歌うように語ろう

観劇や観戦(主にフィギュアスケート)等について語るブログです
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番外編:フィギュア関連書籍あれこれ

2011年12月19日 | フィギュアスケート

各要素別の記事を書こうとしつつ、同時進行でちょうど届いたランビエールさんの著作「ステファン・ランビエール」で大変興味深い一節がありましたので、そこを交えて明日あたりスピン編を改めて書きたいと思います。

その前に、数あるフィギュアスケート関連の書籍を、どこまで読もうか迷われた方も多いと思います。私なりに(むろん何から何まで全部読んでいるわけではありませんが)知る範囲内でお勧めポイントや特長を簡単にまとめておきたいと思います。なお、各選手単独の著作は上記の著作一部を除きます。(育成面で興味深い点があったので、その意味でスピン編に一部紹介するということになります)

*「フィギュアスケートに懸ける人々」宇都宮直子著

日本フィギュアスケート界が現在に至るまでの過程が、現在はコーチになった方々を中心に綴られています。日本のフィギュアスケートの歴史を知りたいならお勧めかもしれません。新書版なのでお安いですし、ハードルは低いですね。

*「よくわかるフィギュアスケート」 ワールド・フィギュアスケート編

フィギュアの歴史を発祥から現在に至るまで(注:バンクーバーシーズンまで)紹介したり、日本人選手中心の紹介、またプロトコルの見方やコーチ、コレオグラファーの紹介など広く浅く知りたい方にはお勧めな本です。

*「フィギュアスケート 美のテクニック」 監修:樋口 豊 企画・執筆 野口美恵 モデル:太田由希奈

個人的には技術的なことを知りたいならこの本を一番お薦めしたいです。ジャンプなどのメインエレメンツはもちろん、つなぎやパフォーマンスなどについても太田さんの図解つきで分かりやすく書かれています。また、面白いのが同じ選手の2年分のSPの軌道が掲載されていること。(ちなみにサンプルは浅田真央選手)どの辺りが改良されているのか、また基礎点がどう変わり、どのように評価が変わったなどが記述されているのが興味深い本でした。ジャンプ抜きで競技用ではない太田さんのつなぎ満載演技の軌道トレースも載っています。こちらは図解つきなのでより分かりやすいですね。

 

ちなみに私の場合は上記以外ですと、不定期ですが「ワールドフィギュアスケート」や「フィギュアスケートDaysシリーズ(いわゆる男子本、女子本含む)」そして毎年出るグランプリシリーズガイド本も読んでいます。ただこちらは本当に広く浅く、インタビューがメインだったり試合レポートがほとぼり冷めた頃に載ったりなので、海外選手や各種アイスショーなどあれこれ網羅したい方以外にはあんまりお薦めしません。

あくまで私の個人的な見解ですが、ご参考までに。


疑問に思う要素のルール(スパイラル編・つなぎ編)

2011年12月17日 | フィギュアスケート

いつまでも悲しみに浸っていられないところ、お名前がない方に渇を入れていただきましたので(笑)気持ちを入れ替えていくつかの要素について細かく語りたいと思います。ただしフィギュアに関してですが。

それと言いますのも、木曜金曜とJスポで2010年ワールド、2008年ワールドを見ていて気になったことや、これは後日別エントリーにしますがひっかかるスピンのレベル認定についても。まず今日はスパイラルとつなぎについてです。

特に今日放送の2008年ワールドは採点がまだ比較的まともだった頃なので余計に感じたのですが、スパイラルもスピンほどではないかもしれませんが上手い下手・ポジションの美しさの差異が結構出てしまう要素だと思います。

現状のルールでは、スパイラル(女子のみ)はレベルなしのコレオスパイラルになってしまいましたが、個人的にこれは非常に残念なルール改定だったと思っています。SPでは要素から消え、FSではコレオスパイラルだけになっているので、女子の見せ場だったスパイラルが減ってしまったわけです。SPにもつなぎとして入れている選手もいますが、ごく短いですね。

現状でもコレオスパイラルにGOEで加点はつくものの、レベル判定があったことに比べると武器の一つにできるくらい上手な選手にとっては点数を得られるポイントが減ったり、また当初言われたように思ったほど選手独自の個性はそれほど出せていないと思います。むしろたった6秒ですから逆にみんな似たり寄ったりになっているように私には見受けられます。今季で独創性が高いのはワグナー選手と浅田選手くらいではないでしょうか?両選手とも、独自のスパイラルが素晴らしいので、佐野さんではないですが+3点差し上げたいくらいです(笑)

