【人生を開く東洋思想からの伝言】
第112回
『蟹穴主義(かにあなしゅぎ)』(渋沢栄一・論語)
渋沢栄一氏は、江戸時代の末期に生まれ、
明治時代に近代国家を建設するうえで活躍し、
「日本の資本主義の父」と呼ばれており、大きな働きをされました。
生涯においても、500社あまりの会社を設立し、
資本主義の発展に寄与し、日本経済の礎を築きました。
その渋沢栄一氏は、幼少期に四書五経を修め、
特にその中でも孔子の「論語」を誰よりも深く学び、実践し続け、
人生の柱におか
*四書とは『論語・大学・中庸・孟子』、
五経とは『易経・書経・
今回は、渋沢栄一氏が書かれた『論語と算盤』の中から抜粋した言葉で、
「蟹穴主義」という言葉をご紹介致します。
渋沢氏は、文中でこう語っています。
「私は、蟹は甲羅に似せて穴を掘るという主義で、
渋沢の分を守る
いわゆる、自分のできることを知り、分をわきまえるということで
これは、「小さくまとまれ」という意味ではなく、
自分自身の能力
蟹は、甲羅の形に合わせて穴を掘ります。
大きい蟹の穴は大きく、
その形も甲羅をかたどります。
まずは、自分自身の事をしっかり知ることが何よりも大切だという
それには、まずは目の前のことをしっかり誠実にやっていくことか
しっかり、この言葉の本質を理解し、
自分が出来ることを見つめな
参考資料
『論語と算盤』渋沢栄一著 国書刊行会
『渋沢栄一と論語と算盤』齋藤孝著 フォレスト出版
11月11日、渋沢栄一氏の命日、谷中霊園