「夢の交差点」
梅雨が
幾度明けても
日本には
明けぬものがある
今年も
人はついに
帰ってこなかった
飯を喰らい
今日の生をつなぐ私に
帰ってくるのは
彼等の喰い残した
夢ではないか
交差点の手前
暖められたアスファルトの上
風がそよぐと
かげろうが揺れ
人よりも多く
夢が立つのだ
そして信号の瞳は
青
永遠に見ず知らずの
私たちは
儀式のように
渉りはじめ
静かに
まぶしく
銀色に
すれ違ってゆく
梅雨が
幾度明けても
日本には
明けぬものがある
今年も
人はついに
帰ってこなかった
飯を喰らい
今日の生をつなぐ私に
帰ってくるのは
彼等の喰い残した
夢ではないか
交差点の手前
暖められたアスファルトの上
風がそよぐと
かげろうが揺れ
人よりも多く
夢が立つのだ
そして信号の瞳は
青
永遠に見ず知らずの
私たちは
儀式のように
渉りはじめ
静かに
まぶしく
銀色に
すれ違ってゆく