自民党の青山繁晴参院議員ら有志議員は22日、党派閥パーティー収入不記載事件を受けて、派閥全廃の実現を目指す「政治(まつりごと)変革会議」を立ち上げ、国会内で初会合を開いた。代理を含め15人の衆参議員が出席し、青山氏が代表に就く人事を承認した。和田政宗参院議員が事務局を務める。同会議は法改正に基づいた派閥の全廃と国会議員の在り方を巡る提言を早期に作成する。
派閥パーティーの開催、派閥による人事の差配、利益配分などを禁止することで派閥の全廃を実現するという。政治資金規正法を改正し、政治家と会計責任者双方の責任を問える連座制を導入する。個人の国会議員の政治資金パーティーは認めるが、外国人によるパーティー券の購入は禁止する。
青山氏は会合後の記者会見で、自民党の派閥について「世の健全な常識と一致していない。常識ならざることを推進した派閥は全部廃止して立て直さないと国民に理解される政党に脱皮できない」と訴えた。青山氏も無派閥だが、議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」の代表を務めている。「政治団体に登録していない。お金を集めることをしない。人事差配をしない。派閥の要素がない」と述べ、政策実現のための議員集団は認めるべきとの考えを示した。
会合には谷垣グループ(有隣会)の代表世話人を務める中谷元・元防衛相も出席した。中谷氏は「この会議はワクワクする。今まで派閥政治に阻まれて、自分の良心が発揮できない場面をずっと経験してきた」と語ったという。青山氏が会見で明らかにした。
同会議は趣意書で、派閥の弊害について「ボスが存在し、カネを作り所属議員に配分し、政府、自民党の人事も隅々まで支配し、私的集団でありながら、公的な存在かのように振舞ってきた」と指摘し、「主権者のみによって立つはずの国会議員が、この私的集団に依存し、政治資金についても派閥の指示を絶対視し、『裏金作り』と指摘された未曾有のスキャンダルを生んだ」と言明した。
初回会合の出席者は石橋林太郎、大岡敏孝、桜田義孝、中谷元、穂坂泰、務台俊介、保岡宏武、尾﨑正直の各衆院議員と、青山繁晴、朝日健太郎、三原じゅん子、若林洋平、和田政宗の各参院議員。代理出席は石川昭政衆院議員、柘植芳文参院議員。23日にも第2回会合を開く。