個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

花粉症の辛さがようやくわかった

2024-03-26 15:54:54 | 教室から
こんにちは。堺市西区上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

花粉の影響で毎日目がかゆくて、鼻も詰まって大変です。実は数年前まで花粉症の症状なんてまったくなくて、周りでみんなが「花粉症しんどい~」とか、ひどい人になればティッシュの箱を持ち歩いていて1日1箱使うほど苦しんでいるのを見ても「なんか大げさやなー」としか思いませんでした。それが3年ほど前から「あれっ?なんか目がショボショボするな、喉がイガイガするな、風邪でもひいたのかな」と異変を感じ、今年はこれまでとは比較できないほど酷く、特に目のかゆみで毎日悩まされています。

実際に経験してみないと、その辛さってわからないものですよね。

私は小学生の頃から勉強面ではそれほど苦労はしませんでした。もちろん学年が上がっていくにしたがって、勉強も難しくなっていきますのでその分勉強時間も増えていきましたが、高校はいわゆる進学校に、大学は国立大学に合格することができました。当然ながら私なんかより優秀な人たちや、もっと偏差値の高い高校や大学に行かれている人なんかいくらでもいます。そんなことはわかっていますが、それでも一般的には勉強でそれほど苦労してきていないグループに入ると思っています。

何が言いたいかというと、そういう人たちは、勉強がわからなくて苦しんでいる子の気持ちを理解することが難しいということなんです。

勉強を教える側の人というのは、学校の先生であったり塾の講師であったり、小中学校の勉強でつまずいた経験のない人たちです。だから「漢字なんて何回も書いたら覚えられるやろ」「プリントやワークを繰り返し練習したら理解できるやろ」と簡単に言います。学校のテスト範囲のプリントにもよく書いていますよね。「何度もノート・教科書を読みましょう。ワークを理解できるまで何度も解きましょう」って。それが難しいんですよ。それはそこで苦労していないから言えるんですね。

という私も塾を始めた頃は、何度か戸惑ったことがあります。説明しても理解してもらえないことがありました。「あれっ?この子イマイチ理解できていないな」「今の説明でもわかってないみたいやな」「どこが理解できないポイントなのかわからん」など、私自身が苦戦した経験のない部分はうまく教えることができませんでした。

それが5年、10年と塾の講師を続けていき、様々な学力の生徒たちに教えていくにしたがって、同じくらいの学力であっても考え方が異なったり、伝わりやすい言葉が違ったり、「ああ、教えるって難しいものなんだ」と気づきました。

中学生になると学力の差が大きくなっているのは事実です。もちろん能力による部分も大きいかもしれませんが、適切な教え方・勉強の仕方をしていないことが原因で伸びていないこともあります。学校の授業の内容があまりわかっていない状態で提出物などのワークを言われるがまま取り組み、わからないところは解答を写してそのまま提出する。英単語や漢字も何回も暗記するというよりは作業のように繰り返し書き続け、結局ほとんど頭には残っていない。そんな勉強をしている子はたくさんいます。だれが悪いという問題ではありません。学校の授業もどこかあるレベルを決めて授業をしなければいけないので、当然全員にとって効果的な授業にはなりません。

そう考えると塾の役割がはっきりします。1つは学校の勉強では物足りない子、もっと難易度の高い勉強を求めている子にその機会を与えて、向上心を刺激すること。これは多くの塾が取り組んでいることですね。偏差値の高い高校や大学への合格実績が大きな宣伝になるわけですから、ここに力を入れるのは当然と言えば当然です。2つ目はいわゆる中間層の子どもに対する指導です。学校の授業はだいたい理解できるけれども、テストとなると平均点前後しかとることができない。この子たちには学校のワークや教科書などを中心に疑問点を解決してあげて、もう少し勉強時間を増やしたくさんの問題に取り組んでもらえることで大きく飛躍する可能性があります。最後は学校の授業についてけず、テストでも平均点を多く下回っている子たちです。この子たちの問題は、まず学校のワークや塾のテキストのレベルが合っていない可能性が高いことです。学校のワークを解答を見ながらいくらやっても理解ができていないから点数に結びつきません。塾で使用しているテキストも学力に合っていないかもしれないので、説明を聞いてもいまいち理解できません。結果的にある程度勉強しているのですが努力が報われないという形になっているのです。ここを改善すればこの子たちの努力もきっといい結果となって現れるはずなんです。

