釋守成の転居物語(旧タイトル・GONTAの東京散歩)

またまた転居を目論んでいます。
5年間で5回の転居。
6回目の転居の経緯を書いていきます。

和様の書

2013年08月05日 20時12分10秒 | 美術館・博物館めぐり
先日、東京国立博物館に特別展「和様の書」を見に行きました。

日本独自に発展した仮名文字を中心にした展覧会です。

三蹟の書が一堂に会しています。

三筆と三蹟の違いが今ひとつわからなかったのですが、三筆の時代がまだ唐風であるのに対して、三蹟はまさしく和風の書の時代なのですね。

料紙に散りばめられた文字の美しさ。

日本人でよかったなぁ。

連綿の文字が読めないから美しいのかとも思いましたが、読めても美しいのです。

(多少は読めるので……)

かな文字もいろいろなものがあっていいのかもしれません。

まぁ、勉強するのが大変ですがね。

外国語も重要でしょうが、日本の文字ぐらいは読めるようにならないと、日本的な美意識の欠如につながると思うのは考えすぎでしょうか?
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牧野邦夫 -写実の真髄- 展

2013年05月28日 16時38分34秒 | 美術館・博物館めぐり
練馬に用事があったついでに練馬区立美術館に行きました。

お目当ては「牧野邦夫 -写実の真髄- 展」(邦の字は外字・ヘンの部分が上に突き出しません)

全く存じ上げない画家だったのです。

たまたま数週間前の日曜美術館で取り上げられていました。

その絵を見た時に実物が見たいなと直感的に思ったわけです。

そしてたまたま練馬に用事があったわけです。



練馬にこんな立派な美術館があるのを知りませんでした。(失礼)

内部もゆったりとした作りでいい感じでした。

さて、テレビで見て心を惹かれた「牧野邦夫」の絵。

一生、レンブラントを唯一の師として憧れたということで、ある面レンブラントの絵を見るようです。

しかし、題材が平家物語や天守物語、芥川龍之介の小説、奈良の風景と日本の土着の香りがプンプンとします。

そして写実なのに、ひしゃげた世界が共存し、魔物や異界の生き物が跋扈しているのです。

レンブラント風の人間に、ひしゃげた机や生物、そしてそれを取り巻く物の怪。

そして、絵の中に度々登場する「牧野」自身。

数々の自画像や絵の中の自分のひとコマ。

ある部分は隠し絵を見るようでもありました。

本当に独自の世界感に満ち溢れて、それが私にとっての居心地のいい絵でした。

久々にゆっくり絵を見ました。

すません拙い説明で・・・・。

青山にもお住まいだったことがあり、通われた「大坊珈琲店」には、店を題材にした牧野の作品が飾ってあるそうです。

百聞は一見にしかず、会期は六月二日まで、お時間があったら是非どうぞ。

平日なのにそこそこ観客がいました。

今の人って絵にべったり張り付いて見るんですね、巨大な絵でも。

全体像がわかるのかしら・・・・ちょっと疑問。


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祭礼図巻にみる江戸の粋

2013年05月15日 20時05分43秒 | 美術館・博物館めぐり
末広町にある3331アーツ千代田で「祭礼図巻にみる江戸の粋」展を鑑賞。

神田祭の色々な展示ですが、メインは千代田区文化財「神田祭礼図巻」の複製です。



ものすごい長さです。(写っているのは1/3くらいです。)

これを見るといかに江戸時代の神田祭がすごかったかがわかります。

そして、昭和7年、27年、33年の神田祭の貴重な映像も上演していました。

ほかには神田五軒町(現在の外神田6丁目)の町神輿や神酒所のご神体など展示してありました。





この展示会でいろいろな発見をしました。

くわしい神田祭の話とともに、それはまた後日。


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大神社展

2013年05月13日 17時20分31秒 | 美術館・博物館めぐり
上野の東京国立博物館で開催中の「大神社展」に出かけてきました。

各地の神社の宝物を一同に集めた展覧会という触れ込みですが、色々なものがありすぎて焦点が鮮明ではありませんでした。

神社が所蔵している品物を並べるだけでは秘宝館と変わりがないと思うのですが・・・。

最初は神様の道具、神様の衣装や日常道具、祭祀具などの展示。

山の信仰で大神神社の三輪山。

海の信仰で宗像大社の沖の島。

そして、神社の曼荼羅や縁起絵巻。

祭礼屏風や能装束。

色々な社宝、七支刀、天皇の宸筆、武将の奉納品。

おしまいに神像群。

国宝や重要文化財をいろいろ見るのにはいい展覧会です。

教科書で見たことのあるものがたくさんありました。

これだけの国宝をいちいち見にいくには大変な労力と時間と費用がかかりますものね。

もう少し仏教との関係やその宝物がその神社の所蔵になった経緯がわかれば良かったと思います。

日曜日でしたがあまり混雑もしていませんでした。

仏像に比べて、神宝や神像はあまり人気がないのでしょうか。

いい企画なのですがもうひと工夫が欲しいところでした。
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観世宗家展

