個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

勉強嫌いにさせているのは ②

2021-06-09 16:54:41 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

前回の続きです。

日本の子どもの学力低下が問題になって、英語の改革や入試制度や全国学力テストの実施、授業のやり方の見直しなどされています。ですがこのテスト前の課題を与えるというのは完全にこの流れに逆行しているように感じます。学力を上げたいのなら、まずこんな成績のつけ方はは廃止するべきです。

たとえば塾で勉強するときに、すべての生徒に対して同じテキストを使いません。簡単に全部正解できるような問題集や、逆にほとんど間違ってしまう問題集を使うなんて効率が悪すぎますし、生徒たちもそんな勉強楽しくないでしょう。それぞれの学力にちょうど合った問題集を使うことで、チャレンジしようという意欲が湧いたり、理解できる喜びを得ることができるのです。

学校にそれを求めるのは難しいでしょうが、せめて何種類かレベルの異なった問題集を用意して、生徒に選ばせるようにしてあげてほしいと思います。いくら成績のためとはいえ、ほとんど理解できない問題集の解答を赤ペンで写し、何時間もかけて仕上げている生徒を何人も見てきました。赤ペンだらけで出来上がった問題集を見て、彼らは「よく頑張った!」と満足する出でしょうか?「これに何の意味があるのだろう?」という疑問しか湧いてこないでしょうし、「勉強全然わからん、おもんない」となってしまうでしょう。彼らの頑張りは確かに学校の成績には反映されるのでしょうが、学力面においてはほとんど身についていません。もし可能なら私が代わりに全部写してあげて、彼らには彼らの学力に合った問題を説明したり練習したりする時間を少しでも多く作ってあげたいといつも思います。

こんなことを中学校の3年間も続けていれば、さすがに途中で疲れてしまって「もう勉強はやらなくてもいいかな」と諦めてしまう子も出てきますし、ある程度学力が高い子にとっては「課題だから仕方なくするけれども、とにかくめんどくさいな」と勉強に対してもテストに対してネガティヴな感情を持ってしまい、もっと学力の高い子にとっては「効率わるいなあ。とっとと適当に終わらせて塾のワークでしっかり勉強しよう」と、どの学力の子に対しても決して良い効果をもたらしているとは言い難いのが現状です。

私は極端に言えば、こんなテスト前の課題なんて必要ないと思っています。なぜならば、勉強なんて能動的にやらないと効果は薄いどころが、「義務」になってしまえば「勉強嫌い」という逆効果になるからです。

学校の課題に関しては、それを欲しい子にだけ配ってあげればいいのではないでしょうか。提出する義務もなくして、どの問題集を選んで、どの範囲をするのかも全部子どもたちが決めればいいと思います。「テストでいい点数をとりたい!」「学力を上げたい!」と思う子はたくさんすればいいですし、そうじゃない子は1冊もしなくていいのでは。勉強って同じ時間やっても、気持ちが入っていなかったら頭に何も残りません。ただ「勉強がめんどくさい。自分は勉強ができない」という負の感情があふれるだけです。

「ちょっと頑張ってみようかな」「そろそろ本気でしようかな」そう思って、能動的に勉強したときに初めて効果が表れるのです。本来ならばそういった前向きな気持ちを養うはずの場所である学校が、まったく逆の感情を子どもたちに持たせる場所になってしまっています(もちろん学校があるから頑張れる子もいて、すべてが悪いと言っているわけではありません)。

「課題を出さなかったら成績がつけられない」という意見もあるでしょうが、成績はテストの結果が80~90%で、残りは授業態度やノート提出、小テストの結果くらいで評価すればいいと思います。成績をつけるために効果が薄く、勉強嫌いにさせてしまうような課題を与えるって本末転倒です。

「何も課題を与えなかったら子どもは勉強しなくなり学力は下がる」本当にそうでしょうか?私はそうは思いません。

1年前、学校が休校になったとき、多くの子どもたちは「宿題がほしい」と言ってきました。これまでそんなこと一度も言ったことがなかったり、宿題を出してもやってこなかったりした子たちが、自分から宿題を出してくれと言ってきたのです。つまり子どもたちは心のどこかで「勉強はした方がいい」と思っているんです。それなのに、わけのわからない課題を大量に与えられ「提出しろー!成績に響くぞー!」などと言われるからやる気をなくしているだけなんです。

また、受験前になると多くの子どもは「勉強しなさい」と言われなくても勉強します。「高校に合格したい」という気持ちが強くなるからです。勉強に対して前向きな気持ちにさせることが大切なんです。そういった環境づくりが必要なんだと思います。