それとつなぎですが、やはり3年前の各選手のプログラムを見ていても、今の方がつなぎが沢山入っているのではないでしょうか?こういうところもDGシステムと共に高難度ジャンプ(コンビネーション)が減ってしまった要因ではないのかなと考えます。ジャンプの前後につなぎや工夫があれば加点があるのはいいんですが、ジャンプの入りが難しいと成功確率が落ちてしまうこともあり、やはり全体的にジャンプの難度が落ちてしまうのは非常に残念です。

言うまでもなく、フィギュアはジャンプだけでなくスピン、ステップ、スパイラル、そしてなによりベースになるスケーティングのトータルで競うものなのは百も承知の上ですが、要素が減ったり短くなったりしている割には、最近選手たちがプログラムをこなすことに苦労しているように見えるのが残念なのです。私のめがね違いならそれでいいのですが、多くの場合ジャンプ構成が落ちているのは事実です。最大の理由は厳しすぎるDG判定が原因ではありますが。

もちろん選手によって得意とする要素でそれぞれ得点源とし演じればよいと思うのですが、ジャッジやISUの幹部の皆様(こんなところは見てないのは分かってますが)スパイラルを是非またレベル認定有にしてみないか検討して欲しいなと、大変個人的ながらひっそり思っております。つなぎはあんまりみっしりでなければ今のままでもいいかもしれませんが、その多さによってもっと評価をつけてあげて欲しいです。正直、スカスカの選手とみっしりの選手とそれほど点差が離れていないですしね。

まあいつもどおり好き勝手に語りましたが、スパイラルやつなぎについてご意見がある方がいらしたら是非お聞かせ下さい。スパイラル好きな方、結構いらっしゃると思うんですけどねー。


GOLD~カミーユとロダン~

2011年12月14日 | 観劇関係

久しぶりに土曜日に観劇に行ってきました。正直、その前夜に飛び込んできたあまりにも悲しい知らせになかなか眠れず、体調も今ひとつの中行くか行くまいか大分迷ったのですが、あまりにも意気消沈している私を見かねて家族一同が「気分転換になるから予定通り行って来い」と勧めるので見てまいりました。

場所はシアタークリエでマチネ、後方席ながらもセンターよりで観やすい席でした。以下感想を書きますが、かなり辛口なので検索で来られた方、ご注意ください。特に特定のキャストさんのファンは気分を害されるかもしれませんのでブラウザバックされた方がいいかもしれません。とにかくネガティブな意見は見たくない方はご覧にならないほうがよいです。

まず題材が地味目で、しかも海外初上演ということもあるので、失礼ながら全く期待せずに臨みました。ただ、メインキャストのお二人は安心して歌が聴いていられる歌唱力の持ち主、そこだけには大いに期待していたかもしれません。

確かにメインであるカミーユ(新妻聖子)とロダン(石丸幹二)は非常に豊かな歌唱力で聞かせてくれました。少なくとも歌唱力には全く文句はありません。そして予想外と言っては失礼ながら、クローデル夫人(根岸季衣)も思いの外危なげない歌唱でした。クローデル氏(西岡徳馬)は、まあ頑張ってるなと伝わりましたし、ポール(伊礼彼方)も去年のエリザより歌唱力が上がっているように思えました。

……しかしながら、引き込まれないのです。難解で耳に残らない楽曲、ミュージカルとストレートプレイの中間のような曖昧なバランス、そして何よりカミーユとロダンの相性が関係の破綻を迎える前から何かそぐわないように見えるのです。それでも石丸さんは、昨年のエリザよりは濃さをコントロールしているように見えましたが、それでも非常に濃い。そして新妻さんに至っては見ているこちらが引くほどの濃厚さでぐいぐい押してくるかのような印象を受けました。妙な喩えですが、オリーブオイルとごま油が喧嘩しあっているかのようで胸焼けを起こしそうな過剰な濃厚さを感じました。調和が感じられないのです。芸術家という役どころを考えても、エキセントリックというよりひたすら、押しの強さで圧迫感を覚えました。

メイン二人のキャストさんがとても好きな方や、本家ロダンやカミーユに造詣が深い美術通の方などには楽しめるのかもしれませんが、率直に言って、もう一回見たいとは全く思わない舞台でした。途中、うっかり眠りかけてしまったのですが、幕間にトイレ列に並んでいたら前の方もお連れの方に「30回くらいあくび出ちゃったわ~」とおっしゃっていました。

後日、別に観に行かれた方の意見を聞きましたが、やはり大層つまらなかったとのご意見でした。アメリカではトライアウト期間で終わってしまった作品だと後で聞きましたがなるほど頷けます。キャストの相性の問題もあるのでしょうが、正直内容自体もあまり優れているとは評価しがたいものでした。満足感はほとんどなし、というのが私の感想です。


