のれん、自転車、ガラスのショーケース、人間の女性、猫。この物語は、章を変えるごとにこれらの視点に変わりながら進んでしく。ずっと人間以外のものだと思ってたら途中から人間になったりと一貫性はない。でも、そんなこと関係ないくらいに面白い。そうか、語り手は何でもいいんだ…って感じた。これシリーズ化されてるので、続けて2巻に行きます。
このタイトル!ちょっとビクビクしながら読み始めたのですが、なんか普通にエッセイでした。ファッションの話や映画の話、男のどんな振る舞いがセクシーと感じるかなど、もう塩野さん満開でした。面白かった2つ。「私の日本への功績は歴史物語を描き続けたことよりも、日本の男たちの胸元を色付けたことだと密かに自負しているくらいである」(38ページ)。「もしも私の書く対象がルネサンスを書き終わった後も、もっと以前にさかのぼり古代ローマまで行くとしたら、それは男のうなじのせいに違いない」(165ページ)。