「理解できた!」「解けるようになった!」
そんな学びの本来の喜びを感じることができる場所に学校はなってほしいですし、私の塾の目指すところもまさにここなんです。

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勉強嫌いにさせているのは ①

2021-06-06 12:12:37 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

中間テストが終わったと思ったら、もう今月末には期末テストがあります。学生は大変です。

テストを好きな子はあまりいないと思うのですが、テスト嫌いになる原因ってなんでしょうか?
小学生の低学年は勉強嫌いは比較的少なく、逆に勉強を好きな子って多いと思うのです。それはやはり、新しいものに触れて知識が増えていく喜びといいうのは人が生まれながらにして持っている本能のようなものがあるからなのでしょう。だから幼い子どもは、どんなことにも興味を持ち、好奇心の塊なんです。

それが、だんだんと勉強することが嫌いになっていくのは能動的な学びから受動的な学び、もっと言えば義務へと変化していくからだと思います。ある程度はそうなっても仕方がないでしょうが、早い段階で子どもたちに「勉強は苦しくて面白くないもの」と思い込ませてしまうのは、とてももったいないです。

小学生のときにはテストはありますが、中学生の定期テストのように範囲が広いわけでもなく、比較的易しい問題ですので、特に勉強をする必要はなく、テストそのものを嫌がる子は少ないでしょう。テストを嫌だと思うのは、「悪い点数をとってしまったら親に怒られてしまうから」というケースがほとんどです。小学生が勉強嫌いになる一番の原因は宿題でしょうね。小学生は基本的に毎日宿題があります。宿題に関しては教育に関わる人たちの間でも意見が分かれるところで、「少なくても小学生の間は学校から宿題を出すべきではない」と主張される方もいます。私は学校で習ったことを定着させたり、勉強の習慣をつけるという意味では、宿題はあった方がいいかなと思っています。ただその宿題の内容ですね。ほとんどの学校では、計算ドリルと漢字ドリルが生徒に与えられています。ノートに漢字を何度も書く宿題が毎日与えられますが、これはどうも効果的ではないと感じます。もちろん漢字を覚えるためという目的で出しているのは理解できるのですが、覚えようという気持ちがほとんどなく、ただノートに写す「作業」として宿題をしている子が多いと思います。「何回も書くのはめんどくさい。早く終わらせたい」そんな気持ちで取り組みますので、当然漢字を覚えることはできず、ただ長時間手の運動をしているだけになります。「漢字を覚えることができた」と効果が出ればやる気になるのでしょうが、その効果が得られないため、たためんどくさい作業になります。計算ドリルに関しては漢字と比べて、勉強をしている感覚が得られやすいため、効果は得られやすいですが、解答を生徒に渡している学校があり、宿題ではなくただの解答を写す練習になっているケースもあります。

とはいえ、小学生はまだマシです。中学生の場合は毎日の宿題がありません。そのかわりに、定期テスト前に各科目のワークを提出物として与えられます。これが本当にやっかいです。まず提出の範囲が発表されるのは基本的にテストの1週間前です。科目によっては20ページ以上になることもあり、これを1週間でしなければいけません。よく理解できている子なら間に合う量ですが、そうでない子にとってはこの提出物が地獄で、これによって勉強嫌いになっていると言っても過言ではありません。そして一番の問題点は、各ワークの解答をすべて生徒に渡していて、答え合わせをして提出させることなんです。それも間違えたところはすべて赤ペンで解答を書き写し、数学では途中式などもすべて書かないと減点にするという学校が多いです。

学力が高い子にとっては、とてもいい勉強になるでしょう。きちんと理解できているかの確認ができますし、理解できていないところは解答を見て、考え方や解き方を覚えることができます。しかし、半分以上の問題がわからない子もいます。その子たちはひたすら解答を赤ペンで写します。でもこれって効果があるでしょうか?半分以上の問題がわからないということは、その問題集はその子には合っていないのです。解答・解説を読んでも理解できるはずがありません。理解できる問題があったとしても、わからない問題が多すぎて仕上げるのにとても多くの時間がかかってしまい、1つ1つの問題にじっくりと取り組むことができません。結果的に解答をただ丸写しするという「作業」になっていきます。当然頭にはほとんど残らないので、その課題を終えたところで学力はほとんど上がりません。テストでもよい結果にならないため「頑張ったのにテストあかんかった」と思うようになり、自信を失うと同時に勉強嫌いになります。

どうしてこんな課題を生徒に与えるのでしょうか?それはテストの点数だけではなく、テスト以外の頑張りなども評価して成績をつけるためです。テストの点数以外で頑張っているところを評価してあげるというのは、特に小中学生においては、とても大切なことだと思います。ですが現在のやり方ってどう考えてもおかしいですよね。何の効果もないことをさせているわけですから。おそらく先生たちも、すべての生徒がこの課題をすることで学力が上がるなんて思っていないと思います。もし思っているとしたらそれは勉強を教える人間としての能力を疑います。

次回に続きます。

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