月姫転生 (月姫二次創作)
月姫憑依もので、事件の直後に遠野志貴に憑依してしまう話です。
しかも魔法使いと会えなかったため魔眼殺しがもらえず結果、眼を瞑り続ける8年を過ごしてしまいました。
以下原文
彼は覚悟を決め、口にする。本当なら決して口にすまいと、口にすることがないことを願っていた一言を。
罪悪感、後ろめたさ、自己嫌悪。言葉では言い表せない程の感情を押し殺しながら彼は口にする。
「俺は……もう、死にたくないんだ……」
遠野志貴であれば決して口にしないであろう言葉。
同時に遠野秋葉にとってはこれ以上にない意味を持つ、拒絶の言葉。
「――――」
瞬間、時間が止まる。秋葉が言葉を失い、息を飲んでいるのが分かる。
もうこれ以上言葉は必要ない。全ての事情を知った上で、自分の本当の事情を伝えられない中で選んだ最も残酷な宣告。
静寂が全てを支配する。それがいつまで続いたのか
「――――ごめんなさい、兄さん……失礼します。一目会えて、嬉しかったです」
感情を押し殺した声でそう残したまま、遠野秋葉は席を立ち去っていく。
ごめんなさい、その言葉にどれだけの意味が込められているのか。それに対して答える言葉を彼は持たない。
持てるはずもない。できるのはただ顔を下げ、俯くことだけ。
彼は生まれて初めてこの眼に感謝した。
眼を閉じていることで、遠野秋葉がどんな表情をしているかを見ずに済んだのだから。
だがそれ故に彼は気づくことはなかった。
もう一人の、琥珀色の瞳を持った少女が、自分をただ見つめていたことを――――
おまけに遠野秋葉の帰還も断り、物語はかなり変質。
良い意味でハッスルしていない琥珀がなにやら怪しい雰囲気を出しており、
今後の展開が見逃せませんし、文体も月姫らしく伝記物の懐かしい雰囲気を出しています。
ぜひみてください。