大和村を往く 拾六よりつづく。
県道79号線沿いの他の集落と同様、名音(なおん)集落も、入り江の漁港である。
人家はすべて県道の山側。名音郵便局があり、ATM設備も整っている。
集落の入り組んだ道を歩いていくと、雑貨屋があり、菓子パンとパックの牛乳を買った。
海側には小さな公園があり、集落に住む人々の憩いの場になっている。
公園でおやつを食べ、また走り出す。
集落を出てすぐに、[九州電力名音発電所]の小さな案内板を見つける。
農道を、500mも走っただろうか。短く緩い上り坂の上に小さな発電所の建物が見えて、そこが終点。
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バイクを停めて見上げると、崖と呼んでもよさそうな急斜面に太いパイプラインが伸びている。
パイプラインに沿って、長いながい階段。
角度は50°くらいあるだろうか。高さは…、想像もつかない。
とにかく、登ってみることにした。
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手すりを掴んで、一歩また一歩、身体を引きずり上げるようにして登る。
3分もしないうちに膝ががくがくしはじめる。
5分ほどで最初の休憩。
三度ほど休憩する頃には、登りはじめたことを後悔している。
「なんとかとカラスは高いところが好き」というが、自分は間違いなくカラスではない。
1分登っては1分以上休み、どれくらい登りつづけたか判らない頃になって、ようやく階段の最上部に辿り着いた。
見下ろすと、小さな建物がさらに小さく見える。
北風が強く吹く日であったが、全身汗まみれになった。
ライディングジャケットを脱ぎ、手に持つ気力もないので階段の上の通路に置き、老人のような足取りでさらに進むことにした。
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よろよろと歩いて行くと、小道はパイプラインに水を送り込む設備へとつながっている。
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余った水は、すぐ脇から放水されている。
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昨秋、下の川(名音川)の対岸で目にした滝の一つが、この放水された水だったのか。
力を使い果たした両足の筋肉を労わりつつ、それでも登りよりも遥かに早く階段を下った。
「もう二度と登らんぞ」と固く心に誓いつつ。
県道79号線沿いの他の集落と同様、名音(なおん)集落も、入り江の漁港である。
人家はすべて県道の山側。名音郵便局があり、ATM設備も整っている。
集落の入り組んだ道を歩いていくと、雑貨屋があり、菓子パンとパックの牛乳を買った。
海側には小さな公園があり、集落に住む人々の憩いの場になっている。
公園でおやつを食べ、また走り出す。
集落を出てすぐに、[九州電力名音発電所]の小さな案内板を見つける。
農道を、500mも走っただろうか。短く緩い上り坂の上に小さな発電所の建物が見えて、そこが終点。
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バイクを停めて見上げると、崖と呼んでもよさそうな急斜面に太いパイプラインが伸びている。
パイプラインに沿って、長いながい階段。
角度は50°くらいあるだろうか。高さは…、想像もつかない。
とにかく、登ってみることにした。
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手すりを掴んで、一歩また一歩、身体を引きずり上げるようにして登る。
3分もしないうちに膝ががくがくしはじめる。
5分ほどで最初の休憩。
三度ほど休憩する頃には、登りはじめたことを後悔している。
「なんとかとカラスは高いところが好き」というが、自分は間違いなくカラスではない。
1分登っては1分以上休み、どれくらい登りつづけたか判らない頃になって、ようやく階段の最上部に辿り着いた。
見下ろすと、小さな建物がさらに小さく見える。
北風が強く吹く日であったが、全身汗まみれになった。
ライディングジャケットを脱ぎ、手に持つ気力もないので階段の上の通路に置き、老人のような足取りでさらに進むことにした。
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よろよろと歩いて行くと、小道はパイプラインに水を送り込む設備へとつながっている。
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余った水は、すぐ脇から放水されている。
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昨秋、下の川(名音川)の対岸で目にした滝の一つが、この放水された水だったのか。
力を使い果たした両足の筋肉を労わりつつ、それでも登りよりも遥かに早く階段を下った。
「もう二度と登らんぞ」と固く心に誓いつつ。
つづく