2013年01月22日 12時26分52秒 | 美術館・博物館めぐり
昨日は銀座松屋で開催されていた「観世宗家展」の最終日に行ってきました。



観阿弥生誕680年、世阿弥生誕650年って、世阿弥の生誕はわかるけど、観阿弥生誕は付足しっぽいですね。

観世宗家の所蔵する能装束や能面がたくさん展示されていました。

そのなかで特に目を引いたのが、「風姿花伝」(昨日展示されていたのは風姿花伝本物ではなかったと思います。「花伝・・・・・」と書いてあったような。)と「申楽談儀」。
両方とも室町時代に火事にあって焦げ跡が残っていました。

私が興味ほ惹かれたのが、光悦本以前の謡本。
今の節付のある謡本と違うので「うたいぼん」と言っていいのかどうか?
簡単にいうと能の台本なのですが、それが巻物でびっくりしました。
昔から今のような謡本を使っていたと思ったからね。

装束や面はずらりと並べている感じでした。
能の展覧会の場合、装束、面、鬘帯や中啓(扇)など別々に展示する場合と、ひとつの演目のそれらを一緒に展示する場合がありますが、今回は品物ごとでした。
多少でも能を知っている者には、演目ごとの展示も有意義なのですが、デパート内の展覧会で、やはりご存知ない方が多いのが、初心者向けなのは否めませんね。

ここ二・三年、サントリー美術館、根津美術館、三井記念美術館で能関連の展覧会を見ましたが、それぞれ工夫を凝らしておられました。
圧巻は三井家所蔵のものだけで展覧会を開催した三井記念美術館かな、面の多さは別格でした。
根津美術館も演目ごとの展示をして工夫を凝らしていました。
装束ではサントリー美術館、装束の着付けの実演が楽しめました。

今回は、やはりご存知のない方が多いのか、能をダイジェストで紹介するビデオの前は黒山の人だかり、別室でも設けたらいいのに…。

展示品のリストが印刷されているのではなく、パネルなのもちょっと不親切。
展示会最終日だったのでなくなったのか、図録を購入させるためなのかもしれませんが…。

面(能面)の種類は古いものから現代のものまで多彩で楽しめました。
一面ずつ並べて展示してあったので、角度を変えて楽しめました。
面はやはり「テラス・クモラス」ということで角度を変えて見ないと表情が変わりませんものね。
真正面から見ると少しクモった状態(悲しい感じ)で、下から見るとテラした状態(明るい感じ)と変わるのです。

観世宗家の系図も面白かった。
いろいろ紆余曲折があって今の観世宗家があるんですね。

今年は機会を作って生の能を見に行きたいと思うのでした。





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写真展 記憶の中の新宿 

2013年01月21日 20時28分09秒 | 美術館・博物館めぐり
昨日は、新宿歴史博物館に「写真展 記憶の中の新宿 ~昭和30年代を中心に~」を見に行きました。

館が所蔵する写真資料の公開で、昭和30年代を中心にしたものでした。
昭和30年代といえば私の子供時代、そして新宿区は港区の隣ということで、ご縁も深い土地柄です。

例えば、よく遊びに行った神宮外苑の半分は新宿区。
買い物に行った伊勢丹、酉の市の花園神社、そこに行くまでの都電・・・・本当に懐かしい場所です。

どんな懐かしい写真があるのかと楽しみに出かけたら、たくさんありました。
新宿の町並み、新宿駅、酉の市、都電、トロリーバスなどなど。

最高に懐かしかったのは、絵画館前のプールの写真。

子供の時に、神宮外苑の絵画館の前のプールに入った印象があったのですが、大きくなってからはただの池だったので、なにか勘違いをしていたのかとずっと思っていたのです。
その後、昭和34年から36年の三年間だけ、絵画館の前の噴水のある池がプールとして開放されていたことを知りました。
記憶は間違っていなかったわけです。
今回、その当時の写真を見ることができました。
あの池の中は大人や子供でいっぱいでした。
でも、どこで着替えていたんだろう。

