お寺ふぁん・続々

写真撮ってきたから見て〜♪ 程度の記事書いてます!

太陰暦 太陽暦 大経師昔暦(2) おさん茂兵衛

2020-03-19 | 日記

 (1)の続きから・・

 改暦にかかわる事件。色恋沙汰?

 

 メイドカフェならぬ冥土の使者(ごめんなさい😅)、石川さゆりが歌ってました“夢の浮橋”。

 ほんとこの人は情念を歌わせたらすごいですね~ と置いといて・・

 登場するおさんは大経師の妻(19歳)、相手は手代で密夫茂兵衛。

 下女おたまの肝煎(よくわかりませんがそう記録されています)で男女の仲となり発覚を恐れ逃亡、捕われの身となり不義密通の罪で市中引き回しの上磔、同じくおたまも獄門。

 

 なんでくっついたの・・?

 この辺の事情は、後の世に脚色されていて諸説ありわからない(何分にもお世話好きです(^▽^)、お芝居では世話物に分類されます。ちょい意味違うけど・・)。

 もちろん記録もない。あるのは3人が処刑されたという事実。

 極刑であるが、法の上では妥当らしい。不義密通は身体刑を伴う重罪なのだ。

 しかし、運用上この罪は本夫にゆだねられるところがあり、お上は介入しないのが普通らしい。

 さらには“町人風情なぞワンコ、ニャンコに変わらない、よそのワン、ニャンにちょっかいかけたとしてもお上は知らん。ちゃんとしつけろ。“ 的な扱いらしい。

 ・・関西人らしく言えば ”知らんけど〜・・“

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 ところで獄門とは? 公開で首を刎ね、台の上にその首を晒される刑である。獄舎の門前に晒したのが名の由来らしい。

 生きて晒され(市中引き回し)、死しても晒され、胴は試し斬り用として武家に引き渡される。弔い、埋葬は認められない。みせしめとは言え・・

 そして磔は、さらに数段凄惨な刑である。むごい・・いくら罪人と言えど人として許されるのか・・という・・実に禍々しい・・

 

 現代で言えば記者会見一発で済ませるようなこと、あくまで民事、切りつけたとかがなければ公が介入してくることはない。

 それをなぜ、そんなむごい刑に・・・  「大経師」ということが関わっているらしいような・・

 大経師は、表具師といった職業、客先は御所。そんなんで江戸城将軍様関係も出入りする。

 それが暦の版元、販売権をも独占的に持っていた。これだけで、ただの町人ではなくみなし公務員のような家格だろう。

 ただ独占的とは言え、実際上当時地方暦等も通用しており様式も若干異なっていた模様。

 

 そんな中、京都所司代の、“(暦の体裁)揃えられんのか?”との問いかけを大経師は “一手に引き受けろ!” と“都合よく”聞き違いして版権、販売を本当に独占しようとする動きに出た。

 江戸表にも働きかける。これが所司代の勘気を誘った。そこに密通事件。結果としてルール破りの不届き千万、加えて数々の不行跡、これにより改易となった。

 不行跡には密通が含まれる(むしろメイン)ことは明らかだろう。

 するとこの結果を得るために重き罪状を問い、世に広く伝わるような苛烈な刑罰を加える必要がある。

 もう一つ言えば、裏にはそうなることを望み、進める者があっただろうという推測がある。

 そういう背景を思い浮かべてこの曲を聴くと、実に切なくもそらおそろしい。

 

 

 

 

 この事件は単なる色恋沙汰ではなく、現代の法学論集に取り上げられるような時代を描写した大きな事件だった。

 陰陽の世界までも映しこむ太陰暦というのは怖い暦なのかも・・太陽暦でよかった・・ 

 

コメント
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