釋守成の転居物語(旧タイトル・GONTAの東京散歩)

またまた転居を目論んでいます。
5年間で5回の転居。
6回目の転居の経緯を書いていきます。

杜若艶色紫

2013年05月10日 23時19分46秒 | 言葉・語彙
『杜若艶色紫』(かきつばたいろもえどぞめ)は鶴屋南北作の歌舞伎で、「お六と願哲」の副題で知られています。

佐野次郎左衛門と八ツ橋の世界がベースとなった歌舞伎です。

歌舞伎の外題(題名)はその内容も表しています。

八ツ橋から『伊勢物語』の杜若が連想され、杜若色というのが同じ色だということで江戸紫を連想させるという仕組みです。

いろいろ調べると色見本によってだいぶ違いますね。


江戸紫

江戸紫

杜若色

杜若色

江戸紫といえば助六の鉢巻の色。

もっと鮮やかな紫のイメージなんだけど。

菖蒲色(あやめ色)

菖蒲色(しょうぶ色)

これはだいぶ違います。

京紫

江戸と京都の違いはいかがでしょうか。

不思議と説得力があります。

画像は根津美術館の杜若。

鉢巻の色はこれをもう少し深みを持たせた感じでしょうか。

同じ紫でもいろいろですね。



















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六日の菖蒲

2013年05月09日 23時34分40秒 | 言葉・語彙
今週の月曜日、そう5月6日に見た風景。

その時は気づかなかったのですが、これが正しく、「六日の菖蒲(あやめ)」。

菖蒲が必要なのは5月5日、6日には必要がないということなのです。

軒菖蒲といって、蓬と菖蒲を束にして軒に差す風習がありました。

5月5日は端午の節句、その日は節季といって、上方では掛売買の決算日にあたります。

今でいうとクレジットカードの引き落とし日かな。

近松門左衛門の『女殺油地獄(おんなごろしあぶらじごく)』では、主人が集金に行くっている間に、決算日に金の支払いができない不良少年に人妻が殺されて、金が奪われてしまいます。

舞台で公演した時に、殺人現場の豊島屋の軒先に軒菖蒲が差してあったのを記憶しています。

蓬も菖蒲も香りの強い植物で、その香りで邪気を払うということなのでしょう。

軒先に差すのは、魔が家に入り込まないようにするためです。

季節の変わり目の夜は魔物がやはり横行するのですね。

でも怖いのは魔物ではなくて人間・・・・近松の物語はそんなことも物語っているのかもしれません。

最初の画像は軒ではなく入口に吊るしてありました。

これでも魔物は入れないか・・・・・。

そうそう、菖蒲湯もそんなわけであの香りで身を清め邪気を払うというわけです。

だから何度もいいますが、花菖蒲の葉や菖蒲(あやめ)の葉をお風呂に入れてもダメですよ。



これが菖蒲(ショウブ)、サトイモ科の植物で中央にある茶色の物体が花です。

花菖蒲やアヤメのように美しい花は咲きません。

いま水辺に美しく咲いているのは、杜若(燕子花・かきつばた)です。



江戸川区内の散歩でも見かけました。




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メロンパン

2013年04月18日 22時17分35秒 | 言葉・語彙
今日の話題はメロンパンです。

昨日、ライブ繁昌亭(上方落語の定席、天満天神繁昌亭の落語をネット配信している。)を見ていたら、桂あやめ師匠が新作落語をかけていらした。

内容は、大阪、京都、神戸の女子が居酒屋で話している三都市の比較話。

そこで出てきたのが「メロンパン」

東京人の私には想像もできないことなのですが、神戸には楕円形の形をした白あん入りのメロンパンがあるというのだ。

調べてみると形は楕円形、中に白あん。

白あん入りメロンパン
メロンパン・白あん入り・神戸で検索

関西一般に食されているのかと思ったらそうでもないらしい。

大阪出身の友達は全く初耳だという。

あやめ師匠の落語にも、「西宮には餡なしと餡入りとどちらもある。」と出てきたので非常にローカルらしい。

ネットでは調べいると、

日経新聞の「食べ物新日本奇行」にも記事が・・・・・。

そういえば、アンデルセンではメロンパンではなくてサンライズという名前で売っているのを見たことがある。

もともとの楕円形の形はマクワウリの見立てだとか、丸いのは、マスクメロンの見立てだとか、そのうえ調べると、サンライズというメロンの品種があることを発見。

私はたまたまサンライズという名前を知っていたので、サンライズ=メロンパンは納得できるのですが、白あん入りは・・・・・。

今度関西に行ったらぜひ実物を試食したいと思います。

楕円形のパンで思い出したのが、山崎パンのアーモンドカステラ


神戸のメロンパンはまさにアーモンドカステラの形なんだけどな。

最近、アーモンドカステラもないみたい。

ますます食べたくなってきました、神戸メロンパン。
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「生揚げ」って言葉使いますか?

