個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

チュッパチャプスに救われた

2021-10-22 18:28:52 | 教室から
こんばんは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

成績を上げるコツは勉強を習慣化することだという意見をよく耳にします。これは確かにもっともなことであって、勉強量と成績というのは、比例関係とまではいいませんが相関関係にあるのは事実だと思います。勉強することを習慣にしてしまえば、勉強することは苦痛ではなくなっていき、勉強することは極端に言えば歯を磨いたりお風呂に入ったりと同じようなものになるので、勉強していないと何か気持ちが落ち着かず自然と勉強するようになります。受験生が毎日勉強することができるのは、志望校に合格したい!というモチベーションの高さもありますが、それにより毎日勉強して勉強が習慣になることでさらに勉強時間が増えていくという流れができあがるためです。逆に言えば、勉強を習慣化できないと、勉強することが苦痛でしんどく、1時間の勉強でも集中が続かず、中身の薄い勉強になるため結果もついてこず、さらに勉強が嫌いになるという悪循環に陥るのです。この悪循環を断ち切ることが最も大切なことですので、これを解決しないまま、ただ「勉強しなさい!」と言っても勉強するはずもなく、したとしてもそれは勉強というより、シャーペンを動かすという作業しているといったものに近いかと思います。

私は以前はヘビースモーカーでした。多いときには1日に100本吸っていた時期もあり、それが原因で20代には喉の手術もしました。禁煙を何度もしようとチャレンジしましたが、何度も何度も失敗し、ようやく7年ほど前に成功しました。タバコには中毒性があり、血液中のニコチンが減少すると体がニコチンを欲してタバコを吸いたくなるようです。ですので、ニコチンのガムを食べたり、皮膚にニコチンパッチを貼ったりして、タバコを吸う以外の方法でニコチンを吸収する方法での禁煙にも挑戦しましたが効果はありませんでした。ニコチンガムを食べながらタバコを吸ってしまっていたので、逆にニコチン接種量が増えてしまっていたかもしれません。

禁煙外来にも通いました。薬とニコチンパッチをもらいました。タバコの味がまったくしなくなる薬を飲むことでタバコがおいしくなくなるので吸わなくなり、ニコチン不足をタバコではなく皮膚から直接血管に入れてイライラも抑えようという見事な方法でした。それでも私は禁煙できませんでした。味がまったくしなくなったタバコを、それまでと何ら変わりなく吸い続けてました。

禁煙に成功してみてわかったことですが、私が禁煙できなかったのはニコチン不足からくるイライラの原因はもちろんありましたが、それ以上にタバコを吸うという習慣かが根付いてしまっていたからなんです。

朝目覚めたらまず1本、食後に1本、コーヒーを飲みながら1本、お風呂上りにまた1本というように二十年以上同じ場面でタバコを吸い続けてきたことで完全に習慣化され、特に吸いたくないときでも、たとえば風邪をひいて喉が痛いときであっても、必ず決まった場面では吸うようになっていました。ニコチンが体から抜ける3日間はなんとか根性で乗り切って、その後は習慣を断ち切ろうとしました。コーヒーとタバコはいつもセットでしたので、コーヒーを飲むのをやめました。お風呂あがったらすぐに寝るようにしました。朝食を食べないようにしました。1つでも多くタバコと関連した行動をなくしていき、どうしても無理なときはチュッパチャプスを口にくわえるようにしました。少しでも気を抜けばすぐにタバコを買いに行きそうになったので、会話するとき以外はほとんどずっとチュッパチャプスをくわえていたので、消費量がやばかったです。チュッパチャプスを毎週箱買いしている一般人は珍しかったでしょうね(笑)。

タバコを吸うという習慣をなんとかチュッパチャプスをくわえるという習慣に変えていくことで、地獄のような2週間が過ぎ、1か月が過ぎ、そして1年が過ぎました。このころになると、タバコを吸いたい!という衝動に駆られることは時々はありましたが、食後にチュッパチャップスををくわえることが当たり前になってきましたので、タバコのことを考える時間がずいぶんと減ってきました。

なんだか禁煙のしかたのようなブログになってきましたが(笑)、毎日の繰り返しの行動が習慣化することの怖さと、有効性を同時に経験することができたのです。

私が大学卒業後の20代半ばでひきこもったとき、家族以外の人との関りがなくなり、会話しないで過ごす日が続きました。気が付けばそれが当たり前になってしまっていて、外出もせず、誰とも話さないことが私にとっての日常でした。ですから、ひきこもりから抜け出して、人と関わるようになったときのストレスは禁煙しているときと同じくらいのもので働ける楽しさと同時に、ものすごく疲れもしました。もちろん現在では仕事を始めて20年以上が経過していますので、毎日生徒たちや友人、家族と話すということが習慣化されていますので、だれとも話さない日なんて考えられませんし、話すことが私にとっての癒しにもなっています。

不登校やひきこもりの子たちの中にも、当時の私と同じような心境の子はいると思います。長い間家族以外と会話していない、家族ともほとんど会話していない、外出していない。期間が長ければ長いほど彼らにとってはそれらが日常になっていますので、だれかと話すことや外出することが大きな不安やストレスになります。頑張ってみよう!と外出しても、それは非日常的なものなのでストレスが大きく疲れがどっとでてしまい、しばらくまた家で動けなくなります。

学校もそうですよね。毎日学校に通っているときにはそれが当たり前になっていたのでなんともなかったものが、不登校になりしばらく学校に行かなくなると、学校に行くということが特別なものになっていますので、怖かったり、不安で押しつぶされそうになったり、あらゆる方向に気を使いすぎて疲れてしまったり。

中学校の時に半年以上不登校になった子が、高校に進学した場合、その約6割が高校を中退する結果になっているという専門家もいます。その割合が正しいかどうかはわかりませんが、これまで述べてきたことが原因の1つになっているだろうということは想像できます。毎日学校に通うこと、長時間の授業を受けること、クラスメイトと話をすることなど、それらすべてが彼らにとっては習慣になっていないもので、おそらく初めのうちはストレスがたまり続ける毎日でしょうから。

そういった意味では、私が禁煙したときみたいに「なにがなんでも成功させるんだ!」という覚悟も必要ですが、それとともにチュッパチャプスも必要なんだと思います。外出せず誰とも話さない日が当たり前ではなく、定期的に外に出て誰かと話をしたりすることを習慣化していくことが大切ではないでしょうか。それがフリースクールのような場所でもなにか習い事でもなんでもいいと思います。私の塾もチュッパチャップスなることができるように頑張っていこうと思っています。

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コメント (2)
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