総務部に期待されている仕事でよく聞く話は、「効率化」や「コスト削減」施策!
『昨対比率x%コストを削減!』
『業務工数の30%削減して2.5人工が2.0人に効率化』
といった「成果」を出すことが総務部の評価指標となります。
総務部門のようなノンコア コストセンターは、出来るだけスリム化して人件費コストを抑える戦略が組織貢献!
かのドラッカーも、ノンコア業務に携わる人をコア業務にシフトさせることが成長戦略!
と唱えていたりします。
今までは人がやってきた「定型ノンコア業務」を、ロボティクス(RPA) 化して、価値を生まないノンコア雑務から解放されれば、「本来のコア仕事に人材をシフトできる」!などと言われたりします。
「価値を生まない」ノンコアはアウトソースかロボティクスに移行させて、正社員は「価値を生む」仕事にシフトする!
一見聞こえの良い話ですが、現実は簡単な話ではなく、またなかなか厳しいものです。
従来型総務が「成果」が出した先に待ち受けるもの!
それは「合理化」の名の下で、人員の配置転換や雇い止め!といった総務にとってアンハッピーな流れになる可能性。
定型作業から手離れできれば、本来やらなくてはならない総務としての「価値創造業務」に従事できる!かも知れませんが、総務本来の役割の意味(当たり前維持)の価値を認識した上で、「総務ができる価値創造業務」とは何か!を経営と現場で、明確な共通理解をしておかないと、人を減らすだけの「コスト削減施策」にしかなりません。
総務の本来業務とは、オペレーション総務と管理総務業務を合理的に対処しながら、『戦略・経営総務』に取り組んでゆく仕事とも言えます。
組織社会に価値創造を提供してゆく高付加価値創造の仕事です。
具体的には、
・組織統制と働き方変革のデザインと実装
・シニア層の働き方設計と仕組み構築
・社会弱者の社会貢献デザインと実装
・人と場をプロデュースする「場」つくり
・危機管理とリスク管理
・組織コミュニティマネジメント
・組織の活性化と躍動サポート
・幸福ワクワク組織の創出
・従業員と経営者の健康とハピネス創造
・組織の発展と社会の繁栄にむけたSDGs推進
広義の「総務」が果たすべき戦略的な役割は広範に渡ります。
でも、これらの仕事を、今まで「定型仕事」をしてきた人たちが直ぐ出来る訳がありません。
総務本来の価値創造業務を担える人材を育ててゆくには、一定の時間が必要ですが、組織の論理からは待つことを許容してくれません。
ではどうなるのか?
多くのケースは「人員削減」という現実です。
このスパイラルに入ってしまうと、総務の力を成長させてゆくことは出来ません。
ノンコアが「組織を支えている価値」を軽視してしまうと組織は機能不全を起こします。
総務の本来業務を明確にして、総務プロが育ってゆく組織内の環境整備と、社会からの更なる理解が求められる時代です。