2013年02月15日 05時51分59秒 | 言葉・語彙
画像が生あげです。

開封していないから解らないでしょう、なんだか。

関東地方の方は「なに言ってるんだい。」とおっしゃる方も多いはずです。

でも最近、通じないんですね。「生揚げ」

実は「厚揚げ」。

いつからか「厚揚げ」っていう名称が浸透してしまって・・・・・。

というか私本人も「生揚げ」っていう言葉を忘れていました。

周りの人に聞いてもほとんどの方は「厚揚げ」派。

この「厚揚げ」という言葉は、関西方言です。

関西では、東京の「油揚げ(あぶらげ)」を「薄揚げ」(または「お揚げさん」)というのに対して、「厚揚げ」というのです。

でもなぜか「厚揚げ」だけがが関東に侵入して、攻略してしまいました。

どうしてそうなったんだろう。

いろいろと検索してみるとまだまだ関東では「生揚げ」の名称を使っている方は多いようですが、ある年代から下では死語です。

中には、「生揚げ」っていうの気持ち悪いという声まで。

いろいろ調べましたが、「厚揚げ」が全国語になったのがいまいちわかりません。

侵入経路として考えられるのが、料理番組、食品表示、居酒屋など・・・・。

どなたかご存知の方いらっしゃいませんか?




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せんじ 千住

2013年02月06日 16時02分20秒 | 言葉・語彙
二日続けて足立区ネタです。

先日、新宿歴史歴史博物館へ写真展を見に行った時に、ロビーで淀橋浄水場廃止から新宿副都心建設のフィルムを上映していたのですが、その中で気になることがありました。

そのフィルムのナレーションは、NHKのアナウンサーであった宮田輝さんがなさっておられるのですが、「新宿は、品川、板橋、千住と並ぶ宿場街で・・・・・」というような部分があたのです。

そこではっきりと千住を「せんじ」といっておられるのです。

このフィルムはたぶん昭和三十年代後半から40年代初頭のものだと思われます。

NHKのアナウンサーも地名はその通りの発音をしていたんだと感心したました。

ではいつごろ「せんじ」から「せんじゅ」になったのでしょう。

北千住といえば、子供の頃、母の実家に行くのに常磐線を利用していました。
でも、その頃常磐線の各駅停車(長距離)は北千住に停止していませんでした。
だから、駅員がなんといっていたかはわからないのですが、その頃開通した地下鉄日比谷線では間違いなく「きたせんじゅ」っていってたと思います。

ところが、ネットで調べていると今でも「千住っ子」というとき、発音は「せんじっこ」というというのがある方のブログに書いてあったのです。

今でも使われているじゃないですか。

ここで二点の発見がありました。
一つは、北千住の住民は、「北千住」といわないで「千住」という。
そして、「江戸っ子」ではなくて「千住っ子」を使うという点です。

「北千住」は駅名であの近辺には「北千住」っていう住所はないんですね。
住所は「千住」か「千住○町」・・・・住民にはあくまでも「千住」なんです。

私たち外来者は「北千住」だと思っているんですが、在住者には「千住」なんですね。
たぶん、「せんじ」っていってる人がまだまだいるんだろうな。

多分、北千住が広く一般に知られるようになる頃に、「せんじ」は「きたせんじゅ」になっていったんではないでしょうか?
1962年東武伊勢崎線日比谷線に乗り入れ、1971年常磐緩行線の千代田線に乗り入れ、1985年常磐線中距離列車の北千住停車、この二十数年の間に変化していったのではないでしょうか。
一日の乗降客が一日60万人以上ある大きな駅ですから「きたせんじゅ」の浸透はいかばかりか。

そういえば、東京方言では、「じゅ」が「じ」、「しゅ」が「し」になるということを聞いたことがあります。
私たちは無意識に「しんじく」「はらじく」といっていることが多くあります。
私たちといいましたが、今は東京出身じゃない方もたくさん東京に住んでいるので、ちゃんと「しんじゅく」「はらじゅく」といっているかもしれませんね。
でも東京人は「しんじく」「はらじく」なのです。(笑)

宮田輝さんのナレーションも「しんじく」といっていました。
私も「しんじく」っていってるから、違和感なく聞き逃すところでした。

美術→「びじつ」、手術→「しじつ」、趣向→「しこう」、十歳→「じっさい」、歌手→「かし」など、年配の人になればなるほど顕著です。


意外なところで、意外なことを発見したという話です。



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