こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。
2020年7月に文科省が中学生の学校へのスマホ持ち込みを条件付きで許可したことで、学校現場は大きく変わろうとしています。コロナウイルスの影響でオンライン授業の需要が高まり、大阪の高校でもオンライン授業をおこなった学校も多く、小中学校ではタブレットが配布されました。私はコロナ以前から、オプションとしてのオンライン授業の必要性や授業のデジタル化を訴えてきましたので、学校の在り方というものを考えることができたことはよかったと思っています。
文科省が中学校のスマホの持ち込みを許可したのも、東日本大震災をはじめ、近年地震だけではなく台風や大雨による自然災害が多発しており、子どもたちの安全を確保するためという理由が一番大きかったと思われます。ですから子どもたちの安全を守るためという面に関してはもちろん賛成なのですが、他に方法はなかったのか、あるいはもっと細かくルールを決めることができなかたったのかという不満は残ります。
どうしてもルールを守ることができない子がでてきます。持ち込み禁止という校則があっても持ってくる子がいるのですから、持ち込み許可した段階で、いくら「こういう時しかスマホは使ってはいけません」というルールを定めたところでみんながみんな守れるはずがありません。授業中にスマホで遊ぶ子がでてくるでしょうし、先生の負担が増えるのは間違いありません。現時点ではメリットよりもデメリットの方が多いと言わざるを得ません。
私には70歳を過ぎた母がいます。母は携帯はガラケーを使っていますが、私の兄がオーストラリアに移住していて、その兄と連絡を取りやすくする目的でタブレットをあげました。初めのうちは、兄や友だちとのLINEしか使っていなかったのですが、いろいろと使い方を覚え、今ではどっぷりYouTubeにハマっています。寝る前に見るのが日課になっているようですが、日に日にタブレットを使用する時間が増え、寝る時間も遅くなり必然的に体調を崩すことが多くなりました。「きちんと時間を決めないと健康にもよくないから使用時間を決めよう」と言っても、守っているのは数日だけでいつの間にか元通りになってしまいます。一度動画を見ながら寝てしまったことがあり、タブレットがベッドから落ちたのでしょう、液晶が割れてしまい使用不可能になったときがありました。「いい機会だから使うのをやめよう」と言ったのですが、そのときの落ち込み方がひどく、また「絶対に使用時間は守るから」ということでまたタブレットを与えてしまったところ、ほんの1週間ほどで元の状態に戻ってしまいました。立派な依存症ですね。
アルコール中毒やギャンブル中毒など、様々な依存症がありますが、これらを脱することはとても難しいと言われています。それ専用の病院や施設もあります。私も約20年間喫煙しておりましたが、やはりタバコをやめようと思って禁煙にチャレンジしても何度も失敗しました。もちろん私の意志の弱さが大きな原因でしたが、私にとってはかなりキツイことでした。海外では(日本でも少しずつ増えてきていますが)、スマホ依存やゲーム依存から脱するための病院や施設があり、特に若い年代の患者が増加しています。
大人であっても、車の運転中にスマホをさわる人がいたり、子どもを乗せているのに自転車をこぎながらスマホをさわっている人を見かけます。もう抑えることができないのでしょうね。それが子どもの場合は、さらに自制するのが難しいでしょう。もちろんメリハリをつけてスマホと共存している子もたくさんいます。でも一方で完全に依存症になっている子も増加し続けているのです。
最近増加しているのは、集中力が続かない子どもだと聞きます。勉強していても、ほんの10分ほど前に教えた英単語を覚えていなかったり、計算ができなかったりするのです。覚えていないというより、勉強しているようで実は頭の中は別のことを考えているため、初めから頭に入っていないのです。もちろん私たち大人であっても、何か作業をしているときに、ふと別のことを思い出してボーっとすることはあると思いますが、そんなレベルではなく、常に頭の中は「好きなYouTuberの動画がアップされた頃かなあ?」とか「オンラインのゲームのイベントが始まる時間やなあ」など、動画であったりゲームで会ったりSNSであったり、人間の興味を引くものがスマホには溢れかえっていますので、頭の中はそれらでいっぱいなんです。ですから授業を聞いていても頭には何も入っていない、勉強しても点数がまったく上がらないということが起きているのだそうです。さらに問題なのは、ボーっと頭の中で別のことを考えているだけで、授業はきちんと受けていて勉強も一見しているように見えますから、成績が上がらない原因が発見しにくいのです。
もしかすると成績が伸び悩んでいる子は、スマホが原因であるかもしれません。うまく使えばとても勉強にも役に立ちますし、やはり便利なものです。ですからスマホを取り上げるのではなく(取り上げても反発するだけで逆効果でしょうから)、依存症になる前にしっかりと話し合って使用時間を決めたり、ルールを決めることが大切だと思います。
こういった背景もありますので、私は中学校へのスマホの持ち込みには反対です。その前にもっと議論しなければいけないことがたくさんあります。現場の先生たちの意見を聞くことも大切ですし、医学的な立場からの意見を取り入れることも必要だと思います。with コロナもそうですが、with スマホの社会をどう生きていくかを大きなテーマとして議論をするべきです。それほどこれからの日本がどうなるかに影響を及ぼす大きな問題であると思います。ですから安易な発想で決定することだけはやめていただきたいですね。
