引き続き中世地中海での海賊ビジネスが語られる。イスラームの聖戦(ジハード)とキリスト教の聖戦(グエッラサンタ)を冠した2章では、ノルマンによる南イタリアの支配やイタリアの海洋都市国家であるアマルフィ、ピサ、ジェノヴァの成り立ちや十字軍についてさらっと触れられ、その後の3章「二つの、国境なき団体」で救出修道会と救出騎士団の活躍が語られる。つまりイスラームの海賊により奴隷となったキリストの一般庶民たちを救出するための交渉を繰り返すのだ。特に騎士団の自己犠牲的で不屈とも呼べる活動にやや胸が熱くなった。