つまり生徒の学力に応じで使用するテキストはもちろんですが、教え方も変えていかなくては効果的な勉強をすることはできないのです。経験が少ない講師はそのバリエーションが少なく、その生徒がどこで悩んでいるのか、どんな思考をしているのかがわからないから、同じ説明を繰り返すだけになってしまい、結局生徒は理解できないままになります。私も塾を始めた頃はそうでした。ですが、いろんな考え方をする子がいること、いろんな学力の子がいること、ちょっとした部分を修正してあげることで大きく伸びる力を持っている子がいることなど、当たり前のようですが、実際に自分自身が経験していないと意外と気づかないことを何百人という生徒のみんなと関わらせていただくことによって、気づくことができました。それが私の講師としての現在のスキルに大きく役立っています。ただマンツーマン指導することが個別指導のよさではなく、こうして子どもたちの能力や個性、思考の仕方・癖、可能性などを理解してあげ、その子にとってベストだと考えられる指導をしていくことこそが、本当の意味での生徒に寄り添った個別指導だと考え、その理想に少しでも近づいてけるように、これからもさらに経験を積んでいきたいと思っています。

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いつからでもスタートできるんだ

2024-03-13 21:57:05 | 不登校
こんばんは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

大学受験、高校受験も無事に終わりました。高校受験はあとは結果待ちですが、みんな最後まで必死で頑張ってくれて、毎年のことですが感動しました。勉強となかなか向き合えなかった子も、受験前には必死で勉強してくれましたし、起きている時間をすべて勉強に使うほど死に物狂いで取り組んでくれる子もいました。目標に向けて全力で頑張っている熱気は私にも十分伝わり、私の方も彼らの気持ちに応えようと自身の体調管理を万全にして、持てる力をすべて出し切って教えていきました。10代の子たちの成長力は半端なく、20年以上この仕事をしていますが、彼らの可能性には驚かされます。

今年の受験生は10代の子だけではなく、20代半ばの子もいました。彼は中学1年生頃から不登校になり、そこからひきこもっていましたが、その生活から脱出しようと力をふりしぼり、通信制の高校に通い始めました。そんな中で、大学受験に挑戦したいという気持ちが芽生え、そして私の塾を見つけ出して連絡をくれました。それが約4年前のことでした。私自身も遠回りしてきた経験があり、働き始めたのが27歳でしたので、彼には私から伝えることができることもたくさんあるだろうし、絶対に頑張ってほしい!という気持ちが強かったです。

第一印象としては「とても真面目な子」、そして言葉遣いなどもしっかりしていて私の20歳ごろと比べれば彼の方が何倍もしっかりしているという感じでした。ただ勉強面は、中学の最初から学校に通ってないため、知識としてはほぼ小学校の段階で止まっているという状態でしたので、中学1年生の勉強から始めることにしました。彼の望みは通信制の高校を卒業するのが3年後ですので、そのときに大学受験をして合格したいというものでした。正直かなりきついと感じました。3年間で中学・高校の勉強を終わらせて、さらに大学受験のレベルまで到達しないといけないのですから。

