人生をひらく東洋思想からの伝言

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第112回『蟹穴主義』(渋沢栄一・論語)

2023年11月13日 | 日記

【人生を開く東洋思想からの伝言】

第112回

『蟹穴主義(かにあなしゅぎ)』(渋沢栄一・論語)


渋沢栄一氏は、江戸時代の末期に生まれ、

明治時代に
近代国家を建設するうえで活躍し、

「日本の資本主義の父」
と呼ばれており、大きな働きをされました。


生涯においても、500社あまりの会社を設立し、

資本主義の
発展に寄与し、日本経済の礎を築きました。


その渋沢栄一氏は、幼少期に四書五経を修め、

特にその中でも
孔子の「論語」を誰よりも深く学び、実践し続け、

人生の柱におかれたと
言われています。


*四書とは『論語・大学・中庸・孟子』、
   五経とは『易経・書経・詩経・礼記・
春秋』となります。


今回は、渋沢栄一氏が書かれた『論語と算盤』の中から抜粋した言葉で、

「蟹穴主義」という言葉をご紹介致します。


渋沢氏は、文中でこう語っています。


「私は、蟹は甲羅に似せて穴を掘るという主義で、

渋沢の分を守るということを
心掛けておる。」


いわゆる、自分のできることを知り、分をわきまえるということです。

これは、「小さくまとまれ」という意味ではなく、

自分自身の能力や強みを
発揮し、自分らしいスタイルでやっていくという意味かと思います


蟹は、甲羅の形に合わせて穴を掘ります。

大きい蟹の穴は大きく、小さい蟹の穴
は小さい。

その形も甲羅をかたどります。


まずは、自分自身の事をしっかり知ることが何よりも大切だということです。

それには、まずは目の前のことをしっかり誠実にやっていくことからなのかもしれません。

しっかり、この言葉の本質を理解し、

自分が出来ることを見つめなおしたいと思
います。


参考資料
『論語と算盤』渋沢栄一著 国書刊行会
『渋沢栄一と論語と算盤』齋藤孝著 フォレスト出版

 

 

11月11日、渋沢栄一氏の命日、谷中霊園


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