個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

効率はいいよね、確かに

2021-02-14 11:13:51 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

高校受験の場合は、受験校を決定する要素として考えられるのは、だいたい次のどれかにあてはまるのではないでしょうか。
① 偏差値・進学実績  ② 自宅から通いやすいかどうか ③ 校則  ④ クラブ活動  ⑤ 雰囲気
公立高校の場合はほぼ普通科しかありませんので、学校独自のスタイルはあったとしても基本的に学習する内容はどこでも同じですし、私立高校も最近では専門的なコース、例えば美容やIT、英語などを専門としたコースはあるにはあるのですが、まだまだ数は少ないですし、やはり専門学校ではなく高校ですので、普通の授業はもちろんありますからそこまで時間をかけて専門的な勉強ができるわけではありません。

私の場合は①と⑤でした。とにかく荒れていない高校に通いたい!という気持ちが強かったので、偏差値が高ければ安心だろうという安易な選択でしたが、思っていた以上に高校は過ごしやすく、今でも学生生活の中では高校が一番楽しかったです。何か将来の夢や目標を持って高校に進学したわけではありませんので、困ったのは理系か文系かどちらに進むのかという選択を迫られたときです。私の時代は2年生の中頃にその決定をしなければなりませんでした。その先にある職業のイメージがわかないですし、そもそもどんな職業があるのかという知識もない中での選択でしたので、「なんとなく、理系の方が友だちも多いし」という理由で理系に進みました。

その流れで大学も理系の学部を選びましたが、いざ大学に通ってみると大学での勉強が私にはまったく興味を持てず(まあ、理解できなかっただけなんでしょうが)、大学卒業後この分野で働く自信もなければ魅力も感じませんでした。結局4回生になったときには、完全に理系としての就職はやめようと決意し、しかしそうしたところで他にしたいこともなく、「なんとなく」公務員になろうかなという軽い気持ちで公務員試験の勉強を始めました。誤解されないように言っておきますが、公務員の仕事を簡単なものと考えていたわけではなく、市役所などに行く機会があったり、身内に公務員がいましたので仕事のイメージが他の職業と比べてしやすかったという理由で公務員受験を決意しました。特に面白いと思えるような勉強ではありませんでしたが、大学で勉強している分野よりは頭に入りやすかったのでいくつか受験した公務員の試験では、筆記試験をクリアすることはできました。しかし面接で全滅しました。

不合格になった理由は以前のブログでも書いていますので省略しますが、面接官に必ず聞かれた質問があります。それは「君は理系の学部なのに、どうして事務職を志望するのか?」というものでした。本音で答えるとすると「そんなもん、ほっといてくれよ!もう数学や物理の勉強ばかりしたくないんだよ。才能もなければ興味もないし。研究職より事務職の方が向いていると思ったからだよ」といった感じでしょうか。もちろんそんな返事ができるはずもなく、なにかいい返答がないかあれこれ考えましたが何も思いつかず、毎回適当なことを言ってしまって、面接官の印象を悪くしたような気がします。今から考えてみれば面接官からすると当然の疑問で私に質問してきただけなのでしょうが、当時は「理系なのにどうしてこっち側に来るんだ?」と責められているような気がして、それをかわすための回答をあれこれ考えてしまっていましたが、もっと素直に答えればよかったのではと今になって思います。

ただやはり、文系か理系かを選択するときには、将来の職業のイメージを持って選ぶ重要性は実感しました。最近では、中学生3年生頃に理系か文系かを選択して、高校1年生からは完全に分けて授業を行う学校も増えてきています。公立高校でも、2年生からはわかれる学校が多いです。確かに大学受験というものを第一に考えた場合、早い段階でその選択をしていれば勉強する教科をしぼることができますし、効率の良い勉強はできるかと思います。ただそれはあくまで「大学合格」という観点からであって、「就職・仕事」とは別物だと考えます。

早い段階でどちらかを選ばせることは、大学受験で有利になり、その子の将来の可能性を広げるものという考え方は理解できますが、私はどちらかと言えば可能性を狭くしているように感じます。というのも文系に進んだ時点で、いくつかの職業の選択肢はほぼ消滅するからです。たとえば医者やエンジニアなど。逆も同じです。「仕事」というものを意識していない状況で文系か理系かを選択したときに、将来の仕事の分野は大雑把に言えば、半分に減ってしまうのです。ですから「仕事」を自由に選んでいるように見えて、実はそうではなく、半分の職業の中から選んでいるのに過ぎないのです。文系に進んだ時点で頭の中から理系の職業を捨ててしまっているのです。これはかなりもったいないことだと思います。もちろん早い段階から将来の夢が決まっている子はそれでいいかもしれませんが、そうでない子にとっては人生の選択肢が知らない間に狭められてしまっているのです。

「大学合格」も大切ですが、人生は「その後」の方が長いのです。「大学合格」を優先するあまり、子どもの可能性を減らしてしまってはなんのための教育なのかわかりません。仕事にやりがいを感じられなかったり、転職する人が多いのはそういうところも大いに関係していると思います。最近になってようやく、高校入学してすぐにいろんな職種の方が学校に来てくれ、その仕事内容を紹介してくれたり、質問に答えてくれたり、そういう機会が増えてきています。これはとても良い傾向です。やはり自分の進路を決めるの当たって必要なものは、「どんな職業があるのか。そして具体的にどういった仕事の内容なのか。どんなスキルが必要になるのか」こういったことをまず知ることです。大学受験用の勉強をする前に、まずその先にある「仕事」のイメージを持ってもらうことが大切です。そのイメージを持つことができれば、自然と勉強のモチベーションも高まりますし、自信を持って進んでいけるはずです。

私立高校の受験が終わり、見事全員合格しました。みんな、おめでとう!
併願の子はまだ公立受験が残っているけれども、君たちならきっと大丈夫!あと1ヶ月間、一緒に頑張っていこうな。
そして君たちが自分の進みたい道、目標や夢が見つかることを心から願っているよ。

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