いろいろと楽しめる写真展だと思います。
お時間があればぜひいらしてみてください。
無料です。

新宿歴史博物館


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江戸東京博物館

2013年01月03日 23時30分15秒 | 美術館・博物館めぐり
昨日と今日は江戸東京博物館の常設展が無料ということで、久々に両国へ。



無料ということでたくさんの人で賑わっていました。

館内では獅子舞やからくり人形の実演、それに江戸時代の人々に扮装した人たちからスタンプをもらうラリーなど行われていて、正月気分満載でした。
そうそう、虚無僧も尺八吹きながら歩いていました。

外人さんの姿もたくさん見られ、中にはお獅子に頭をかじられている人もいて、微笑ましいこと。

映像ライブラリーでは、昭和30年代ころと50年代の隅田川七福神の様子が上映されていて、興味深いものがありました。

久々に行くと新しい発見があって、江戸東京博物館も捨てたものじゃないですね。

まもなく隣の国技館で初場所が始まります。
町に鬢付けの香りが漂うのももう少しです。



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燕子花

2010年05月17日 23時20分17秒 | 美術館・博物館めぐり
根津美術館に『国宝燕花子図屏風 琳派コレクション一挙公開』を見に行きました。

根津美術館ではこの屏風の公開は四年ぶりだそうです。
でも、国立博物館の『大琳派展』でも公開されていたので、そんなに久しぶりの感じはしません。
だから、今回の展覧会のお目当ては、庭の本物の杜若(燕子花)の花です。

何度も書いていますが、ここの庭は子供のときの遊び場。
その時に杜若が咲いていた記憶はまったくありません。
実際はその当時から咲いていたんでしょうか?

金曜日の昼時、入口には列ができていました。
待つこと10分ほど、入場するなりお目当ての庭園の杜若へ。



そろそろ盛りは過ぎていましたが、まだまだ見ごろでした。
これだけ群生した杜若を東京都内で見たのは初めてです。
それも我が家のこんな近くにあるなんて・・・・。



燕子花とは良く名付けたと感心させられます。
ツバメの飛ぶ季節に、濃い紫の花と花の真ん中の一筋の白い色は、燕そのものです。

さて、本来の展示品も見るべきものがたくさんあります。

一番期待していたのが、鈴木其一の『夏秋渓流図屏風』。
酒井抱一の弟子の其一の大作です。
大木の下を流れる渓流が色鮮やかで本当に見事でした。

なかでも今回気に入ったのは、酒井抱一の二作です。
ひとつは『隅田川図』。

「茶の水 花の影くめ 渡し守」という句に
遠くの山と一面の霞み、そして都鳥らしき鳥が小さく三羽。
それだけで、まさしく隅田川です。
表装も美しい掛軸です。

さらに『七夕図』。
「かささぎの さして呼ぶなり 星の竹」という句に
上部に五色の糸を掛け、下には角盥に梶の葉を浮かべた掛軸。
それで七夕を表すという心憎い掛軸です。

どちらも江戸の粋、そのもの。
多くを語らない美がありました。



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現代から縄文へ、そして近代へ

2010年02月11日 04時48分25秒 | 美術館・博物館めぐり
今年になってから行ったアートイベントの備忘録です。

NO MAN'S LAND (1月9日・フランス大使館旧館)

取り壊しになるフランス大使館の旧館で去年の12月から開催されている美術展。
いろいろな分野の現代アートを旧館の各部屋を使って展示公開していました。
大使館の内部に入れることもめったにないのでこの機会を利用していきました。
(実は12月にも一度行っています。今回は「麻布まるごと倶楽部」の集まりでした。)

旧館は麻布の台地の高低差をうまく利用して建てられています。
崖に寄り添うように建てられた建物は、二階や三階にも庭がある独特の造りです。
内部は数多くの小部屋に分かれています。その中で多くの展示やパフォーマンスが行われていました。
イベントもさることながら、新しくできた大使館に移動されなかったふるいエアコンや事務機や棚など郷愁をさそうものもたくさん残っていたのが印象的でした。
屋外や別館でもいろいろのイベントがあり、全体を把握するのは困難だし、それを総合してどうのこうのというのも難しいものがあります。
現代アートは美しさもさることながら、人を驚かせること・・・そんな感想を持ちました。

12月中は別館では東京芸大の美術展が行われていました。
こちらはなかなか迫力もあり、大変楽しめたものでしたが、一月になってからはそれも終了し、寂しい空間になっていました。