日本の花とロシアの花

2011年12月13日 | フィギュアスケート

意外な人の意外なコメントが思わぬところで見つかりましたのでご紹介いたします。ロシアのフィギュアスケート界ではタラソワ氏と並ぶ重鎮であり、プルシェンコ選手やタクタミシェワ選手を指導しているミーシンコーチの談話とタクタミシェワ選手の発言が読めます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111213-00000031-mai-spo

一目瞭然ですが、ミーシン氏が浅田選手について触れています。何かとスパイシーな発言が多いミーシンコーチですが、認めるべきものはちゃんと認めているんですよね。むしろ、常々思うのですが、浅田選手の場合は国内よりも海外の方が高く評価されているような気がします。その昔、伊藤みどりさんの頃も国内では結構容姿などについて馬鹿にしている人もいましたが、これは日本人の欧米崇拝根性のなせる業なのでしょうか? 今なお、ミドリイトウは海外のフィギュアファンなら皆知っていますし、愛されています。しかも日本人初のフィギュア殿堂入りをしていることを馬鹿にした人たちは知らないのでしょうね。

極端な国粋主義者になる必要はないと思いますが、だからと言って自国に優れた人材や才能が存在するにもかかわらず、重箱の隅を突きまわすようにいたぶる風潮は本当に嘆かわしく思います。ちょっと分野がそれますが、ノーベル賞を受賞するような優れた科学者がみな海外に流れてしまうのも、出る杭を打つ日本の悪しき風潮が招いたことだと思います。個性重視の教育などと建前では言いますが、結局それを良しとしないことでどれだけ突出した日本の逸材が窮屈で苦悩しているか思うに付け、いっそ卑屈とでも言いたいほどに自国の文化や優れた人材を大切にしないわが国を残念に思います。

仕分けと称するパフォーマンスをしながら、「二位じゃダメなんですか?」などと言ってる内は当分この風潮は変わらないでしょう。誠に嘆かわしく思います。


ゴールデンスピン@ザグレブ男女リザルト簡易版、そして浅田選手のコメント

2011年12月12日 | フィギュアスケート

なんとかゴールデンスピンのリザルトを見つけてきました。男子は読み方というか名前が本当に知らないと言うか分からないので(すみません)2位まで、女子は日本勢と上位五位までの結果です。

<男子>

1.町田 樹     228.63

2.デニス・テン   220.47

町田選手かなり出来が良かったようです。ちなみにテン選手とは今拠点が同じらしいですね。切磋琢磨して、元気に全日本でもいい演技を見せてくださいね。

<女子>

1.アデリナ・ソトニコワ     162.47

2.鈴木春菜           148.30

3.マリア・アルテミエワ    140.18

4.ジェナ・マコーケル     136.97

5.ソニア・ラフエンテ     135.31

10.藤澤 亮子        118.16

ソトニコワ選手は今回も3Lz+3Loで認定を受けたようです。何とか体型変化と戦いつつ、頑張っているようですね。そして鈴木春菜さんも頑張りました。JGPでも健闘していましたし、今後も頑張って欲しいと思います。藤澤さん、なかなか先が見えませんが、彼女もいい選手だと思っていますので、何とか突破口を見出して欲しいものです。

 

そして本日夕刻、浅田舞・真央姉妹からコメントが発表されました。こちらからどうぞ。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20111212mog00m050029000c.html

正直これほど早くコメントが発表されるとは思いませんでした。そしてまた、その内容に舌を巻きました。亡き母匡子さんは、本当に素晴らしい方だったのですね。地元名古屋のみならず、外国拠点のリード姉弟のコメントにもありましたが、ご自分の愛娘たちだけでなく、周囲の人々にも愛を注いできた方だったようです。返す返すもそのような方がこんなに早く逝去なされたのは残念ではありますが、匡子さんの娘さんたちは本当に素晴らしい女性に成長していますね。数日のブランクだけでなく、悲しみを乗り越えてまたリンクに戻ってくるのは大変でしょうが、浅田真央選手が全日本の舞台に戻ってくることを、今から見守りつつ待ちたいと思います。村上選手も国内大会(小塚杯)でジャンプ構成を去年に戻して調整しているようです。今年も全日本選手権、楽しみにしたいと思います。……これで放送がNHKか、せめてテレ東、それでもだめならテレ朝ならまだ良かったんですけどね。よりによってフジ。例のアナウンサーにはガムテープを「口に貼ってください」と一筆添えて送りたいものです(いや半分冗談です)