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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険 第三部 コンポレロンへ 第2話 「グレディア」

2022-05-08 19:41:23 | ミーターの大冒険
あらすじ

 ミーターは亡きアルカディアの遺志通りアタカナ探索にターミナスに旅立った。傍らには、不思議な自らをイルミナと名乗る「銀河帝国辞書編纂図書館」のバーチャル・コントロールが同乗していて、ミーターの話し相手になっていた。二人を乗せたファー・スター2世号は順調に加速を上げた。
 しかし、目指す禁断の天泰オーロラに辿り着くルートが見つからない。ミーターは、その情報をコンポレロンで手にはいるとふんだ。
 進路をコンポレロンにとった時、ジスカルド・ハニスからハイパー・ウェーブ通信が入った。
 二人の若いターミナス人が「別動隊」の候補者として名前があがった。
 アルカディアのラヴェンダー農園のはじまりの母系先祖の「グレディア」のことに話題が及び、ミーターは何かの記憶を呼び覚ます。

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イルミナ ミーターさん、あと三回のジャンプでコンポレロンの太陽の星域に入るわ。
 でも、やっぱりハニスさんの発言には納得できないわ。なによ、『時代遅れの風采の相棒君』って、宇宙一の美女イルミネーションに向かって、失礼だわ!

ミーター イルミナ、まだ怒っているのか。あれは、ハニスさん特有の誉め言葉なんだ。なにか新しい情報を掴んだ時によく嫌味な皮肉をいう癖があるんだ。あのコンパーさんの人を煙に巻くような態度じゃない純粋な人間味がハニスさんの性格なんだ。もう少し彼を理解してやった方がいい。
 それにしても、「時代遅れの風采」とはピッタしだわな!今では図書館の設備はスミルナやシウェナの方が見事だから。
 
イルミナ なによ、ミーターさんまで。なぜ、スミルナやシウェナの方が凄いって知ってて言ってるの?
 グレディアさんがターミナスで初めたラヴェンダー農園は、その後、彼女の娘アルカディアさんや孫娘のアルシアさんによってスミルナに移植されたんです。そしてアリシアさんによって、さらにアグロ・フォレストリーがシウェナに移植されて、両方の星は繁栄したんですからね。みんなターミナスのおかげなんですからね。それで図書館も立派になって。それでもトランターにあった旧銀河図書館の全蔵書は私のところに移転されたのよ。

ミーター ごめんごめん、確かに「銀河帝国辞書編纂図書館」という呼び名は古すぎるけどな、ハニスさんが、オリンサスさんの我々に伝えきれなかった伝言について思い返していたところなんだ。ハニスさんは、僕にこの船に乗り込む前に伝えてくれたんだ。

 オリンサスさんが、例のお前の図書館の隣にある「辞典広場」のルイス・ピレンヌ博士の銅像の下で倒れていたところをコンパーさんが見つけて介抱してあげた、ということは知っているよな。実はそこになにか重要な真実を発見して、それを僕らに伝えたかったんじゃないかと思っていたんだが。ずっと気にはなっていたんだ。僕は今、お前の今の言葉でなにか気がついたようだ。

 いわば、ハーディンの秘密がな。すなわちそれは「アルーリンの謎」と言い換えられるってことさ。「辞書編纂財団」のルイス・ピレンヌにも関係があるかもね!

イルミナ なによ、回りくどい言い方ね。私のどんな言葉で、ミーターさんが何に気がついたって言うんですか

ミーター お前の「グレディア」っていう言葉さ。なぜハーディンが彼の次女に「グレディア」という名をつけたかということ。
 お前に確認したい。「銀河百科辞典」第一版は何年に発刊した?

 ミーター、それは確か、ファウンデーション暦55年だわ。それが何か??

yatcha john s.

