16世紀の思想家マキアヴェッリの言葉を抜粋して集めた作品。最初の「読者に」だけが塩野さんの言葉であり、本文は全てマキアヴェッリの言葉をそのまま載せることに尽きている。これまで塩野さんの作品を読んできた者としては物足りなさを感じてしまう。
そして、この種の目的のためにいかなる非常手段が持ちいられようと、非難さるべきではまったくない。結果さえ良ければ、手段は常に正当化されるのである。(110ページ)
武装せる予言者は、みな勝利を収め、非武装のままの予言者は、みな滅びる。(148ページ)
「どんなに悪い事例とされていることでも、それがはじめられたそもそものきっかけは立派なものだった」(209ページ)
ところで、フランクに話をかわすという表現が使われていて気になって調べたのだが、これって語源はやっぱりフランク族なんですね。率直で飾らない感じの民族だったそうです。