ここは取り壊されて高級マンションが建つようです。
また、古い麻布の風景が消えるのは悲しい出来事です。





国宝 土偶展 (2月4日・東京国立博物館)

こちらは一転して、紀元前3000年から紀元前400年ほど前の土偶の展覧会です。
昨年、大英博物館で開催された「THE POWER OF DOGU」の帰朝展で、国宝や重要文化財を含む70点弱で構成さた、比較的小規模な展覧会です。

見せるための近現代の美術ではなく、生活に根ざした祈りの品々で、現代人がそれを美術品としてみているだけだとは思いつつも、その造形の美しさには感動させられました。

見せることを意識していない凄さ・・・・なんなんでしょう。






江戸の粋・明治の技 柴田是真の漆X絵 (2月5日・三井記念美術館)

江戸から明治にかけての漆芸家・柴田是真の作品展で、今回はアメリカテキサス州在住のエドソン氏のコレクションの里帰りの品々が中心となっていました。
漆芸ではなんとなく名前を知っていましたが、今回、漆芸のすばらしさは勿論ですが、肉筆画や漆絵を拝見してこちらも魅力的な作品が多数あってびっくりしました。
分業が一般的な漆芸の世界で下絵から創作されていたいたそうで、肉筆画がすばらしいのもうなずけます。

また、遠くテキサスでこのような日本の工芸作品が大切に収集されていることを知ったことにも感銘を受けました。




小村雪岱とその時代   粋でモダンで繊細で (2月7日・埼玉県立近代美術館)

大戦前に挿絵、装幀、舞台美術で活躍した小村雪岱の回顧展です。
この方のことは存じ上げなかったのですが、今回ある方にお聞きして、その存在を知り、雑誌等で取り上げられているのを見て、浦和まで出向きました。

繊細な画風、浮世絵や歌舞伎といった江戸の文化に根ざした美意識、白と黒の鮮烈なコントラスト、画中の人々の愛らしさ、なにをとっても美しく、愛おしくて・・・・・、本当に素晴らしい展覧会でした。

この展覧会を見て、この方が私が以前在籍していた前進座とも深くかかわっていたことを知り、大変驚きました。

そんなこともあって、後半の舞台の道具帳(大道具の設計図)は非常に興味深く拝見しました。
雪岱が描いたものが今の歌舞伎の舞台でも使われ続けているのも驚きでした。

このように素晴らしい作者と巡り合えたことに感謝、感謝の一日でした。





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今年行った展覧会

2009年12月19日 07時40分25秒 | 美術館・博物館めぐり
今年も一年が過ぎようとしています。
今年の振り返り、備忘録です。
まずは、展覧会

「japan 蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき-」サントリー美術館
「1970年大阪万博の軌跡 2009 in 東京」国立科学博物館
「国宝 三井寺展」サントリー美術館
「まぼろしの薩摩切子」サントリー美術館
「平泉 みちのくの浄土」世田谷美術館
「国宝 阿修羅展」東京国立博物館
「ルネ・ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ」国立新美術館
「天地人-直江兼続とその時代-」サントリー美術館
「ゴーギャン展 2009」国立近代美術館
「伊勢神宮と神々の美術」東京国立博物館
「美しきアジアの玉手箱 -シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展」サントリー美術館
「知られざるタオの世界 道教の美術(TAOISM ART)-道教の神々と星の信仰-」三井記念美術館
「伝統の朝顔」国立歴史民俗博物館・くらしの植物苑
「日本建築は特異なのか -東アジアの宮殿・寺院・住宅-」国立歴史民俗博物館
「百鬼夜行の世界」国立歴史民俗博物館
「染付 -藍が彩るアジアの器-」東京国立博物館
「美しの和紙 -天平の昔から未来へ-」サントリー美術館
「皇室の名宝 -日本の華-」第一期 東京国立博物館
「新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形」根津美術館
「皇室の名宝 -日本の華-」第二期 東京国立博物館
「清方/Kiyokata ノスタルジア-名品でたどる 鏑木清方の美の世界-」 サントリー美術館
「根津青山の茶の湯 初代根津嘉一郎の人と茶と道具」根津美術館

今年もたくさん回りました。
「阿修羅」「ラリック」「伊勢神宮」がベストスリーかな・・・。
作品はシアトル美術館の「烏図屏風」、皇室の名宝で見た抱一の「花鳥十二ヶ月図」などが印象に残っています。
皇室の名宝で見たいろいろな「書」や根津で見た「古筆切」の数々など書にも大変心を引かれた一年でした。
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