ONE-SのHP
2020年7月に文科省が中学生の学校へのスマホ持ち込みを条件付きで許可したことで、学校現場は大きく変わろうとしています。コロナウイルスの影響でオンライン授業の需要が高まり、大阪の高校でもオンライン授業をおこなった学校も多く、小中学校ではタブレットが配布されました。私はコロナ以前から、オプションとしてのオンライン授業の必要性や授業のデジタル化を訴えてきましたので、学校の在り方というものを考えることができたことはよかったと思っています。
文科省が中学校のスマホの持ち込みを許可したのも、東日本大震災をはじめ、近年地震だけではなく台風や大雨による自然災害が多発しており、子どもたちの安全を確保するためという理由が一番大きかったと思われます。ですから子どもたちの安全を守るためという面に関してはもちろん賛成なのですが、他に方法はなかったのか、あるいはもっと細かくルールを決めることができなかたったのかという不満は残ります。
どうしてもルールを守ることができない子がでてきます。持ち込み禁止という校則があっても持ってくる子がいるのですから、持ち込み許可した段階で、いくら「こういう時しかスマホは使ってはいけません」というルールを定めたところでみんながみんな守れるはずがありません。授業中にスマホで遊ぶ子がでてくるでしょうし、先生の負担が増えるのは間違いありません。現時点ではメリットよりもデメリットの方が多いと言わざるを得ません。
私には70歳を過ぎた母がいます。母は携帯はガラケーを使っていますが、私の兄がオーストラリアに移住していて、その兄と連絡を取りやすくする目的でタブレットをあげました。初めのうちは、兄や友だちとのLINEしか使っていなかったのですが、いろいろと使い方を覚え、今ではどっぷりYouTubeにハマっています。寝る前に見るのが日課になっているようですが、日に日にタブレットを使用する時間が増え、寝る時間も遅くなり必然的に体調を崩すことが多くなりました。「きちんと時間を決めないと健康にもよくないから使用時間を決めよう」と言っても、守っているのは数日だけでいつの間にか元通りになってしまいます。一度動画を見ながら寝てしまったことがあり、タブレットがベッドから落ちたのでしょう、液晶が割れてしまい使用不可能になったときがありました。「いい機会だから使うのをやめよう」と言ったのですが、そのときの落ち込み方がひどく、また「絶対に使用時間は守るから」ということでまたタブレットを与えてしまったところ、ほんの1週間ほどで元の状態に戻ってしまいました。立派な依存症ですね。
アルコール中毒やギャンブル中毒など、様々な依存症がありますが、これらを脱することはとても難しいと言われています。それ専用の病院や施設もあります。私も約20年間喫煙しておりましたが、やはりタバコをやめようと思って禁煙にチャレンジしても何度も失敗しました。もちろん私の意志の弱さが大きな原因でしたが、私にとってはかなりキツイことでした。海外では(日本でも少しずつ増えてきていますが)、スマホ依存やゲーム依存から脱するための病院や施設があり、特に若い年代の患者が増加しています。
大人であっても、車の運転中にスマホをさわる人がいたり、子どもを乗せているのに自転車をこぎながらスマホをさわっている人を見かけます。もう抑えることができないのでしょうね。それが子どもの場合は、さらに自制するのが難しいでしょう。もちろんメリハリをつけてスマホと共存している子もたくさんいます。でも一方で完全に依存症になっている子も増加し続けているのです。
最近増加しているのは、集中力が続かない子どもだと聞きます。勉強していても、ほんの10分ほど前に教えた英単語を覚えていなかったり、計算ができなかったりするのです。覚えていないというより、勉強しているようで実は頭の中は別のことを考えているため、初めから頭に入っていないのです。もちろん私たち大人であっても、何か作業をしているときに、ふと別のことを思い出してボーっとすることはあると思いますが、そんなレベルではなく、常に頭の中は「好きなYouTuberの動画がアップされた頃かなあ?」とか「オンラインのゲームのイベントが始まる時間やなあ」など、動画であったりゲームで会ったりSNSであったり、人間の興味を引くものがスマホには溢れかえっていますので、頭の中はそれらでいっぱいなんです。ですから授業を聞いていても頭には何も入っていない、勉強しても点数がまったく上がらないということが起きているのだそうです。さらに問題なのは、ボーっと頭の中で別のことを考えているだけで、授業はきちんと受けていて勉強も一見しているように見えますから、成績が上がらない原因が発見しにくいのです。
もしかすると成績が伸び悩んでいる子は、スマホが原因であるかもしれません。うまく使えばとても勉強にも役に立ちますし、やはり便利なものです。ですからスマホを取り上げるのではなく(取り上げても反発するだけで逆効果でしょうから)、依存症になる前にしっかりと話し合って使用時間を決めたり、ルールを決めることが大切だと思います。
こういった背景もありますので、私は中学校へのスマホの持ち込みには反対です。その前にもっと議論しなければいけないことがたくさんあります。現場の先生たちの意見を聞くことも大切ですし、医学的な立場からの意見を取り入れることも必要だと思います。with コロナもそうですが、with スマホの社会をどう生きていくかを大きなテーマとして議論をするべきです。それほどこれからの日本がどうなるかに影響を及ぼす大きな問題であると思います。ですから安易な発想で決定することだけはやめていただきたいですね。
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