ミーターの大冒険 第三部 コンポレロンへ 第1話 「ハニスからのハイパー・ウェーブ通信」

2022-05-08 13:24:41 | ミーターの大冒険


あらすじ
 ミーターは亡きアルカディアの遺志通りアタカナ探索にターミナスに旅立った。傍らには、不思議な自らをイルミナと名乗る「銀河帝国辞書編纂図書館」のバーチャル・コントロールが同乗していて、ミーターの話し相手になっていた。二人を乗せたファー・スター2世号は順調に加速を上げた。
 しかし、目指す禁断の天泰オーロラに辿り着くルートが見つからない。ミーターは、その情報をコンポレロンで手にはいるとふんだ。
 進路をコンポレロンにとった時、ジスカルド・ハニスからハイパー・ウェーブ通信が入った。

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イルミナ ミーターさん、そうそう、ハニスさんから、ハイパーウエーブ通信が暗号で届いているわ。読み上げるわね。

「ミーター君、それに『時代遅れの風采の相棒君』、元気でいるか?こっちは新たな情報を得た。俺の住んでたフレクスナーの郊外のある店で、フラベラさんという若い美人から面白い情報を得たんだ。その彼氏は、アルカディアさんの熱烈ファンの読者で、今のターミナスの体制に反対している。そして、彼独自の考えがふるっている。アルカディアさんの本から彼はセルダン・プランの本質を解こうとしている。その謎解きの手法が俺の今までたどり着いたところとドンピシャなんだ。
 彼の名は、ゴラン・トラヴァイズ、なんだか今までになく、ワクワクしてきた。

 コンパー君はまた別のアイディアを語ってくれた。ターミナスに隣接するドーニック公園の側に昔俺の友人の息子が、銀河全体の図書館からデータを取り寄せて、銀河のおおもとの故郷の星の探索に躍起になっているという。彼の名はジャノヴ・ペロラット。彼は、いわゆる「歴史消滅」の理由、背景の謎を解きたいと言っているという。彼の狙いは「故郷の星」の発見っていうことだ。目下彼ら二人にどう接近するかだよ!

 二人(?)とも、気をつけてな。」

ミーター う~。どうやらハニスさんは元気らしい。
 ゴラン・トラヴァイズ。ジャノヴ・ペロラットか!
 ますます新たな展開だな!

ミーター ところでイルミナ、コンポレロンについてわかったこと、なにかあるかい?

イルミナ そうね、ハニスさんの情報にも関係するんだけど、ミュール事件の際の、エブリング・ミス、ベイタ・ダレル、そしてその夫。
 ミュールは最終的に二人をコントロールしたけど、ベイタだけは支配されなかった。ベイタだけが彼女の自由意志で振る舞われた。そのためミュールは、結局敗北した。
 その約百年後、孫のアルカディアは、ターミナスに第二ファウンデーションの基地があるのを仄めかして、数名の第二ファウンデーション員を捕らえさせることによって第二ファウンデーションの位置を隠し、なおかつ、第二ファウンデーションの存在を守った。
 第二ファウンデーションは、彼女と呼応するように、彼らの拠点を、念のために他の星に一時移した。今では元の拠点に戻っている頃ですね。
 アルカディアは、捕縛された第二ファウンデーション員の身代わりをドースさんに頼んだ。
 といったところだわ。
 これらの数少ないデータから、三段論法で推理すれば、...。

ミーター イルミナ、もったいぶらないで、どうなんだい?
 
イルミナ 推理すればですね、その一時避難地というのが、ターミナスとの同盟関係にあるコンポレロンだったということです。
 そして、不死の従僕の所在を仄めかす「禁断の星」オーロラはコンポレロンの向こう側。
 このファー・スター2世号の基盤コンピューターと関係のある「レオナルド」さん。このRについてはミーターさんがよく知っていたわよね。そのレオナルドさんの秘密のお仲間が、「反ミュール」に関連しているっていうことぐらいね。
 それらが銀河の反対側にそれぞれ結びついているってことかしらって、ねえ!

イルミナ、それだけわかっていれば素晴らしい。ありがとう。それじゃ、コンポレロンまでまっしぐらだ!

https://youtu.be/cUSl1dc_qCc

yatcha john s.

ミーターの大冒険 第二部 イルミナ 第10話 「ジョン・ナック 宇宙潮流」

2022-05-08 06:26:49 | ミーターの大冒険


あらすじ

 ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 
 場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星に軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
 シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
 ただ時たまイルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
 イルミナのアンソーアについての感想が際立つ。
 ミーターは、それでも「音痴」という言葉から何かに気がつく。
 ミーターはイルミナにオーロラへの進路を指示するが、禁断の星オーロラの位置がわからない。そこでミーターは、アルカディアの『続・追憶の鍵を開けて』の内容を思い出し、カルガンに行くことを思いつく。
 ファー・スター2世号は発進し、プラズマエンジンを加速させ、宇宙潮流に沿ってアクチュエル・フォースを吸い込み、光速近くに達する。

