今日は雨、ちょっと辛く
天が落ちて来るぞ・・どうしよう~どうしよう・・・
その昔、中国のある国でそういう心配をしていたらしい。国の名は「杞」、あり得ないことに取り越し苦労をして悩むことを「杞憂」というらしい。
話変わって原子力というのはほんとにおもしろい分野だと思う。知ったかを書きたい。
利用ということで普通に使われているのはウラン。
ウランには複数の兄弟がいて、すべて放射性物質となる。いえば非常に不安定な元素(核種)。これを悪は兵器、善は主に発電に利用する。
地球上に天然に存在するウラン兄弟は主としてウラン238と同235、235がよりキカンボウ。
天然ウランに含まれる235はおよそ0.7%程度で残りはほとんどが238らしい。ウランファミリーは“92”という固有番号を持っており、これは原子核中の陽子数を表す。
中性子を含めた全体数を示すのが238や235、つまり92との引き算が中性子数にあたる。
この92が一族の、238のような数字が兄弟の個性を表すことになる。
豊富な方の238は、放射性といいながらゆっくり崩壊して別の元素に変わっていく。
このときにエネルギーを放出するが、利用するほどにはない。・・パチ・・・パチッ・・という比喩くらいかな、大海をろうそくで沸かすような・・
ただ、黒鉛炉という型式の炉(チェルノブイリ)では天然ウランを利用できるらしい・・
235は過激、しかし、存在比が小さいので238がむしろブレーキとして機能する(らしい)。
そこで報道でよく出てくる「濃縮」、235の濃度を上げる。低濃縮したものが原子力燃料、高濃縮したものは兵器に使用可能だ。濃縮カスが劣化ウラン。
ウランファミリーのそれぞれの所属員も自らのファミリーとして存在する。
235一族という集落の中に多数の家庭があるという感覚かな? ウラン兄弟はすべて不安定と言ったものの、何とか家庭を維持している。
そこに中性子というよそ者が入り込むとにわかに安定を失い家庭は分裂し、ウラン兄弟と袂を分かつ。
これが核分裂という現象で、その際ウランではない原子核と熱エネルギー、あぶれた中性子を放出する。
あぶれ中性子はさらに別の家庭を崩壊・分裂させる。これが連鎖反応というもので、この状態が継続することを臨界という。
ウラン燃料全量の臨界を瞬間的に起こさせるのがウラン爆弾(原爆)、じわ~とやるのが原子炉。
ところで235を核分裂させていると、飛び出した中性子が238に吸収されてプルトニウム(プルト君)という別の原子核に生まれ変わるものが出てくる。
これを効率的にできるようにするのが高速増殖炉、廃炉作業中のもんじゅ。核反応の冷却材として爆発性の金属ナトリウムの熱溶解液を使用する。
液体ナトリウムは電源喪失すると循環されなくなり固化して冷却機能を失う。
プルト君は完全に人口元素と言われてたんだけど、天然にもごくわずかに存在することが分かってきたらしい。
235を人の自由にするのはむずいそうだけど、プルト君はさらにむずいらしい。
高速増殖炉は有限である燃料を消費しながら消費した以上に燃料(プルト君)を生成する。
使用済み燃料を再処理・再使用する仕組みとしてそのサイクルの中に高速増殖炉を組み込むと高効率であり、その一環で研究開発中だった。
だから発電実績はいくらかあるだろうけど、商用としての実績はゼロである。
運転がむず過ぎて撤退(廃炉)となった。
では、増殖炉があって再処理工場があれば、無限ループ的に燃料は供給できるのか?
答えは× 再処理可能回数は技術革新により増やせるかもしれないが、効率性を考えると限界が出てくる。再使用不能使用済み燃料の発生である。
発電効率的には使い切ったとなるんだろうけど、まだまだ強い放射性を持っている。
これをどうするのか? この答が出せないところが原子力の最終的なネックである。
そろそろまとめられるかな?
(地震・津波で暴走してしまったけれど・・)原子力発電のメリット
石油や石炭に比較すればはるかに少ない量で運転することができ、二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーである。産油国等の国際政治情勢に影響されることも少ない。
など・・ということかな。
でも安全が・・ 大丈夫、安全じゃないことが起きないようにしっかり管理するんだし、なんだったらプルト君なんて飲んでも平気!
そんな風にことさらメリットだけが強調されて運転基数を増やしてきた。
原発は猛毒カプセルを埋め込んだ栄養いっぱい美味な饅頭、カプセルが破れない限りおいしいことしかない。
設置自治体も毒が入っていて死ぬかもという危険を知っていても設置を飲んだ。
自治体は責められないだろう。危険を冒してもそれを食べなければ自然死してしまうとの判断だったろうから・・苦渋の決断だね・・・ 原発はうまい・・動かせなくて干からびそうになったと悲鳴があがったのを報道で見たことがある。
確かに薬の面はある。
では、運転していかざるを得ない? 全発電量へのシェアも高まっているし、代替もない。
電気絶対いるよね~
そうだよね。電気を人質に取られると、認めざるを得ない気分になる。福島も直ちに対策が動いて大丈夫だった!ってことだったら私も許容派だ。
しかし、そうじゃなかった。炉本体自体は非常に強い、心配なのは配管部分。そういわれる。見た目でそうだと思う。現実は本体さえも逝ってしまった・・
“津波、そんなにでかいの?” “来るかどうかわからんものにそんなに金かけられんな、予想津波規模少しまからんかね!” そんなやりとりもあったとかどうとか・・
天は落ちてくる。馬鹿者の妄想でもなんでもないみたいね。
システムとして安全でも、人為的ミスにより事故は発生するらしい。反応時間はピコ秒単位。ピコは10-12(10のマイナス12乗)つまり小数点以下に0を11個書いてやっと1が書ける時間。
原発の一時電源喪失があったと騒ぐのよくわかる。
こんな微妙なものを地震の巣日本に設置するって無理中の無理。・・だよね。
(気象庁HPより)
核分裂は始まってしまったら容易に止められない。一方、核融合は継続させることが難しい技術で災害などの場合、勝手に停止してしまうそう。
技術、問題点等よくわからんけど、そういう研究を伸ばしてもらいたいね。
私なんぞ、とんだ外野さんなんで将来につなげていく行動なんて思いつかない。電気の無駄遣いしない、古い電化製品を使い続けない・・くらいが精いっぱいかな・・・
コロナが危なすぎて、3.11の慰霊行事さえ吹っ飛ばしてしまったけれど、エネルギーという巨大な問題はまだまだなんだよな~
天が落ちてくる、つまり明日にも巨大地震などが来るかもしれん・・と煽り続けられる中で・・・
時事放題さんHPより