釋守成の転居物語(旧タイトル・GONTAの東京散歩)

またまた転居を目論んでいます。
5年間で5回の転居。
6回目の転居の経緯を書いていきます。

現代から縄文へ、そして近代へ

2010年02月11日 04時48分25秒 | 美術館・博物館めぐり
今年になってから行ったアートイベントの備忘録です。

NO MAN'S LAND (1月9日・フランス大使館旧館)

取り壊しになるフランス大使館の旧館で去年の12月から開催されている美術展。
いろいろな分野の現代アートを旧館の各部屋を使って展示公開していました。
大使館の内部に入れることもめったにないのでこの機会を利用していきました。
(実は12月にも一度行っています。今回は「麻布まるごと倶楽部」の集まりでした。)

旧館は麻布の台地の高低差をうまく利用して建てられています。
崖に寄り添うように建てられた建物は、二階や三階にも庭がある独特の造りです。
内部は数多くの小部屋に分かれています。その中で多くの展示やパフォーマンスが行われていました。
イベントもさることながら、新しくできた大使館に移動されなかったふるいエアコンや事務機や棚など郷愁をさそうものもたくさん残っていたのが印象的でした。
屋外や別館でもいろいろのイベントがあり、全体を把握するのは困難だし、それを総合してどうのこうのというのも難しいものがあります。
現代アートは美しさもさることながら、人を驚かせること・・・そんな感想を持ちました。

12月中は別館では東京芸大の美術展が行われていました。
こちらはなかなか迫力もあり、大変楽しめたものでしたが、一月になってからはそれも終了し、寂しい空間になっていました。

ここは取り壊されて高級マンションが建つようです。
また、古い麻布の風景が消えるのは悲しい出来事です。





国宝 土偶展 (2月4日・東京国立博物館)

こちらは一転して、紀元前3000年から紀元前400年ほど前の土偶の展覧会です。
昨年、大英博物館で開催された「THE POWER OF DOGU」の帰朝展で、国宝や重要文化財を含む70点弱で構成さた、比較的小規模な展覧会です。

見せるための近現代の美術ではなく、生活に根ざした祈りの品々で、現代人がそれを美術品としてみているだけだとは思いつつも、その造形の美しさには感動させられました。

見せることを意識していない凄さ・・・・なんなんでしょう。






江戸の粋・明治の技 柴田是真の漆X絵 (2月5日・三井記念美術館)

江戸から明治にかけての漆芸家・柴田是真の作品展で、今回はアメリカテキサス州在住のエドソン氏のコレクションの里帰りの品々が中心となっていました。
漆芸ではなんとなく名前を知っていましたが、今回、漆芸のすばらしさは勿論ですが、肉筆画や漆絵を拝見してこちらも魅力的な作品が多数あってびっくりしました。
分業が一般的な漆芸の世界で下絵から創作されていたいたそうで、肉筆画がすばらしいのもうなずけます。

また、遠くテキサスでこのような日本の工芸作品が大切に収集されていることを知ったことにも感銘を受けました。




小村雪岱とその時代   粋でモダンで繊細で (2月7日・埼玉県立近代美術館)

大戦前に挿絵、装幀、舞台美術で活躍した小村雪岱の回顧展です。
この方のことは存じ上げなかったのですが、今回ある方にお聞きして、その存在を知り、雑誌等で取り上げられているのを見て、浦和まで出向きました。

繊細な画風、浮世絵や歌舞伎といった江戸の文化に根ざした美意識、白と黒の鮮烈なコントラスト、画中の人々の愛らしさ、なにをとっても美しく、愛おしくて・・・・・、本当に素晴らしい展覧会でした。

この展覧会を見て、この方が私が以前在籍していた前進座とも深くかかわっていたことを知り、大変驚きました。

そんなこともあって、後半の舞台の道具帳(大道具の設計図)は非常に興味深く拝見しました。
雪岱が描いたものが今の歌舞伎の舞台でも使われ続けているのも驚きでした。

このように素晴らしい作者と巡り合えたことに感謝、感謝の一日でした。





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節分のお化け

2010年02月03日 07時24分08秒 | 季節
今日は節分。
節分については以前「亀戸天神で節分を考える」で詳しく考察しました。

さて今日は「節分のお化け」の話。

節分の日に、仮装をすることを「お化け」といいます。
京都などでは少し前までそんな風習が残っていたようです。
この日は、年越しといわれ、この日の夜に魑魅魍魎が跋扈するので、それを退治するのが、豆まきです。
そして、魑魅魍魎を驚かせる、または魑魅魍魎に仲間だと思わせて、取り付かれないように仮装したのが、お化けです。

事の起こりは、年配の女性が子供の髪型である「桃割れ」を結い、子供が成年女性の髪形の「島田」を結うということのようです。
ですから「お化け」は「お化髪」であるという説もあるくらいです。

特に関西では、花街(花柳界)に今でもその風習が残っているようです。
東京でも、松竹衣裳さんでは節分には多くの花柳界や社交場の女性が扮装をしにくると、以前聞いたことがあります。

お父さんが鬼に扮するのもそんな仮装の一種なのかもしれません。

仮装して化け物に紛れるという発想はちょっとハロウィンに似ていますね。
立春の前夜が節分で、万聖節の前夜(イブ)がハロウィンなわけです。

節分の暗闇に紛れて、災いがら身を隠すもよし、豆をぶつけられて、災いから逃れるのもよしということです。

さてもう1つの節分の風習の「恵方巻き」ですが、私がそれを最初に目撃したのは、1982年頃大阪の持ち帰り寿司屋でした。
もともと船場の風習だったといわれていますが、復活したのは1970年代の終わり頃だそうで、海苔の消費拡大を図った業界の戦略だといわれています。
まさしく最近の風習で、大阪の人も「昔はなかった。」と首をかしげるようですね。

今年の恵方は「西南西」福を呼び込むようにしゃべらずにお食べください。
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