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イルミナ ミーターさん、驚いたわ、ファー・スター2世号は、新たなジャンプを繰り返す度に、もう一つのアクチュアル・フォース(actual force ) を見つけて、それらと摂取、融合して、枯渇したプラズマ・エネルギーを再生しながら飛び続けているわ。

ミーター えへん、それが、ファー・スター2世号の独自で、優秀たる所以さ。これだけは、オリンサスさんの独創性なのさ。「宇宙潮流」に沿って突進する技術なんだ。まるでオリンサスさんが生きてるみたいだ。

イルミナ ミーターさん、「宇宙潮流」って「オリンサス」さんの技術ですって?

ミーター 「宇宙潮流」という真理は、ハニスさんが、ベリス岬の洞窟で再発見した、ガール文書のなかの一つ『ジョン・ナックの歴史思想書』の一部に記されてあった宇宙構成三要素の一つ暗黒エネルギーに関係のある概念なのさ。
 オリンサスさんは、若いとき、コンポレロンの友人から、それとの接触技術を教わったと聞いている。それを若いときはずっと無視してきたが、ハニスさんと知り合ってから、やっと重い腰を上げたように夢中になった。
 ハニスさんがアルカディアと知り合いになったのは、ベリス岬の洞窟で、「ガール文書」の一部を発見してからで、その中に「ジョン・ナックの歴史思想書」があった。
 その本には二万年以上前に故郷の星のある望遠鏡のことが記されてあった。その名前が、「すばる望遠鏡」。そのプロジェクトが「SuMIRe」。これによって宇宙誕生の神秘がやっと抉じ開けられた。この宇宙の起源138億年前のある瞬間、この宇宙はインフルエーションによって惹き起こされ、ビッグバン現象を起こした。その時、暗黒エネルギーが筋状に「シワ」をつくって宇宙潮流を構成した。この宇宙潮流が宇宙全体を繋いでいる。この宇宙潮流のシワに沿って進むのがジャンプなんだ。

 重要な真理がある。コンポレロンはターミナスのちょうど銀河の反対側に位置していて、シンナックスやヘリコンに近いばかりじゃない。伝説だが、目的地のオーロラ、そして最終目的地の人類のふるさとアタカナに辿り着く道しるべの星なんだよ。コンポレロンは単にターミナスの同盟星ということではない。もしかしたら、反ミュールの星にも関係が深い。

イルミナ じゃあ、ミーターさん、それって誰かが、いわゆる「歴史消滅」から幕開けを図って、いよいよある人々にだけ、重要な真実のヴェールを開けつつあるっていうことね!その誰かって!

 そう、イルミナ、勘が鋭い!「不死の従僕」だろうかねぇ!

yatcha john s.
Photo ∶すばる望遠鏡

Evergreen

2022-05-08 03:16:47 | 軽やかなあさのひかり(太陽光線)
滝にうたれている人にきいたことがある
修験道は自然と一体となること
移りゆく季節に逆らわず
変わりゆく時代をいとおしむ
自ずとマイナスイオンはからだから出て人に移る

幹はしっかりと大地に立って葉々を降り注ぎ
大地に恩返ししている
日本は「二本の足」
木々より強い人になれるはず
さりげなく坂を登り
清らかに坂を降りる

水平線の見えない大都会
心で観ている 雑踏のなかで
さらにみえるよ 大海原の向こう
限りのある人生でも

ため息と寂しさ
....
でも ほら緑の葉の上に小さな水玉は
光を反射(てら)す

https://youtu.be/Ohf_3wJVfw8

yatcha john s. 「 evergreen 」


青空とあなた

2022-05-08 03:11:41 | 初恋
なだらかな坂道をゆっくりと歩いていく
あなたの笑顔を少し曲がりのある途中でふと思い出した
懐かしい優しい風が頬を触るあなたのような

あどけないあなたの横顔が雲の影に色を変えた
畦道の縁でスミレを一本だけ摘んでくれたけど
まだ幼すぎて言葉がなかった

今なら言えるよ 有り難う 
大事にするよ スミレは「スキ」とい言う意味

あたたかいそよ風が思い出させてくれた
こんな穏やかな晴れの日に
きっとあなたはこのいまのあおぞら
あなたは今でも生きているよ
 
スミレとあおぞら

https://youtu.be/5I8qc8cZD_4

yatcha john s. 「青空とあなた」