尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「悲しみの海」

2011年04月29日 10時06分23秒 | 新詩集


 「悲しみの海」


神話でしかあり得ない
悲しみの海に
人のことばが不可能ならば

波と波の間に
見え隠れする天使を捕らえ
激しい相撲をとるのだ

しかし
決して勝たぬこと
わたしは
ヤコブでないのだから

倒れながら
無辜(むこ)の白い足首に食らいつき
決して離さぬこと

あなたが
人ではない声で
泣きだすまで

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詩「神々の署名」

2011年04月22日 21時35分57秒 | 新詩集
われら共にありて
見出すところの美は
ことごとく神々の指紋であった

われら共に歩みて
巡りあうところの悦びは
ことごとく神々の口づけであった

われら共に織りなしてきた道を顧みて
約束された運命であったと知るとき
それは今
つづれ織りに
神々の名の
署名がなされたのである

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写真「さくら」

2011年04月15日 22時33分14秒 | 尾崎まことの「写真館」

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写真「かえる君」

2011年04月11日 08時42分12秒 | 尾崎まことの「写真館」

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詩「ダチョウの首」

2011年04月04日 23時52分36秒 | 新詩集
それでも不器用に祈ることはあるのだ
声にはならないが
たぶんそれは
首をダチョウにして吐く
白い固形の悲鳴のようなものである

もしその様を
誰かによって目撃されたとすると
露出した性器よりも
何千倍も恥ずかしく感じ
そのために僕は即死すると思う

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詩「夜」

2011年04月02日 20時05分20秒 | 新詩集
日暮れ時
車も電車も旅客機も点灯し
まるで生きもののように
夜が来るぞ!
夜が来るぞ!!
わたしの傍を
いそいそ帰ってゆく

帰ることだけが運命だと

それでも鳥を連れて
風はこんなにわたしを通ってゆく
川はわたしに流れ込んでいる
陽はわたしに落ちてきた
地では人のかわりに虫が鳴く

わたしはこうして
一人の夜である
星を体に貼り付け
猫を屋根に乗せ

朝にされるまで

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詩「バス停」

2011年04月01日 23時21分13秒 | 詩の習作
人の代わりに
さようならがさようならして
待っているが待っている

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