尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「抒情」

2011年02月24日 23時49分51秒 | 詩の習作
「抒情」


ことばたちが
体から逃げていく
群れをなし
森から飛び立つ蝶のように
ことばたちが
人間から逃げていく

行方知らずの魂を
探すふりをして

お前たちこそ
人間の重い運命なのに
すべてが幻と
軽やかに歌いながら

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写真「慶沢園」

2011年02月24日 23時39分11秒 | 尾崎まことの「写真館」

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詩「ジャイアント」

2011年02月24日 00時28分17秒 | 詩の習作
見えているのはなだらかな
きみの背中であって
きみに流れているはずの小川を
一度も見たことはない

きみと一緒に暮らしている
水浴びをする小鳥たちも
僕は永遠に見ることはないだろう
きみの中のたくさんの花も蝶も太陽も
きみの昔も
秘密のノートも
何一つ見ることはできないのだ

だとしたら神でもない僕は
きみの領土のどの方角から
やって来ることができるのだろうか?

小鳥や太陽が僕だというわけではない
奇妙な形の雲が僕だというわけではない
しかし蒼い壁の向こうから
小心の巨人の
呼びかける声がするだろう
そして空が割れ

きみが振り返る


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写真「冬の花」

2011年02月24日 00時17分55秒 | 尾崎まことの「写真館」

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フォトポエム「見ているのではない、思いだしているのだ」

2011年02月23日 00時35分11秒 | フォトポエム
恋人たちにおいては
もはや
見ているのではない
思いだしているのだ

優しい愛においては
木漏れ日を揺らしている
そよ風のように
思いだしている

激しい愛においては
家をも持ち上げる
嵐のように
思いだしている

あなたを

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詩「わたしって、誰?」

2011年02月22日 21時23分35秒 | 詩の習作
「わたしって、誰?」


そこにいるのは、誰?
ひょっとしたら、わたし

そこにいる
わたしって、誰?

わたしは
夕闇に
しゃがみこむ
帽子をかぶった
記憶

わたしは
赤いポストの傍に
置き去りにされた
子供のかなしみ

その元気な鼻唄
土に釘で書いた落書き

わたしは
いつまでも
そこにいる
あなた

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写真「梅」

2011年02月22日 21時20分14秒 | 詩の習作

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詩「白い弟」

2011年02月22日 00時13分43秒 | 詩の習作
世間ではわたしのことを
ひとりっこだと思っている
確かに戸籍でもそうなっている

ほんとは弟がいる

生まれてこのかた
詩を書いたり
写真をとったり
お菓子のような
女を抱いたこともないが
数ばかり数えている

わたしの嘘と見栄を数えている
そのせいなのだろうか
いつも死にたがっている

わたしが死なないと
彼は死ねないので
わたしはきっと最後まで生きる

嘘をつきながら
見栄をはりながら
お菓子をぼりぼり食べながら

わたしには
白い弟がいる

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写真「天満宮の梅」

2011年02月21日 23時57分31秒 | 詩の習作

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写真「白梅Ⅱ」

2011年02月21日 00時33分58秒 | 尾崎まことの「写真館」

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写真「白梅」

2011年02月21日 00時30分17秒 | 尾崎まことの「写真館」

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詩「ことばではない」

2011年02月19日 23時44分36秒 | 詩の習作
きみに語る
わたしを語る
決してことばにならない
わたしを語る

きみは膨らみはじめ
フーッとひとつ
息をもらした

きみを見つめる
ことばではあり得ない
そこにある
きみを見つめる

そこにしかない
きみはコクリと
唾をのみこんだ

きみを触る
決してことばではない
きみを触る

あとは潮騒
ことばではない
あなたを聞いた

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詩「奇蹟」

2011年02月18日 21時29分17秒 | 詩の習作
「奇蹟」

絶望の深さが
愛の高さに変換されるとき

小鳥のさえずりが
人間の夜を明かすとき

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詩「文法」

2011年02月18日 00時54分45秒 | 詩の習作
たとえば
わたし、とか
主語は孤独の単位である

たとえば
あなたを、とか
目的語は孤独を計る尺度である

たとえば
抱く、とか
動詞は真空の距離を超えていく勇気である

わたしは、あなたを、抱く

つまり叙述は
ひとつの星をめぐる
惑星の軌跡である


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写真「屋根」

2011年02月18日 00時43分31秒 | 詩の習作

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