代」

2024-09-17 22:41:02 | 日記
 昨日(9月16日)の夜、You Tubeで「少年時代」という映画を観ました。特に観ようと思ったわけではありません。以前この映画を観て感動した妻が、たまたまYou Tubeを視聴していたところ見つけ、妻に付き合う形で観たのです。私は映画自体は知っていましたが観るのは初めてでした。

 ご覧になった方はご存じと思いますが、あらすじをザクッと言えば、終戦間近か東京から疎開してきた少年と疎開先である富山県の少年との出会いから別れまでの話です。原作である「長い道」という小説を漫画家コンビ・藤子不二雄の安孫子素雄が漫画化し、その後、山田太一の脚本により映画化されました。舞台はもちろん戦時中ですが、平成2年に制作された比較的新しい映画です。ただ、戦後間もなく制作されたようなアンティーク感が漂うとても良い映画でした。

 そしてラストシーン。東京に帰る少年が乗る蒸気機関車を追いかける友人。ここで井上陽水の名曲「少年時代」が流れ号泣を迎える。はずだったのですが…。ところがです。何と。You Tubeのため著作権に制約があるのでしょうか。曲が始まると同時に「無声映画」状態となり、右手をまっすぐ上げ別れを告げる少年の姿、写真館で撮った二人の写真をバックにエンドロールだけが空しく流れました。2時間近く見てきてクライマックスを迎えるはずだったのに。こんなことってありますか………。私は消化不良のまま床に着きました。

 ところが「奇跡」というのでしょうか。それとも「宿命」でしょうか。「偶然」という言葉では片づけられない、すごいことが起こったのです。

 私は現在、支援員という立場で小学校勤務をしています。教員ではありませんが毎日1時間目から6時間目までいづれかのクラスに入り児童の支援にあたります。そして翌日である今日(9月17日)の1時間目は6年2組のクラスでした。科目は音楽。音楽室では子どもたちがリコーダーを合奏しています。そしてその曲が何と「少年時代」だったのです。

 映画のあらすじでは、主人公は昭和19年10月、小学校5年生で東京から富山に疎開し、終戦を迎えた翌昭和20年のまだ暑い時期、つまり小学校6年生の夏の終わりころ富山を後に東京へ向かいます。つまり今、私の目の前に座ってリコーダーを演奏している子どもたちと同じ年頃です。私が昨日聴き逃した「少年時代」を彼・彼女たちが今、一生懸命演奏してくれているのです。私は思わず昨晩流し損ねた涙が溢れそうになりました。こんなことってあるんですね。鳥肌が立ちました……。

            ♪ 夏が過ぎ 風あざみ ……… ♪
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