岩佐和裁のブログ、裁縫記:IWASA WASAI's blog, SAIHOUKI

岩佐和裁で販売している和服や和裁用具を紹介しています。

小紋の柄裁ち

2005年01月04日 17時59分16秒 | 未分類
着物の柄には振袖、訪問着などの絵羽模様と小紋柄などがあり絵羽物の場合は柄を合わせ(大抵は後幅8寸、前幅6寸5分か後幅7寸8分、前幅6寸3分で柄が合います)小紋は柄の裁ち合わせをします。小紋は絵羽物の様な柄合せがないのでどう裁断しても着物にはなるのですが、見た目におかしくない様にする為、いくつかの裁断の基本があります。まず後身頃の肩、前身頃の抱きには立った柄が(柄の上下の事で、柄の上下が普通である時が立った柄、上下が逆の柄をねた柄といいます)来る様にして、それが出来ない時は上前前身頃の抱き、下前後身頃の肩の柄が立つ様にし、それも無理な時は上前、下前どちらかの後身頃の肩の柄が立つ様にして上前前身頃の抱きに柄がないか、ねた柄を出しそれを補う様に上前抱き付近の共衿もしくは上前前袖に立った柄を出すといった様に柄の配置をします。そして上前おくみの裾から1尺5寸のあたりに立った柄を配置して(正座をした時に目立つところなので)後は柄が互い違いになる様に裁断します。(たいがいは脇の柄が互い違いになる様に身頃の山を決め袖山も身頃の山と同じにして,追い裁ちにすればうまくいきます)ですので染められて、もしくは織られている柄の繰り返しパターンの間隔が短ければ、裁ち易いのですが長いと袖、身頃、衿おくみの間に残布が沢山出てしまう為用尺が足りなくなる事が多く上前の前、下前の後を優先して、脇や袖の柄を犠牲にします。一番悩むのが現代風な柄の浴衣地で柄付けの間隔が長く、しかも一つ一つの柄が大きいのでおくみや衿の様に半幅に裁断したところの柄が半端に切れてしまう事が多く(実際はおくみは衿より5分広く裁ちます)結構悩んで裁断しても何にも考えずに反物の端から袖、袖、身頃、身頃、衿おくみと裁断したのと、仕立て上がるとどちらもたいした違いがない感じがして、といって何も考えずに裁断する事も出来ず胃が痛くなります。


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着物の洗濯

2005年01月04日 11時38分49秒 | 未分類
先日クリーニング屋さんから小紋の袷の着物の綻び直しを預かりました。着物を洗う方法は主にほどかずそのまま洗う生洗いと、全てほどいてから洗う、洗い張りの二種類が有りますが、クリーニング屋さんも京洗いと言う名前で着物のクリーニングをしておりアイロン仕上げまではできるが裾の擦り切れたところを縫い込んだり丈かぶりは直せないのでお願いしますと言われ4000円でお直し致しました。着物の汚れで油性のものは石油系の溶剤、水溶性のものは水と洗剤で洗うようですが、着物の生地によっては水や熱でかなり縮んでしまう物があり、私は仕立て上げた後に出来るだけ縮まないように、縫う前の地のし段階で蒸気アイロン(業務用の)をかけます。ものによっては152cmの間で4cmも詰まります。単純な丈だけ、幅だけのかぶりなら直せますが丈幅共に詰まってしまった場合は洗い張りをしてもう一度縫い直さないと直りません。
しかしドライクリーニングも超臨界状態の二酸化炭素を使い汚れを落とす新技術が開発研究されているそうで私は着物の丸洗いに使えるのではないかと思っています。以下はそれに関する記事です。

CO2で洗濯 ドライクリーニング新技術(10/12)
産官学で共同開発 環境汚さず人にも無害
 環境と人体にやさしいドライクリーニングの新技術を、仙台市のクリーニング会社と東北大学などが共同で開発。平成18年の商用化に向けて、機械の量産や普及を目指している。二酸化炭素(CO2)の超臨界流体を利用したこの方法、人体や環境への負荷が軽いのみならず、従来の石油系溶剤と同等以上の洗浄力を発揮するとあって、世界的な需要が見込めそうだ。
 共同研究は、東北大学超臨界溶媒工学研究センターの新井邦夫教授の呼びかけに、仙台市太白区のクリーニング業「オートランドリータカノ」(高野十<みつる>社長)と、産業技術総合研究所東北センター(仙台市宮城野区)の超臨界流体研究センターが応じて5年前から進めてきた。
 新方式では、液体と気体の性質を併せ持つ超臨界流体に着目。洗濯槽内でCO2超臨界流体を高速循環させて、衣類の汚れを溶かし出す。原料となるCO2は初めに産業副産物を仕入れ、繰り返し利用するため環境負荷はほとんどない。洗濯槽内で衣類が動かず、繊維の傷みも少ないという。
 実験では石油系溶剤に劣らない洗浄力を確認。また化学物質過敏症やアトピー性皮膚炎にも優しいという。モニタリングテストでは、新品の衣服にさえ反応した化学物質過敏症の患者が「まったく臭わない」と評価した。
 課題は、実験機で約7000万円かかった製造コストの圧縮だ。タカノのCO2開発部主任研究員、加藤義徳さんによると、従来型機は「大型で1500万-2000万円」。CO2超臨界流体の効果や、機械の平均耐用年数が従来の約4倍あることから、「3000万円以下なら需要がある」と見込んでいる。クリーニング店は個人経営が多い現状から、機械のレンタル化も検討している。
 すでに国内の特許を取得し、環境税の減免措置がある米国やドイツでも出願中。量産体制を築き、2年後には販売したい考えだ。

【超臨界流体】
 物質を高温・高圧にした時に流体となる状態。液体のように他の成分を溶かし出し(溶解性)、気体のように小さな隙間にまで広がる(拡散性)2つの特徴を併せ持つ。水や二酸化炭素(CO2)の超臨界流体は人体や環境に優しく、食品や医薬品分野で有機溶媒の代替として注目されている。特にCO2は摂氏31度、73気圧と、他の物質より低温で超臨界状態となり、利用しやすい。
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