しかし、彼の能力の高さはもちろんあったのですが、学ぶことに「飢え」を感じていたのでしょうか、勉強をとても楽しそうにしていたのが印象的でした。どんどん新しいことを吸収して、自分の知識が増えていく喜びを感じ、さらにまた新しいことを求めるという理想的な循環でした。私の方でもしっかり計画を立てて、無駄をできるだけ省き、最短距離で受験に到達できるように二人三脚で走り続けました。初めの2年間は彼は週に何回かアルバイトをしながら勉強をしていましたが(これも、数年間もひきこもっていたとは考えられないほどすごいことです)、受験1年前には勉強に集中したいとのことでアルバイトをやめ、勉強時間がグンと増えるかと思いましたが………
現実はまったく逆で、どんどん勉強のペースが落ちてきました。勉強の楽しさよりも苦しさの方が勝ってきたことと、やはり長いひきこもり生活で規則正しい生活に慣れておらず昼夜逆転し始めたことなどが主な原因で、受験の日が近づくにつれて勉強量が減ってきました。塾に来ても勉強するというよりは、話し合ったり、相談したりする時間がほとんどになりました。受験できるような状態ではありませんでしたが、経験のため共通テストと国公立の大学を1つ受験はしました。

受験が終わり、3月にはたくさん話をしました。これからどうしたいのか、本当に大学に進学したいのか、もう一度彼にもゆっくり考えさせました。もちろん私の方からも大学進学を目指すメリットやそのリスクなどもすべて私の考えを正直に伝えました。「もう一度挑戦したい」それが彼の出した結論でした。

私自身が大学受験で二浪している経験から、やはり予備校に通った方がいいのではないかと彼に提案しました。毎日予備校に通うことで生活リズムが整いますし、私とマンツーマンで勉強するより他の受験生が多くいた方が彼にとってはいい刺激になるのではないかという判断からでした。しかし彼はもう1年、ONE-Sで勉強したいです!と言ってくれましたので、私からは自宅以外で勉強する場所を見つけることを条件としました。彼にとっては自宅は完全に休憩する場所であり誘惑にあふれた場所でもありましたので、とにかく勉強するためには別の場所を探すべきだと考えて、最終的には自転車で通える範囲にあった自習室を見つけ、できるだけ毎日、たとえ30分で帰ってもいいからそこに行くことを強くすすめました。そして毎日の勉強時間をきちんと記録し、週ごと、月ごとに何時間の勉強をしたかをチェックするようにしました。勉強時間を記録することは、たくさんすれば自信になりますし、サボっていればそれが数値化され明確に出ますので反省もしやすくなります。

こうして彼の2回目の挑戦が始まりました。順風満帆というわけにはいかず、途中でスランプに陥り、数日間ほとんど勉強できない日があったり、昼夜逆転して現実逃避したり「今年もダメか…」と何度か諦めかけたときもありましたが、彼も今年が最後という覚悟があり、逃げたい気持ちよりも頑張りたい気持ちが上回ったのでしょう、なんとか無事に共通テストまでたどり着きました。共通テストはまずまずの結果で、私立受験があり、複数の大学に見事に合格し、そのままの勢いで国公立も合格することができました!すばらしい!おめでとう!

学力や学歴という点で見れば彼はこの4年間で一気にいわゆる大きな道を通ってきた子たちに追いつくことができたのです。もちろん、これからまだまだ彼には試練が待っています。学校という集団の中での生活は小学校以来ですから、人との付き合い方や距離感など悩むことがあったり、とても大きなストレスになったりすることもあるでしょう。毎朝早く起きて満員電車で通学する日々でヘトヘトになるかもしれません。でも彼ならきっと大丈夫!自分でひきこもりをやめて、自分の意志で大学を目指し、一から勉強を始め、何度もくじけそうになりながら最後までやり遂げることができたのだから。4年前とは比べものにならないほど精神的に成長しているし、なによりこれからの自分の目標がしっかり明確に見えているので、きっと頑張れる!目の前には大きな道が見えているはずだから!それでも人生というのは、思い通りにはならず、苦しいことや辛いことはあるだろうけど、そんなときは俺でよければいつでも力を貸すから連絡しておいでな!本当によく頑張ったね。おめでとう!

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